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自動列車停止装置 制御盤の設置

■ はじめに

 物置部屋に設置された我がレイアウトに、無謀にも追突防止の自動列車停止装置、いわゆるATSを設置しようと挑戦を始めた。 構想検討が固まったので、いよいよレイアウトへの設置作業を始める。

 制御盤が出来あがったので、いよいよレイアウトに設置して、調整とチェックを行った。

 

■ 制御盤の設置と配線作業

 まず制御盤をレイアウト台に取り付けた。 その状態を下に示す。

 次に、各ブロックからのセンサ線を制御盤に接続するために、端部のコネクタと結線する作業を実施した。 接続するコネクタの位置に線を切断し、端部のピンとハンダ付けを実施するのであるが、先回は3本工作済みなので残りの11本を工作することになる。 コネクタはLinkman 製の2.5mm ピッチコネクタ-3ピン(ZL2504-3PS)を使用しているので、11×3 = 33 個も作業するのであるが、老眼が進む小生には細かすぎる作業であった。 途中からついに照明付き拡大鏡を使用しての作業となった。

 作業ミスは1本で済んだが、制御盤と接続する時、最後の一ヶ所で接続不能となってしまった。 内回り用の7番センサのコネクタが逆方向にハンダ付けされていた。 先回報告の基板写真にもその証拠が映っているのだ・・・・・。

 基板を取り外し、ハンダを吸い取って組み付け直しである。 この時、他のコネクタのピン高さが低いものや高いものがある事に気が付いた。 多少の違いは許容されると思われるが、極端に差があるものは接続不良になる恐れがあるので、ハンダを溶かしながら修正を実施した。

 給電系も極性に注意しながらコネクタと結線し、配線作業を実施した。 線路とコネクタとをテスターで結び、断線の有無と極性の確認を行った。

 

■ 作動チェック

 結線作業が終了すると、作動チェックを実施した。

● 給電系の配線チェック

 最初に制御盤の電源を止めておいて、コントローラからの給電をチェックする事にした。 リレーはノーマル・クローズにて結線しているので、制御系の電源を落とした状態では通電状態にある。 これもフェールセーフと思っている。 線路上に動力車を乗せて、コントローラによりレイアウトを周回させて、各閉塞区間への給電状態をチェックするのである。

 配線状態は合格であったが、動力車が途中で止まってしまう不具合が発生した。 原因は線路のメンテナンス不良である。 最近動かす事が少なかったので、早速レールのクリーニング作業が要求されてしまった。 鉄道模型の基本中の基本ですね。 ついでに動力車の車輪のクリーニングしたが、これも必須条件ですね。

● センサ回路の調整

 センサの作動ポイントを設定するために、基板の半固定抵抗の調整を実施する。 基板を組み立てる時に、およそ20KΩに調整していたが、センサ回路と接続して細部調整をおこなうものである。 そこで、制御盤の電源を入れて全体の様子をみてみると、外回りのリレーが点灯してしまうのである。 線路上には車両を乗せていないので、半固定抵抗の調整が不良と思ってドライバで修正するも、チャタリングを起こしたり勝手にON/OFFする状態であった。

 最初はノイズを拾っていると考え、基板を他の配線から離したりしてみたが、センサ配線に触れるとLEDも点灯/消灯を行うので、回路の接触不良と判断した。 このシーケンス回路はノイズに敏感ではないと高をくくっていたので、一時はノイズ防止のコンデンサをどこかに入れないといけないのか、そして、そのような知識は全くないので、対応方法が見つからないのでは・・・・・と心配になってしまったのである。

 原因は、先の3ピンコネクタのGND線のハンダ付け不良であった。 コネクタを分解して拡大鏡でしげしげと見ると、イモハンダ状態で、肝心の部分が付いていなかったのである。 このように苦労した結線状態を下に示す。

 さて、肝心の調整作業であるが、テスターを持ち出して、センサ端子の電圧を測定しながら半固定抵抗を調整するのである。 下左はテストの状態で、下右の写真はプローブを取り付けた状態である。 該当するセンサのジャンパピンを左にずらし、開いたピンにプローブを取り付けている。 そして、定位置制御は

 線路上には、該当するセンサに車両を近づけ、車両の通過有無の状態で電圧をチェックする。 車両が無い時は 4Volt 以上で、車両が上にある時は1.5Volt 以下になるように半固定抵抗を調整した。

● センサ回路の確認

 すべての調整が終わると、定位置制御はOFF にして単独センサーでリレーが作動するようにセットし、動力車両を走らせて各リレーの作動状態を確認する。 リレーがさどうすると、LEDが点灯しリレーの音も出るので、その作動はOKと判断した。

 ここで、ひとつ問題点が見つかった。 内回りの区間3のセンサ作動が不安定であった。 少しチャタリングのようにバタバタと動作するのである。 手でしっかりと覆うと安定して作動するのである。もう一度電圧チェックを行うと、電圧の変化量が少なくなっていた。 

 原因はセンサの取り付け位置にあると想定している。 この場所は窓辺に近く、まどの明りが直接届く場所である。 さらにセンサの頭が線路から飛び出しているので横からの光を受け過ぎていると考えられる。 上側を車両が通過してもその変化がすくないため、リレーの動作が不安定になったいると判断した。 センサーを穴の下にもっと沈めて、横からに光の影響を少なくする様に、追加工作をすることにしよう。 ただし、かなりの修正工事になりそうである。

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 いよいよ試運転が出来るようになったので、色々な車両を走らせてみた。 しかし、トラブル続出であった。 自然解放、脱線、追突などが発生し右往左往であった。 システムさえ出来れば後は楽々と思っていた呑気な考えが吹っ飛んでしまったのである。

 その状況は次回に報告することにしよう。 取りあえず、完成した制御盤の全景を下に紹介しておこう。