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登山鉄道自動運転システム  複数の路線で走らせる

■ はじめに

 システム検討もいよいよ佳境に入って来た。 最大の峠は、複数の電車を異なる路線で同時に走らせる方法をマスターする事と考えている。 これは、最初に報告した「登山鐡道の自動運転 構想」の中で示す運行ダイヤをみると理解して頂けると思う。 異なる路線で同時に走らせる為には、二つのスレッドを並行して走らせなければならないのだ。 コンピュータのプログラムは、基本的に1行ずつコードが実行されながら動作する。 しかし、今回はひとつのプログラムで複数のスレッドを同時に実行することができるようにした「マルチスレッド・プログラム」にしなければならないので、この方法を会得する必要がある。

 この方法について、ラズパイの勉強を始めた時の「R-6 PWMによるサーボモータの制御」では簡単にあきらめてしまいましたが、今回はもう一度挑戦することにします。 そのために、まずテスト用のレイアウトを準備することにする。

 

■ レールエンドの処理回路の工作

 先回報告したレールエンドの処理回路の改良に従って、実際の回路を工作した。 予定のレイアウトではあと2個必要となるが、そのうちのひとつをチップ部品を使って工作した。 少しは小さくなるがユニバーサル基板を使うと配線がチップ側に出てしまい意外と見苦しかった。 両面基板か専用基板が必要ですね。

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 10μF のコンデンサを追加した改良回路を採用しているので、低周波PWM制御専用のユニットとなっている。 緑と黄色のLEDは光量アップのために抵抗値を少し下げている。

 

■ 複数路線のレイアウト

 このユニットを使用して狭い机の上にもう一つの路線をセットした。 その様子を右に示す。 短い高架式の往復路線である。

 この路線に電車を走らせるために、ラズパイのプログラムに記述を追加した。 内容は、今までのものをコピー&ペーストして、新しい路線関数を作り、センサ類などの指定項目を変更しているだけである。

 プログラムを走らせて新しいレールエンドの処理回路ユニットの動作を確認した状態を下に示す。 停車時には赤色LEDが点灯し、走行中の反対側のLEDのチラチラ点灯も無くて、改良した回路は有効である事が確認できた。

 また、チップ式ユニットの場合も充分な光量があり、3色共に綺麗に光ることも確認できた。 緑色のLEDが無かったので青色を使用しているが、やはり緑色か青緑色の方が信号用としてはベターですね。 この青色は少し冷たい感じがする。 交通信号の”青色”は、実際には”青緑色”で”緑色”に近いですよね。

 なお、今回工作したエンドレールには通過信号も工作しているが、CdS センサを線路の裏に直接取り付けている。 このために入射光の角度が広くなってセンサの感知が鈍くなると考え、線路上部に入射光を絞るための穴を設けた。 白い2mm のプラ板である。 効果のほどは確認していないが気持ちの問題なのだ。

 

■ 走行状態の確認

 実際に2台の電車を走行させた動画を紹介しよう。 まずは、順番に走行させる通常のプログラム状態である。

 新しい路線の電車は 12m 級の鉄コレ電車であるが、レールエンドブロックを押す力を増すために動力車2台で運行させた。 システムのハードもソフトも問題無く運行出来ていることが確認できたので、いよいよ、並列運行のためのプログラムを検討することにする。

 

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 2017/6/8 作成  M.T.