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登山鉄道自動運転システム  車止め量産

■ はじめに

 車止め試作4号の量産(?)モデルをもとに、残りの4台を作ることにした。

 

■ 車止め量産品の制作

 まず最初に、この車止めの構成要素である平行リンク部を作る。 材料は、0.3mm の真鍮板と、φ1.0mm の真鍮棒を加工する。 この平行リンク部は、滑らかに軽く動くことが必須であるが、そのための要は、平行四辺形の軸線が、4本とも高度な平行を保っていることである。 少しでもねじれていると、そこで動きが阻害されて重くなってしまうのだ。 軸間距離などの寸法は多少狂っていても、この平行度が確保されていればスムースに動くはずである。

 この平行四辺形の軸の平行度を確保するための最初のポイントが、箱型を形成するレバーの上下の軸位置をピタリと合わせる事である。 このために、現物合わせの技を使って、その精度を確保する。

 上左の写真は、その工作方法である。 まず箱型レバーを形成するためのレバーを必要な数だけ切り出して、ひとつのレバーについて所定の位置にφ1.2mm の穴をあけた。 (当初はφ1.1mm で工作したが、途中からφ1.2mm にアップさせている。) 残りの3枚は、現物合わせに従って穴を開ければよいのである。 一方の軸穴にピンを差し込んで、もう一方の穴を開けるのである。 特に、マイクロスイッチを押すためのレバーや、XY方向の位置をピタリと揃えなくてはならないので慎重に工作した。 上右の写真。

 そしてこの4枚のレバーは、現物合わせで工作しているので、セットとして取り扱うように、下左の写真の様に銅線でまとめている。 そして、この写真は、切り出して穴あけ加工が完了した全部品を示している。

 つぎに、こうして穴あけ加工されたレバーを箱型に組み立てるのであるが、その工作冶具を下右に示す。

 厚さ 5mm の木の板の上下に穴あけされたレバーを載せ、穴にはφ1.0mm の少し長めの真鍮棒を立てて固定しする。 この時、真鍮棒が平行になっていることがポイントである。 そして、レバーの両側を折り曲げ、上下のレバーをハンダ付けして一体化するのである。 こうすることによって、揺動するレバーの軸心の平行度が確保できるんだ。

 次に回転軸となる軸支部品側を工作する。 こちらは、飛行リンクを固定する部品と平行に移動する部品となるが、工作方法は同じである。 この冶具は、試作3号の工作でも紹介したものである。 レバーと軸を冶具の溝に収め(下左の写真)、セロテープで固定して置いてハンダ付けを実施する。 下右の写真。 こうすれば二つの軸の平行度は確保されるのだ。

 ハンダ付けが完了した部品を下左に示す。 ここで、水洗いを実施してペースト類を洗浄し、サブASSY品の完成チェックを実施した。 

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 そして、これらの部品を組み付けて平行リンク部を完成させる。 上右の写真。 組付けは、箱型レバーを押し広げてO形にし、軸類を押し込んでから元の高さまで戻すのである。 金属製であるので、この様な変形は自由自在である。 ここで、軸側のレバーをねじれさせないようにするのが工作のポイントとなる。 せっかく確保した軸の平行度を崩さない為である。

 動きを確認して完成である。 ブランコの様に滑かの動きであれば合格である。

 完成した平行リング部を試作4号と同様にTOMIXの線路端を使用してマイクロスイッチ類も同様に取り付けた。 左の写真。

 マイクロスイッチは、今回、SS-5GL-F を3個しか購入していなかったので、残りの3個は、電流容量の小さい SS-01GL-E を使用した。 外形寸法は同一である。

 電子回路部分は試作4号と同様の工作を実施して組付けることにしたが、登山口駅やスイッチバック部は、やや高めの奥の方に位置するので、この車止め部分から離して据え付けることにした。 上の写真で、一番左が試作3号であるが、LEDの位置より頂上駅に設置する車止めとした。その左の2個は街中駅ようとし、さらに左の2個を登山口駅に、そして一番右のものをスイッチバック部に使用することにした。

 

■ 車止めの設置 (街中駅)

 最初に、街中駅に設置した車止めを紹介する。 まず、レールへの組み付け状態を下に示す。 信号線などはレールの裏側に配置した。

 この線路を街中駅のユニットに取り付けのであるが、車止め部分が従来のTOMIX製よりも長くなっているため、ホーム全体を前に出している。

 狭いレール端に押し込んだものの、レバーとホームとが干渉してしまい、ホームを切ろ取るはめになってしまった。 下左の写真。 ????!!!  (=_=;  (^-^; 

 ユニットの裏側は、センサの信号線を集めてコネクタにて接続出来るように工作した。下右の写真。

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 苦肉の策を下に示す。 駅事務所のビルとして隠してしまうのである。 とりあえず厚紙で作って見たが、そのうちにプラ板を使って立派ないビルを作ることにしよう。 LEDの光は、窓から見える様に工夫すれば良いのである!

  下の写真は、駅ビルとして誤魔化した状態である。

 

■ 車止めの設置 (登山口駅)

 次に登山口駅での工作を紹介する。 車止めユニットは、従来の位置にそのまま取付け、長くなった部分はレイアウトの崖の部分を削り取ってその中に押し込め、岩か樹木かで覆えばよいと気楽に考えている。 それよりもLEDの取り付け部分である。

 このLEDの機能は、通常の信号機とは異なるのである。 緑、橙、赤色に点灯するも、進行、注意、停止を示しているのではないのだ。 入線中、停止中、出庫中などの制御状態を示しているのである。 本来は制御を操作している制御盤に設けるものであるが、配線が長くなること、現象が起きている現場で表示することなどを理由に、採用しているのである。 この非現実的で、スケールアウト的で、グロテスクな装置を、信号機を模したコンパクトな装置にしたいが、我が工作技術では無理なので、代用品で誤魔化しているのである。

 今回は下の写真に示すようなもので、誤魔化してみた。 少しは信号機らしくなったかな?  いやいや全然駄目ですな・・・・・・・・!

 

■ 車止めの設置 (登山口駅)

 スイッチバック部も同様に、はみ出した車止め部分は、レイアウトの崖の部分に穴を開けて逃がすことにした。

 工作がだんだん手抜き状態になって来た。 配線のコネクタ部は今までの物をそのまま使用して手直しし、信号機(表示板?)の部分はフォトカプラは不要なため、その部分を切断して使用し、配線そのものを信号表示板の足としている。 上右の写真。

 この他に、頂上駅はベースとなるベニヤ板を使用していないので、レイアウト上に直接取り付けることにしている。 また、制御盤については、信号処理回路の 1KΩの抵抗を 10KΩに取り換え作業を実施して、修正工作を完了した。

 いよいよ、レイアウト上にこれらのユニットを取り付けて、試運転を実施することにしよう。

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 2017/7/14 作成  M.T.