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登山鉄道 新自動運転システム 通過信号処理回路の出力電圧

■ はじめに

 先回、センサ回路のオシロ波形を観察した結果を報告したが、この中で、通過信号処理回路の出力電圧が3.5 ボルトしか出ていない事に気が付いた。 その理由を考えてみたが、どうやら自分の勉強不足のような気がして、もう少し首を突っ込んでみることにした。 

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■ 実験で確かめよう

 耄碌してしまった頭で考えるよりも、実験で確かめる方が分かり易いと思い、ブレッドボードを持ち出して実験することにする。 しかし、Cds に当てる光の照度センサも無いし、調整方法も面倒であるので模擬的な回路で代用することにした。 今回の問題は、Cds ではなくて、トランジスタとLEDの関係にあると睨んでいるからである。

 そこで、Cds と半固定抵抗の代わりに、固定抵抗で代用し、その抵抗を取り換えながら 出力電圧を測定して行けば良いと判断した。 即ち、右の回路図のように、AとBの固定抵抗の組合せを変えて実験することにする。

 ここで使用したトランジスタとLEDは、秋月より入手したもので、

である。 実験の様子を下に示す。

 抵抗AはCds を模し、抵抗Bは半固定抵抗を模している。 そこで、抵抗Bを固定して置いて、抵抗Aをいろいろ変えてLEDの点灯具合と出力端子の電圧をテスターで測定した。 電源は DC 5V 出力のACアダプターを使用した。

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 出力端の処理をどうするか迷ったが、Arduino のデジタル入力端子とテスターの測定端子は、共にハイ・インピーダンスとの事らしいと判断して、テスター端子を接続しただけの、いわゆる開放状態のままである。 実際の回路でチェックする必要があると思われるが、この実験で回路の様子が判断できると、気楽な素人考えなのである。

 なお、使用した抵抗の値は、抵抗の呼称値をそのまま使用している。 

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■ 実験結果

 測定結果を右のグラフに示す。 グラフのパラメータは、半固定抵抗を模した抵抗Bの値である。 この半固定抵抗は 10KΩのものを使用しているため、ここでは1K、3.3K 、5.1K 、10K Ωの4段階に設定している。  黄色の丸で示した点は、LED が点灯していたポイントである。

 最大の関心事であった最大出力電圧は、やはり3ボルトを少し超えたあたりまでであった。 また、抵抗Aがある値を超える辺りから電圧は急激に上昇し、抵抗Bによってその位置も変化している事が分かるが、これは、センサとしては想定どうりのパターンであったので、ひとまずは安心した特性と考えている。 半固定抵抗によって、通過物体を検知する明るさ(暗さと言うべきか・・・)を調整できるのだ。

 問題は、最大出力の電圧値である。 この値で、 Arduino が HIGH と認識してくれれば問題ないのであるが、・・・・・・・・少し心配である。  でもなんでここで頭打ちになるのだろうかの疑問が沸いてくる。

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■ 追加実験

 LEDは、もともとはダイオードなので点灯開始、即ち電流が流れ始める電圧がジャンプしているのが臭いような気がして、下記の様な回路で実験してみた。

  

 出力を取り出し位置をLEDより上流側にした場合を上の左の回路図に示す。 その結果を右のグラフに示す。 なんの事はない、LOW の状態であるべき部分の電圧がアップしただけである。 素人考えだ!

 でも、10KΩの抵抗を追加した回路は、見事に5ボルト越えの電圧までアップしているのだ。 この追加した抵抗の狙いは、LEDにほんのわずかでも電流が流れるとジャンプ分の電圧差が生じるので、強制的にバイパスを作ったのだ。 しかし、電流は大きく流れてほしくないので比較的大きな抵抗とし、Arduino のデジタル入力端子やテスターの測定端子はメガクラスのインピーダンスとか言われているので、10KΩに設定した。 5ボルトの電圧差では 0.5mA の電流しか流れないのだ。

 これならば、、Arduino のデジタル入力端子も確実に HIGH と認識してくれだろう!

 

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 2018/2/28 作成  M.T.