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新ATSに挑戦 制御機器の設置を始める

■ はじめに

 製作した制御機器のレイアウトへの設置作業を開始した。 最初に冬のゾーンから始めてブリッジ部へも設置した。

 

■ 冬のゾーンへの設置

 先々回に紹介したように、最初は冬のゾーンから開始した。 まず、通過センサのための細工を実施する。 レールの中央に 25mm 離した二つの穴を開け、上からのLEDの光をレール下にセットした光センサで検知する方式である。

 さらに、先に工作していたセンサの処理部分と信号機をレール端に取り付けた。 手前の右回り線と奥の左回り線のために、2組の機器を取り付けている。

 レール部分の全体を下に示す。 左の写真が表側で、右の写真が裏側である。 センサからの配線、信号機への配線、そしてレールへの給電線をレール裏に這わせてテープで止めている。 このテープは紙製のマスキングテープを使用した。 適当な接着強度と剥がした後もべとつかないので、最近はもっぱらこのMTテープを使用している。 ただし、塗装用のマスキングテープではなくて、最近はやりの模様が印刷された綺麗でお洒落なテープの中の、白色テープを使用している。 紙質も上等なのである。 そして、材質が紙なのでレイアウト表面を仕上げるとき、ターフやバラストなどとの接着性も問題ないのである。

 この部分に必要な制御ユニットが、4個必要なのであるが、これらをひとまとめにするボードを作成した。 内回り用レールとの接続状態を下に示す。

 そして、これをレイアウトに取り付けた状態を下に示す。

 同様に、外回り用のレールも加工してレイアウトに取り付けた状態を下に示す。

 ところがこれからが大変であった。 前後区間との通信線とレール用給電線を結線する必要があるのだ。

 この部分は一度レイアウトに配線してしまえば、その脱着作業はほとんど無いと見ているので、レイアウトベースの下を這わせて配線した。 この配線図を下に示す。

 ボード間の通信線の結線は、6ピンのコネクタを探してきて、電線対電線で結線するコネクタを使用した。 EIシリーズ・コネクタのリセプタブル・コネクタとキャップ・コネクタである。 下の写真。 電源としての +5volt と GND、左内回り、右内回り、左外回り、右外回りの合計6本の信号を通している。

 レールへの給電線は、ストックが多量にあったKATOで使用しているコネクタを使用した。 KATOでの例に倣って電源に対して上流側をメスコネクタに、下流側をオスコネクタにしている。  下左の写真。

 そして、これらの機器を覆い隠す様に造作を考える事にし、とりあえずブロックを重ねておくことにした。 上右の写真。

 

■ ブリッジ部の制御ユニット

 次に、冬のゾーンの左側のヤードの先にあるブリッジ部に取り掛かった。 このブリッジ部は開閉式のため、構造的なギャップがすでに存在しているので、これをそのまま生かして閉塞区間のギャップとしている。 このため、ギャップ部の右側には左回り閉塞区間の制御ユニットが必要となるのである。 右回り線路は冬のゾーンの制御ユニットが担当するのでここには設置しなくても良いのだ。

 そこで、ブリッジ部の高架橋を外し、そこに、通過センサと信号機を設置した。 下の写真。 内回り線は下り坂になるのでセンサからギャップまでの距離を長めに取っている。

 この高架橋の下の空間を利用して制御ユニットを設置することを検討すると、当初に試作した制御ユニット( 「制御ユニットの工作」を参照 )がそっくりそのまま使用できることが判明した。 仮設置の状態を下に示す。

 そして、必要な配線を実施した状態を下に示す。 配線を含めてゴチャゴチャになっているが、ここも丘などの造作を作って隠すことにしよう。

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 配線はブリッジの裏側を通してヤード側に接続した。 右の写真。 しかし、反対側の山岳ゾーンとの連結方法として、コネクタでの接続ではブリッジの開閉の度に脱着が必要となるので対応できないと判断し、接触子を使った通電方法を考えることにする。

 ブリッジのヒンジ部は、支点周りを迂回して配線する事で対応できたが、ヤード部との接続は、上記の6ピンコネクタを使用する。 給電用の配線もKATO のコネクタを使用して接続させる。 下の写真。

 こんかいの工事では、ヤード部には制御ユニットを設置しないので新たな工作は必要ないのであるが、給電ポイントの撤去作業と、通信をスルーさせる配線工事は必要であった。

 下にヤード裏側の配線状況を示すが、これまたマスキングテープによる “ベタベタと貼った絆創膏 !” の様になってしまった。

 

■ ヤードの出入口の制御

 このヤードの出入口の制御方法として、当初の構想では前方センサとのOR 回路で処理することを考えていたが、簡単なスイッチ一つで対応できる方法を採用した。

 冬のゾーンからブリッジ部に向かう左回りの線路では、ブリッジ部の通過センサの信号 S2 を受けて、前方に列車が存在するかどうかを判断しているのであるが、この通信線の途中にトグルスイッチを挟み、通常は前方の信号を冬のゾーン側にスルーさせるようにする。 そして、ヤードからの出入りの際には、+ 5 ボルトの信号線に切り替えるようにして、あたかも前方に列車がいるとの疑似信号とした。

 このためのトグルスイッチを下左に示す。 スイッチは2回路用を用いたのでついでに赤色LEDが点灯するように工作した。 下右の写真は、このスイッチの裏側の状態である。

 

■ 試運転の実施

 配線完了後、制御ユニットにPIC を取り付けて試運転を実施した。 前方の区間が未工事の場合には、「制御ユニットの機能チェック」で使用したロジック、即ち、通過センサ通過後はタイマー制御とするものを搭載させた。 通常部は、「改良した制御ユニットの機能チェック」で紹介した プログラム名 ATS-test-3-42.asm を使用した。

 当初はヤード出入口の制御がうまく行かなかった。 原因は、冒頭部分のS1チェックにてシーケンスが留まっており、そのまま列車を通過させてしまうことにあった。 そこで、この冒頭部分でも前方のS2チェックを実施するシーケンスに変更する修正を実施した。 結果は良好であった。

 しかし、試運転はイライラの連続であった。 列車が途中で断線したり、動かなくなったりで、レイアウト走行での基本がまるで落第であった。 原因はメンテナンス不良である。 線路は汚れているし、動輪は真っ黒クロスケだし・・・・・・・・・・・・・・!

 このため、試験走行時の動画を撮影する余裕がありませんでした。 m(_ _;)m

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 2018/10/30 作成