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卓上レイアウトで楽しもう TCSセンサの信号出力

 気になっていたTCSワンタッチセンサの信号出力を調査しました。 やはり、不安定な事がわかりましたので、レールセンサを使用する事にしました。

 

■ TCSワンタッチセンサの信号出力

 このセンサー回路は調査済みですが、その出力状態をオシロを使って観察することにしました。

 調査時の回路は下左の様に、1KΩの抵抗を介してPICマイコンのGP3ポートに入力させる状態にし、ポート入力端子の電圧をオシロで観察します。 5V電源からR1の抵抗を使ってプルダウン回路とし、その間に通電を表示させるLEDを挿入しています。

 LEDの電圧はジャンプしますので、入力の不安定状態を回避するために 10KΩの抵抗を並列に挿入しています。 また、通常は0.1μFのパスコン(C2)を取付けていますが、これらは今までの経験によるものです。

 なお、R1、C1、C2 の値は、下記の実験時に色々変えています。 事件状態を下右の写真に示します。

 

 実験は、チビロコを走行させてセンサを作動させています。 最初は、前進と後退で作動状態を観察するために、TCSセンサ線の両外側の信号線を使って観察して居ました。 しかし、途中のドサクサで片方の線が断線してしまい、回路図のように一方向しか観察出来ないようになってしまいました。 下右の写真には、断線したセンサ線がはっきりと映っています。

 

■ ワンタッチセンサの信号を観察する

 まず最初に、前進と後進時の信号を観察しました。 オシロのグラフをそれぞれ下に表示します。

実験その1

TCSワンタッチセンサ

 

R1 = 1KΩ

C1 : なし

C2 = 0.1μF

 なんだか変なパターンですよね。 観察出来と事を列挙します。

 まず、重要問題とし、LOW レベルが完全なゼロに落ちていない点を改善することにします。 これは、プルアップ抵抗が小さ過ぎる事が原因であるため、R1の抵抗値を1KΩから1.8KΩにアップして再実験しました。 右の画面は一つのパルスを拡大したものです。

実験その2

TCSワンタッチセンサ

 

R1 = 1.8KΩ

C1 : なし

C2 = 0.1μF

実験その3

TCSワンタッチセンサ

 

R1 = 1.8KΩ

C1 : なし

C2 = 0.1μF

 LOW レベルは完全なゼロに落ちる様になりました。 パルスを拡大しても綺麗な形状です。 しかし、やはりパルス数が足りません。 反応しない車輪があると言うことですね。

 

■ レールセンサの信号を確認する

 そこで、センサーをレールセンサに変えて実験しました。 途中からセンサ線が断線してしまいましたので新しい線に取り換えています。 今度はコネク部の配線部分をマスキング・テープを使って保護しましたの大丈夫と思います。 実験の様子を下に示す。

 センサをレールセンサに変えた時のパルス波形です。

実験その4

TCSレールセンサ

 

R1 = 1.8KΩ

C1 : なし

C2 = 0.1μF

 流石にTOMIXのお勧めセンサだけあった、パルスは確実に6個発生しています。 でも、凄いヒゲだらけですね! センサ先端の接触子が車輪の裏側を擦って行くのでしかたがないことですが、それにしても対策が必要となります。 また、構造的にも当然ながら、接触子に幅が出てきましたので、パルスの幅も広がっています。

 次に、コンデンサの容量を増やしてみました。 パスコンの0.1μFを10μFに取り換えました。

実験その5

TCSレールセンサ

 

R1 = 1.8KΩ

C1 : なし

C2 = 10μF

 効果抜群ですね。 しかし、パルス波形はかなり崩れてしまっています。 さらに、完全にゼロ電圧まで下がっていません。 部品のバラツキや条件の変化によっては LOWとの認識が甘くなる恐れがありそうなので、要改善と判断しました。 そこで、このコンデンサをマイコン入口の1KΩ抵抗の前に移動させてみました。

実験その6

TCSレールセンサ

 

R1 = 1.8KΩ

C1 : 10μF

C2 = なし

 コンデンサの位置を変えるとパルスの波形が少し矩形に代わってきました。 コンデンサ容量を小さくしてみましょう。

実験その7

TCSレールセンサ

 

R1 = 1.8KΩ

C1 : 1μF

C2 = なし

 パルス波形は矩形に近づいて来ましたが、ひげが目立つようになりました。 このセンサは、センシングの鈍さやダレよりも、確実なLOW 信号を発信することが重要と判断していますので、ここらで実験を打ち切り、結論を出すことにします。 

 

■ まとめ

  1. TCSセンサにおいて、TOMIXさんが説明されているようにワンタッチセンサではセンシングミスを発生する恐れがあります。
  2. このため、より作動が確実なレールセンサを使用する事にします。
  3. このレールセンサではヒゲ電圧が多く発生するので、処理回路として実験その6で用いた10μFのコンデンサを使用することにします。

 追記: ここで使用した10μFのコンデンサは、夕庵式室内灯でお世話になったコンデンサを使用しました。 室内灯は今はテープ式チップLEDを使用していますので出番が無くなっていましたが、再登場となりました。 コンパクトで使い易いのですが、既に販売終了となっているようですので大切に使用する事にします。

 

 次は、いよいよレイアウトに組み込んでみることにしましょう。

 

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 2019/11/5 作成