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卓上レイアウトで楽しもう 自動運転 その3

 自動運転その3は、ポイント制御と速度制御のトライのために、レイアウトと小判型に変更して実験することにしました。

 

■ レイアウトの構成

 まず、レイアウトを解体し、部品ごとに整理しておきます。 下左の写真のように菓子箱などを使って分類しています。 次に新しい小判型のレイアウトを作りました。 そのレイアウトは、下右の写真に示すように、こたつの天板を最大限利用するように斜めに配置しています。 線路の設定が終わったら、まず正常に走行できるかどうか、ポイントは作動するかなどの、ハードチェックを行い、異常無い事を確認しました。

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 なお、センサなどの配置は、右のイラストのとおりです。 ポイントの切り替えがギャップ代わりとなるため、ギャップは設けていません。 給電は一ヶ所です。 走行方向は両方向を想定していますので、センサは中央部に設置しています。

 

■ ポイント駆動ユニットの製作

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 今回は、ポイントを駆動するための回路が必要となりますが、今後も頻繁に使用する予定であるため、自作することにしました。

 回路的には今までと同じです。 ユニバーサル基板の上に構成したものユニットを左の写真に示します。

 スペースがあったので、2回路分をセットしています。 作動電圧はコントロールユニットの12ボルト電源を利用することにし、マイコンからの5ボルト電源と信号で作動するように構成しています。

 この製作したユニットの作動チェックを実施した状態を下に示します。 使用予定のY字ポイントを使用し、制御用電源は5V定電圧ユニットを使って配線のON/OFFによって作動を確かめました。

 

■ 制御回路の構成

 今回使用するマイコンは、Arduino を使うことにしました。 制御対象はが多くなるので8ピンのPICマイコンでは対応できません。 18ピンのPICマイコンを持っていますが、深みに入りそうなので、プログラムの簡単なArduino を選択しました。

 電源としては、Arduino を作動させるためのDC9volt 電源が必要ですが、いつものACアダプタを使います。 そして、制御用の5volt電源はArduinoから頂くことにします。 12voltは、コントローラの出力を活用し、電車の速度制御のための電源はこれもコントローラの給電ポートを活用することにしました。

 ポイント駆動はコントローラの12voltを使ってArduinoからの信号で制御しますが、問題は、電車の速度制御をどうするかです。 方法は二つあります。

  1. 12volt電源を使ってモータドライバでPWM制御を実施する事ができるが、速度調整のためのボリュームが必要となる。
  2. コントローラの速度制御電圧を使って、モータドライバでPWM制御を実施する。

 今回使用するコントローラは、TOMIX の古いタイプのコントローラであるため、PWM制御方式ではありません。 電圧調整タイプなのです。 もし、新しいタイプのコントローラなら、PWM制御のため上の(2)の方法が使用出ません。 そして、どこかに速度調整用のボリュームを取付ける必要があります。 これが面倒だったので(2)の方法を採用した上記のような回路図構成としました。

 コントローラとの間のダイオードは、逆転スイッチを間違えて操作した時に、モータドライバの電源であるプラス・マイナスが逆になってドライバを破壊しないようにした安全策です。

 

■ テスト走行の実施

 プログラムの説明は後から報告することにして、意気揚々と走行テストを始めた実験結果の顛末を報告します。 これで万全と思ってテストを始めましたが、電車はピクリとも動きませんでした。 ガックリです。 自信を持っていたのでテスト無しに本番テストを行ったのですが、やはりひとつづつステップを追って確認していく必要があります。

 まず、最初に余分な回路を取外し、センサだけを確認する回路にして走行テストを実施しました。 下の写真です。 給電はコントローラから直接配線しています。

 その結果、配線工作の間違いを見つけて修正しました。 次に、ポイントの作動チェックのために、ポイント回路を接続して、ポイントを交互に切り替えるプログラムとして走らせてみました。 下の写真。

 ポイントが正常に作動するように、ポイント作動命令の間に delay 命令を挿入して、センサ感知後3秒後にポイントを切り替えるプログラムとしました。 その時の動画を下に紹介します。

 正常に作動する事が確認で出来ましたので、これでセンサ処理とポイント駆動の回路とプログラムは正常に機能することが確認出来ました。 そこで、残るのは電車の走行方向と速度を制御する回路とプログラムをチェックすることにしました。

 この回路だけを取り出し、ストック品にあった動力車用のモータを回転させてみることにしました。 そのテスト状態を下に示します。

 この実験では、モータは回転しませんでした。 ここが不良だったのですが、原因が分からず、ネットでの資料を見ている時に気が付きました。 STBY 回路を無視していたのです。 充分に理解せず回路を構成していたので、このポートは内部でプルダウンされており、常時LOWの状態でした。 即ちスタンバイの状態でしたので、モーターは回転しなかったのです。

 このポートをプラス電源側に接続すると、モータは作動を始め、正回転でも逆回転でも作動することが確認出来ました。 そして、上記の回路図にも忘れずに追記しましたが、たかが一本されど一本の配線で結果が変わる事を改めて認識した次第です。

 これで、各機能の修正と作動が確認できましたので、改めてシステム全体の作動確認を行いました。

 作動は、二つの電車が駅で交互にすれ違い、停車と走行を繰り返す様子が確認出来ました。 その時の動画を下に紹介します。

 また、コントローラのハンドルを回すと電車の速度調整も出来る事を確認出来ました。 これで、このシステムの基本機能が確認出来ましたので、次に信号機を取り付けて信号の制御と、発車と停車の速度制御を検討してみたいと思います。

 

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 2019/11/16 作成