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卓上レイアウトで楽しもう 自動運転 その24 3重円形路での半自動運転

 今回の卓上レイアウトは、ポイント操作を手動操作にした半自動運転としました。 レイアウトはシンプルな3重の円形レイアウトにし、中央部に対向型のホームのある駅としました。 入線や出発は手動操作のポイントに従い、ホーム内での減速停車と、発進加速を自動運転としました。 通常は外周路を走行させ、タイミングを見て駅に入線させてり、出発させたりして遊ぼうとするもので、あたかも椅子取りゲームのようです。

 

■ 3重円形路レイアウト

 まず、レイアウトを紹介しましょう。 1番ホームと2番ホームを設け、それぞれを円形レイアウトにし、それらを周回する円形外周路で結びました。 下左の写真。 旋回方向は、駅構内の進行方向に合わせて、すべて左旋回での運行です。 まず、TOMIXのコントローラを使って、手動運転での走行にて不具合の確認を実施し、レイアウト上での問題がない事を確認後、運転パターンの検討を行いました。

   

 三つの円形路をめぐる自動運転パターンも考えましたが、当初の予定通りに、椅子取りゲームの方法としました。 即ち、ポイントの操作で、入線と出発を指示し、ホーム内での減速停車と、発進加速を自動運転とすることにしました。 このために必要なセンサや給電ポイントを考えて、上右の線路配置図のように、ギャップの位置、センサの位置、給電ポイントの位置を決めました。

 さらに、出発進行を表示する信号機を設けることにし、「卓上レイアウトで楽しもう 自動運転 その17」(2020/2/5)で工作した信号を設置しました。 また、電車の到着を検知する通過検知のレールセンサS1とS2は、センサ検知を作動させるための通電がポイント操作によって給電されるようするため、駅構内に設けたギャップの位置とポイントの間に設置しています。 このセンサの信号により減速と停車の制御を自動的に実施します。

 また、停車中の電車を出発させるには、出発側のポイントを反位側に操作することによってポイントの分岐側を通電させ、そこに通電センサST1とST2を設置しました。 この通電センサの信号によって発車と加速の自動制御を実施出来るようにしました。 線路からはフィーダーを使って線路の電圧を取り込み、制御ボックス内のブレッドボードに設けたフォトカプラで信号を処理します。

 駅構内の出入り口の状態を上の写真に示します。 ギャップ(黒や灰色のジョイナー)の位置、センサーレールの位置、フィーダーの位置などを示します。 信号機は、+5VとGNDの電源ラインと、通常時に点灯させる赤または緑を指示する信号線の3本を使って、操作盤と接続させています。

 

■ 電気系の回路

 今回は、モータドライバをDC12volt で駆動させるために、先回検討した ROHM社のHブリッジドライバーシリーズのBD6211F の耐圧仕様 7V を 36V に変えて使用する事にしました。

 工作は、「モータドライバBD6211FのVREF制御モードを実験」(2020/3/8)と同様に実施しました。 耐圧の7V仕様と36V仕様を区別するため、アクリル絵具を使って橙色と青色をペイントして区別するようにしました。 上左の写真。 赤色の部分は電源に接続するための位置を明示するもので、ドライバーユニットに接続するための方向を示すものです。 上右の写真は、ドライバーユニットに36V仕様のICを装着した状態を示します。 また、GNDに接続する信号線がある場合に備えて、GND用のピンソケットを追加しましたので、いちいちメインのボードまで配線を延ばす必要が無くなりました。

 今回の電気系配線図を下に示します。 モータドライバの写真は古い仕様のままですが・・・・・・・・・・。

 まず、制御用マイコン Arduino Naneo Every のポートを決めておきます。 下左のイラスト参照。 入力系として、電車の通過を検知するいつものセンサは、2個使用しますので、SEN1とSEN2 として配置します。 また、新たに設置する通電センサは、フォトカプラで信号処理したものを ST1とST2 として配置しました。

 運行開始の信号はUNTEN として入力し、電車の走行速度をを調整するアナログ信号をVOL として取り込み、新たに停車する場合の減速度を調整するアナログ信号を GEN として取り込むようにしています。

 これらの7個の入力信号をEvery の左側に集め、少なくなった出力系を右側に配置しました。 信号機への信号2本と、給電のデューティ制御用PWM 信号3本のみで、スキスキになってしまいましたが、全自動運転の場合のポイント制御端子4個は、今後のためにと開けています・・・・・・・・。

 そして、ポイントを操作する4個のスイッチと減速度を調整する可変抵抗器を新たに設置しました。 これらのスイッチ類を追加した操作盤を上右に示します。 そして操作盤の裏側の配線状態を下に示します。 配線を少し変更しましたので、追加配線をしたにもかかわらず少しスッキリとしてきました。

 

■ 制御プログラム

 配線が決まりましたので、スケッチを記述しました。 今回もプログラミングミスやロジック欠陥によって、やはりすんなりとは行かずにウロウロしましたが、やっと下記のようにまとめる事ができた。

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  1. 記述内容を分かり易くするため、各イベントをサブ・ルーチィン化(今では、関数というのかな)して、メインの記述を簡素化する。
  2. アナログ信号GEN によって減速度を調整出来るように記述する。
  3. PWM 周波数を 15.7KHz に設定する。
  4. ポイント操作によってホームに入って来た電車を通過センサ SEN1 または SEN2 が検知すると、信号を赤にして減速制御を始めて停車させる。
  5. 出発側のポイント操作によって分岐側線路に通電されると、通電センサ ST1 または ST2 が反応し、ホームに停車中の電車を発進・加速させる。
  6. ホーム1とホーム2の停車や発車のタイミングは非同期なので、重なった場合はやむなしとして無視することにする。 二つの仕事が同時に実施できるマルチタスクができないためです。 実際のテストで確認すると、後から入線した電車は停止できずにホームを通過して行きましたが、これはこれで、快速電車だったのだと言うことにしておくことにします。
  7. ひとつのホームでは、停車と発車の制御を交互に実施するように、exist という変数を使って、0が1かを判断しながら制御させます。 その変数は、各サブルーチィンの処理を実施後の最後に変更してその関数を終了させる。

 最終的に落ち着いたスケッチ ⇒ Every-9F

 色々修正して、設計変更符号がFになってしまいました。 即ち設変Aから数えて6回目の変更という事です。

 

■ テスト運転の実施

 まず、Bトレの赤い電車を使ってテスト運転を実施し、バグだしを実施しました。 M1T1の2両編成を二つ使って運転させました。

 ポイント操作なども良好でしたので、小円旋回路をグルグル回る自動運転状態にした時の動画を紹介しましよう。

 タイミングな合わない時の駅通過の様子もご覧いただけたと思います。 これはこれで楽しいものですね。 次に、ポイント操作による手動運転の様子を紹介します。

 このモードでも楽しめるのも嬉しいです。 つぎは小型のSLと客車の編成で楽しみました。 KATOの小型蒸気機関車 C12 を使って小型客車2両を牽引しています。

 コアレスモータ動力車のスムースな低速に見とれています。 また、2台の動力車の特性がほとんどピッタリですので、同じようなタイミングでいつまでも走行していました。 さすがはKATOさんの技術力ですね。

 

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 2020/3/14 作成