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鉄道模型調査室   KATO製パワーパック Standard S の調査

 

■ いきさつ

  鉄道模型で使用しているいろいろな製品の内容を知る事は、使用する場合の知見として参考になると考え、あらためて手持ちの製品の分解調査や性能特性を調べることにした。 一部の製品については、これまでも調査してきたが、小生が所有している範囲内で対象を広げることにした。 今回は、KATO製のポイント関係に関する製品群を対象として調べようと考えているが、まずはおお元となるパワーパックから分解調査を実施した。

 KATO製のパワーパックはこのタイプを2台持っているだけなのだ・・・・・・。

 

■ KATO製パワーパック Standard S の外観

 最初に、外観の様子を観察する。 電源は外付けのパワーパックを使用しているので、Standard S 本体は軽い。 また、本体には電源をON/OFF するスイッチが無いのも珍しいと思っているが、昔の製品の流れなのだろうか。

 本体周りのコネクタ類を観察する。 裏面には、AC15/1.5A と記された電源入力ジャックがある。 そして他端には、リセットスイッチの赤いボタンとフィーダー用出力端子、DC12V、DC12Vがある。 また、右側面にはポイントスイッチなどを接続するためのDC12V端子がある。

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 外付けのパワーパックはかなり大型で重いが、AC-AC アダプターであり、 要するに AC100V の家庭用の交流電源を AC15V の交流電源に落とすトランスなのだ。  結構な重量があるので鉄芯とコイルが入っているのだろうか?

 なお、このKATO製パワーパック Standard S のフィーダー出力特性については、2017/1/8 作成の「パワーユニットを知ろう KATOのスタンダードS」にて測定し報告済みである。

 この時、KATO製のパワーパック Standsrd S は、交流アダプター(AC - AC ADAPTOR) を使用し、全波整流したままのパワーユニットであることを知った。 このため、その脈動成分はしっかりと残っていることを認識しておこう。

 

■ 本体の分解調査

 性能特性より簡素な構成であろうと想定しなら本体を分解した。 蓋を開けてみると予想どうりに、電線が多く、基盤などの部品はまばらな簡素な構成であった。

 上蓋には電圧調整用の可変抵抗器と方向選択のためのロータリースイッチが取り付けられていた。

 本体と言える基板には、大きな放熱版が取り付けられているパワトラと、4個のダイオードおよびLEDに2本の抵抗のみであった。 簡単!

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 基板の裏側は、簡素な配線でしたので、早速回路図に落としてみました。

 AC15V の電源を受けて、片方の回路にはサームスイッチ(?) HOSIDEN BC601 AC125V 1.25A を通して、ダイオードに接続されていた。 4本のダイオードでブリッジを構成して、交流を整流していたが、コンデンサ等の平滑回路は見当たらなった。

 そして、可変抵抗からの入力をパワトラを使ってリニア制御し、ロータリースイッチを介してフィーダー出力端子に出力していた。 ポイントスイッチ等に使用するサイド端子には、ダイオードブリッジの出力がそのまま出力されていた。

 

■ サイド端子の出力電圧波形

 この出力端子の電圧特性は未実施であったので、今回測定した。 端子には負荷を取り付けず、測定子を直接当てて測定した。

 

 山の上は、22.8V 谷底はなぜか -1.0V である。  GNDはマイナス側の端子にしているので、ダイオードブリッジでの特性なのだろうか? ちなみにテスタのDCゾーンで測定してみると 14.5volt と表示された。 実効値が15ボルトであるということか。 確かにプラス側だけの脈動であるので直流には違い無いが、ゼロからマックまでこれだけ変化する脈動では、ポイントをうまく作動させることが出来るのだろうか?

 いや、逆にこれだけ変化する脈動だからこそポイント駆動には有利なのかも知れない・・・・・・・?

 コンデンサー式の一発アッパーよりも、連続パンチの方が、グズグズしている不良ポイントには効果的かも知れないのだ。

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  2017/10/31