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鉄道模型実験室  リバース線の検討 

 

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■【昭和の街にSLを】 リバース線の検討

 昭和の街の鉄道にSLを走らせるからには、SLの方向転換が欲しくなります。 かと言って転車台を設置する場所が無いため、リバース線を検討してみました。 場所は昭和の街の中心しかありません。 これはレイアウトの大改造となるため、テスト路線を作って検討してみました。 まずはその運行状態の映像をご覧ください。 下記の画像をクリックすると、動画が再生されます。

   

 線路の構成は、いろいろ検討しましたが、右の写真のように構成しています。 昭和の鉄道模型オリジナルの寸法から少しはみ出しますが、なんとか枠内に収めることが出来そうです。 リバース線を構成するS字カーブを無理なく構成させることと、リバース線への出入りを切り替えるバイパス線を設けることが特徴と言えます。

 自動運転のために、TOMIXのTCS自動運転ユニットN〈5563〉を使用し、中央の写真のようにポイントとセンサを結線しています。 フィーダ線はリバース線の外側に設置します。 オリジナルの位置では機能しません。 ポイントP1とP2は自動運転ユニットに接続しますが、P1のポイントはクロスコード〈5817〉を使用し逆接続にします。 また、リバース線への出入りを切り替えるポイントとしてP3とP4を設け、手動切替にしています。 センサS1/S2は、ひとつのセンサで代用しますが、センサ線は2本とも接続します。 そして、S3とS4を指定どうり接続します。 運転モードは4のダブルクロスポイント運転モードに設定し、加減速率設定はやや緩やかに設定します。

 (追記) なお、TOMIXのTCS自動運転ユニットNを使用する場合、なぜか低速での運転がスムースに行きません。 今回はパワーユニットとして N-1000-CL を使用しましたが、N400 を使用するのがベターです。 これは、走行用の制御電圧仕様が、0 - 8.5V となっており、低速走行に適しているからです。 

 

 TOMIXの自動運転ユニットにおいて、
     ポイント操作 ⇒ 発進加速 ⇒ センサ検知 ⇒ 減速停止
の動作をひとつのシーケンスと見ると、モード4のダブルクロスポイント運転モードにおいては次の様な動作をします。

このシーケンスを繰り返します。

 スタート状態からシーケンス(1)から(3)の三つのアクションで、右回りスタートから左回りへと方向転換し、シーケンス(4)によって左回りの旋回を始めます。 そして、P3/P4を直進側に設定しておけば、左回りの旋回を続けます。 P3/P4を分岐側にすると、センサS1を検知し減速停止します。そしてシーケンス(1)に入ります。 P4通過前にP3/P4を直進側に戻しておくと、センサS4を検知出来ず、右回り旋回を続けます。 もし、P3/P4が分岐側であれば、センサS4を検知してシーケンス(1)の終了となり、リバース動作に入ります。

 このリバース構成を成立させるためには、完全選択式のポイントが必須ですが、幸いミニポイントはその機能を持っています。 また、自動運転ユニットを使用しない場合にはバイパス線を設ける必要はありませんし、P1のポイントを逆接続にする必要もありません。 カプラーの解放装置などを設定すれば、機関車の方向まで変換できる機回しも出来ますよ。

 自動運転ユニットを使用しての自動運転のためには、他のパターンの可能性もあると思いますが、小生の行きついた方法では、P1のポイントを逆接続にし、さらにP2ポイントではスプリングポイント機能を使用しています。 そして、運転面での注意として、センサS4を検知後に減速停止位置は、P1を通り過ぎていること〈脱線します)。 また、センサS2とS1を検知後に減速停止する位置はP2の手前であること(ショートします)などが必要です。 このため、機関車のスピード、列車の長さなどを鑑み、速度と加減速率設定を列車毎に慎重に設定する必要があります。

 機関車側の改良も必要でした。 シーケンス(1)でのP2通過時、P2ポイントのスプリングポイント機能を使用している関係で、スプリング力に負けてSLの先輪が脱線してしまいます。 先輪の台車に弱い板ばねをかましたり、スペーサを当てて跳ね上がりを防止しました。 また、半径140mmの厳しい条件下での走行となりますので、線路のわずかな段差や食い違いですぐに脱線してしまします。 バック走行、右回り、左回りの走行が求められますので、86やC50は脱線ばかりしています。 曲線路でのガードレールの設置やテンダー車の改良などに挑戦していますが、まだ昭和の街の大改造には、決断できていません。

 参考のために、レールのレイアウト図を記載しておきます。 線路の接続はぴったりとは行っていませんが、無理なく接続できています。