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鉄道模型実験室   室内灯の電圧・電流特性

 

■ はじめに

 鉄道模型に使用する室内灯について、その電気的特性を把握する。 市販の室内灯と共に、手造りの物も測定し、改造工作や、動力特性の解析に利用・活用する。

 

■ 対象品と測定方法

  自分の手持ちの各種ストック品を測定する。 Bトレ旧客車に使用した麦球や夕庵方式の手造り室内灯も対象に含めた。 また、参考として乾電池使用を前提にした3V仕様の麦球も測定してみた。

名称 メーカ 品番 入手先
リード線付き透明麦球 12V パイロ電子 12Vムギキュウ マルツパーツ館
麦球 3V (クリア) ミネシマ P-23 量販電気店
新室内灯セット KATO 11-204 模型店
白色室内灯セット KATO 11-209 模型店
室内照明ユニットC(白色) TOMIX 0731 模型店
手造り室内灯 (夕庵方式) 自作 自作 パーツはマルツパーツ館と秋月電子より入手

 測定は、下左の写真に示すように、パワーユニットと電流電圧計測ユニットを用いて測定する。 電流の小さい場合には、下右の写真のようにデジタル電流計を経由するように接続した。

 

 

■ 測定結果

 測定結果を下のグラフに示す。 12V仕様の麦球は2個測定したが、殆んど同じであった。

 3V仕様の麦球は予想通りに、低い電圧で大量の電流が流れ、3Voltを超えると焼き切れてしまった。 鉄道模型には使用出来ない。 また、KATOの電球式室内灯(品番11-204)は、12V仕様の麦球と殆んど同じ値を示しており、 同じ仕様であると想定する。

 LED方式の他の3種類は15mA程度であるが、夕庵方式とTOMIXの室内照明ユニットCは一定電流を保持した特性を示しているものの、 KATOの白色室内灯セットは、電圧に比例した特性となっている。 これは、単なる抵抗でLEDの電流制限を実施している結果と思われる。 コストを安くするためか。

 なお、夕庵方式のユニットが11個あったので、一定となった電流値を測定し、その平均を求めて見た。

   夕庵方式のユニットの一定電流値: 平均値= 14.3 mA 標準偏差= 1.36 mA  即ち、 14.3 ± 4.1 mA

となった。 これは、定電流ダイオード CRD の特性そのものと思われる。

 

■ まとめ

  1. 12V仕様の麦球は、5Vで約30mAの電流を消費する。
  2. KATOの電球式室内灯は12V仕様の麦球と同じである。
  3. LED方式の室内灯の消費電流は15mA程度である。
  4. KATOの白色室内灯セットは、LEDを使用しているものの、電圧に比例した特性である。

 なお、機関車等に使用されている前照灯の消費電流についても、調査していきたい。