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鉄道模型実験室  コンデンサ方式のポイント駆動ユニッ

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■ はじめに

 先回の報告で、苦労して作成したモータドライバICを使った回路では、二つのポイントを同時に駆動することが出来なかった。 ひとつのポイントに一つのドライバICを使うか、リレーを使ってコンデンサ方式の駆動回路にするかの選択が有ったが、迷わずコンデンサ方式を選び、部品をネットで注文した。 その注文していた部品が届いたので早速工作を実施した。

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■ コンデンサ方式のポイント駆動ユニットの制作

 注文していた部品が届いたので、さっそくテストを実施した。 ブレッドボードに回路を組み、制御回路用シールドを使ってON/OFF信号を出力して作動をチェックした。 信号出力は、ステージ信号出力用のデジタル出力端子D7を使い、テスト用のスケッチもArduinoに送信した。

 ポイントは問題無く作動することが確認できたので、基板上にユニットを構成することにした。 その回路図を下に示す。

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 注文していた部品は、5V小型リレー2回路C接点の941H - 2C - 5D である。 カタログによると、コイル抵抗が167Ω、通常電流が30mA と記されていた。 この電流ならArduino のデジタル出力端子の容量以内と判断して、通電時間が有る程度長くても使用できると考えた。

 そこで、直進時はOFFの状態とし、分岐時にON状態で使用すれば、通電時間は短く済むし、ON/OFF のみのリレーでも使用できると考えてこのタイプを選定したのである。

 また、接点が一つのタイプでもよかったのであるが、二つのポイントを同時に駆動するためには、2接点のリレーを使ってそれぞれにコンデンサを接続し、別々に駆動すのが確実と考えたのである。 今回は安全策を採用した。

 カタログによると、コイルを駆動する端子に、極性が指定されていなかった。 プラス・マイナスどちらにつないでも良いと言う事と解釈した。 供給電源回路に使用したOMRON製のリレーでは、コイル極性に注意してくださいと注記があったが、今回の HSIN DA 製とは構造が異なるようであり、コイルに通電すればONとなるタイプと想定する。

 ただ、価格については、注文した先が異なるものの、\700.- と \100.- であったのには驚きである。 構造の違い? メーカーの違い? 取扱先の違い・・・・・・・・・・・? でも使用目的が異なるので、高価であっても納得している。

 コンデンサは、φ18×20mm で 2200μFの電解コンデンサを注文した。 大きそうだな・・・・・・・・・!

 

 これらの部品を使用して、72×48mmの片面ユニバーサル基板に回路を構成した。 大きなコンデンサをどこに持ってくるか検討したが、左右対称に配置することにした。

 ポイントとの接続方向については、Arduino からのON/OFF 信号によって、直進になるのか分岐になるのか回路を組んでチェックした。 

 

■ 動作波形の観察

 さらに、簡易オシロを使って電圧波形を観察するために、上右のテスト回路を組んで観察した。 オシロとは、CH1は茶線に、白線をCH2は白線に、GNDは駆動ユニットのGND線に接続した。 また、駆動電源はオシロの測定限界を考慮して、DC7.5を使用した。 信号はD7ポートに、1sec HIGH、 2sec LOW の繰り返しを出力させた。

直進から分岐に作動。 直進から分岐に作動。 時間軸拡大

 当初は、回路構成が同じである先回のN-401の場合と同様に、CH1とCH2にピーク波形が交互に現れると思っていたが、片方のチャンネルしか波形が現れないので慌ててしまった。 直進から分岐に作動する場合で、信号ポートがHIGH、即ちONになり、リレーはプラス電源に接続してコンデンサに充電する状態である。 しかしポイントは分岐/直進を、正常に繰り返し作動していたので、測定上の問題と判断した。

 配線具合を追っていくと、CH1は茶線に接続され、その先は駆動ユニットのGNDラインにつながっているのである。 従って、CH1はオシロのGNDレベルと同じであるので、波形は現れないのである。 では、何故 N-401の場合は良かったのか疑問が湧くが、GNDレベルの接続が問題と判断し、CH2の白線を外してオシロのGNDを接続した状態での波形を下に示す。

分岐から直進に作動。 分岐から直進に作動。 時間軸拡大

 今度は綺麗にCH1に波形が現れている。 コンデンサに蓄電された電気が放電されてポイントが駆動される様子を観察することが出来た。 また、放電側では、充電側のような共振状態は発生していない。 なんでだろう?  自分にはその違いを説明できる知識は無い・・・・・・・・・! 

 さらに、このレポートを整理している時に気が付いたが、どこにも接続していないCH2に小さな波形が現れているのは何故なのだろうか。 無造作に投げ出したCH2のリード線にCH1の信号が誘導されたのだろうか? あるいは、適当に工作したオシロ用シールドの配線上において、CH1から誘導されたのだろうか?

 なお、オシロのGND線を解放した状態では、電灯線のノイズが画面いっぱいに埋め尽くすので測定にならなかった。 電圧測定においては、基準点をしっかり意識することに重要性を改めて認識した次第である。

 

■まとめ

 無事に二つのポイントを同時に駆動出来るポイント駆動ユニットを完成させることが出来た。 これを使ってシステムの完成へと進めて行こう。