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鉄道模型実験室 No.154  モータドライバTB6643KQのPWM波形を観察する (その2)

 先回、東芝製モータドライバTB6643KQのPWM波形を観察した結果、その様子を知る事ができたのですが、さて、高周波での制御を実施するにはどうすればよいのか、素人ながら、あれこれいじってみました。 しかし、結局はこの石の使用を諦めることにしました。

 

■ 対応のための素人考えと悪あがき

 先回のPWM波形を見ていて、パルスOFF後の電圧の落ち込みが問題ではないかと考えて、 OUT端子などにコンデンサを挿入してみました。

 今回は、OUT端子の電圧をGNDに対する電圧として観察するために、オシロのGND端子をモータドライバのGND部に設定し、CH1はOUT1端子に、CH2はOUT2の端子に接続しています。 このため線路間の電圧は二つのチャンネルの差分となります。 また、PWM周波数は、パルス間の様子を観察するために、7.86KHzに設定しています。 もう、周波数は自由に変更できますね。

Bトレ 走行中 OUT出力端子間に0.1μF Bトレ 走行中

  周波数 =7.86 KHz

  周波数 = 7.86 KHz

 まず、何もしない状態の波形(上左の画面)を観察しました。 パルスがONの状態ではOUT1は、約11ボルトの電圧がかかっていますが、OUT2側は少しマイナス(?)電圧の様ですがゼロ点がずれているかもわかりません。 パルスがOFFになると、OUT1とOUT2の電圧が見事反転しています。 フリーホール電流のなせるわざですかね。 そして、逆起電力によってある電圧を保っているようですが、電流はどっちに流れているのだろうか・・・・と頭が混乱しています。

 よく理解できないのですが、次にOUT1とOUT2の端子間に 0.1μFのコンデンサを挿入してみました。 上右の画面です。 出力波形は劇的に変化しましたが、スタートダッシュについては、殆ど完全出来ませんでした。 そこで、コンデンサの容量を10μFにすると電車は暴走してしまい1.0μFに落としても暴走は発生しました。

 コンデンサの挿入位置が悪いのかとおもって、今度は、OUT1とGNDの間、OUT2とGNDの間に 0.1μFのコンデンサを挿入してみました。 下左の画面。

Bトレ車 OUT1とOUT2にコンデンサ、走行中 Bトレ車 OUT1にコンデンサ、走行中

 周波数 =7.86 KHz

 周波数 =7.86 KHz

 少し波形の様子が変わりましたので、今度はモータの上流側(OUT1)だけにコンデンサを挿入した状態を観察しました。 上右の画面。

Bトレ車 OUT2にコンデンサ、走行中 コアレスモータ車 OUT2にコンデンサ、走行中

 周波数 =7.86 KHz

 周波数 =7.86 KHz

 そして、モータの下流側(OUT2)だけにコンデンサを挿入した状態を観察しました。 上左の画面。 何が起きているのか、だんだん理解出来なくなってしまいました。 そして、Bトレから、コアレス車に変更すると、全く綺麗ない波形となりました。 上右の写真。

 とにかく理解できないので、破れかぶれに電車の代わりに線路上に抵抗を接続してみました。 波形はほとんどきれいない矩形波ですね。

電車の代わりに1KΩの抵抗を接続 電車の代わりに10KΩの抵抗を接続

周波数 =7.86 KHz

周波数 =7.86 KHz

 波形はほとんどきれいない矩形波ですね。 パルスがOFF時は、OUT1とOUT2の電圧が同じという事は電流が流れていない事ですが、なぜ電圧は中間の値を保ったままなのだろうかと不思議ですね。

 

■ まとめ

 とにかく、このモータドライバの挙動は、自分にはさっぱり理解出ませんでした。 幼稚な自分には、このドライバは使えないと判断することにしました。

 おそらく、絶対最大出力電流が4.5Aもある大電流用モータドライバでは、わずか100mA以下の小さなモータを駆動出来るようには設計していないのではないかと思います。 使用目的がマッチしていないものと考えて、他のモータドライバを使うことを検討しました。

 

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 2020/3/5 作成