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鉄道模型実験室 No.172  測定系の制御装置

 新しい測定台の昇降駆動装置とその制御装置は意図したように作動することが確認出来た。 そこで、測定関係のシステムの工作を実施する。 こちらは、苦労して作り上げた今までのシステムを放棄し、測定項目を減らした以前実施していたような単なる傾斜台方式に戻ることにしたことは、先回報告したとおりである。 このため、測定系のシステムは、再利用できる要素がほとんどなので、その修正作業を実施した。 なお、測定ゲートについては新しい構成に変更したので、こちらは次回に報告する。

 

■ 測定系の制御回路

 まず、測定系の回路構成を見直した。 基本は従来の回路のままであるが、回路構成部品は測定台の内部に収めるようにし、操作に必要なスイッチ類だけ操作盤表面に設置するようにした。 また、パネルメータなどの電源回路も簡素化し、測定系と昇降駆動系のArduino の電源もACアダプラをひとつにして共通化を実施した。 検討した新しい回路構成を下に示す。

 

■ 測定系Arduino のシールド

 測定系のArduino は、各種センサからの入力情報を処理して、逐次マイコンに測定データを送信する。 このため、センサへの電源供給と信号の受信を実施する配線の入出力ポートが必要であるが、装置の脱着を考慮してそれぞれコネクタで接続するようにしている。 このコネクタの配置をこのシール上に構成している。

 その構成は、当初の「電圧・電流測定ユニットの製作」(2013/3/6)のメインユニットの製作にて工作した状態を引き継いでいる。 ただ、作動状態を表示するLEDランプは、その後の有線方式の測定のために設けた2段シールドによって撤去されている状態であった。

 今回は、この基本のシールドをそのまま使用し、昇降制御用Arduino への電源ラインと操作盤に設けたリセットスイッチへの接続はシールドのホルダを活用する。 下左の写真はシールドの状態を示し、下右は、その配線を実施した状態である。 各センサとの接続は、4個の白いコネクタで実施する。

 操作盤上面には、レールに給電する電源電圧を表示するパネルメータを設置し、その電源のON/OFFスイッチとArduino のリセットボタンを配置した。 

 

■ 電圧・電流測定ユニットの工作

 レールに供給する給電電圧と電流を測定するこのユニットについても、従来品を再使用する。 回路は、当初の「電圧・電流測定ユニットの製作」(2013/3/6)から少しずつ修正されているが、今回はパネルメータへの電源供給や接続配線の修正などを実施したのみで、基本回路はそのままの状態である。

 

■ レールへの給電回路

 レールへの給電方法は、登坂と下り坂のそれぞれの測定ゲート部に直接給電する方式を今回も採用した。 TOMIXのS280 直線線路にハンダ付けされた配線(下左の写真)も再使用して配置した。 「電源供給ラインの改善」(2016/2/10)にて工作したこの配線の端末は手作りの端子がハンダ付けされており、登坂と下り坂のそれぞれの線路の端子は一ヶ所に集めて電圧・電流測定ユニットに接続するようにした。 これらの配線とコネクタは全て再使用品である。

 その配線状態を下に示す。

 

■ 測定台への取付け

 前記の電圧・電流測定ユニットも下左の写真のように傾斜台裏側に固定して、操作盤との配線も実施している。

 各ユニット間をつなぐコネクタ類はいろいろなタイプを使用しているが、これまでのものをセットとして再使用しているためである。 接続間違いも少なくなるであろうとも考えているが、間違い防止のためにもラベル付けるようにしている。

 ACアダプターは、下左の写真のように、測定台の片隅に取付けている。 測定台は下右の写真のように開くことが出来るので配線作業を容易に実施できる。

 測定台を閉じるとゴチャゴチャした機器類は隠れてしまい、すっきりとした測定装置のなった。

 

 残っている作業は、傾斜角度を測定する細工と処理回路の処理、そして、各センサの校正の実施であるが、次回は、上の写真に見えている測定ゲートの工作を報告しよう。

 

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 2020/9/27 作成