実車プロフィール
EF65形電気機関車は、EF60形に続く平坦線区向け国鉄直流電気機関車の標準形式として、1965(S40)年に登場し、昭和40年度第1次民有で58 - 72号機が製造された。 中央線電化および山陽本線貨物列車電化・増発用である。 65 - 70号機は稲沢第二機関区に配置された。
模型プロフィール
メーカー : KATO
商品名 : EF65 一般色
品番: 3002-2
車両番号: EF65 70
発売日 : 1980年
入手日 : 2010年12月 中古ジャンク品購入
定価 : \4,725.-
● 部品取りのつもりで購入したが、分解掃除後は快調に走行するので、一命を取り止める。
● ヘッドライト点灯
● カプラーの交換: アーノルドカプラーからカトーカプラーNに交換する。
● 「KATO Nゲージアーカイブ」によると、 KATOの電気機関車として、このEF65(3002-2 )は、2代目モデルと思われる。 台車マウントのカプラーやダイカストフレームへの直接集電など、古いタイプの機構である。
● 半径140mmのミニカーブも走行可能。
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駆動系の機構
まず驚いたのは、内歯車式の減速ギヤである。 河合のB6機関車でもみられたが、減速比は大きく取れないのに、なぜ?と疑問となる。 内歯車は m = 0.3 の Z=26、モータ軸側の歯車は Z = 16 で、減速比は i = 1.625 である。 目的はモータ軸とウォーム軸をずらせるために採用したのではないだろうか。 動輪につながるウォーム軸は下に下げたいし、一方のモータ軸はその格納位置を確保するため、上の方に持って来たいとの意図から採用されたものと推定する。
ウォーム軸は、フレームに保持された両側の軸受けで軸支されており、台車フレームに保持されたホイールギヤとかみ合っている。 そして、アイドルギヤを介して動輪の歯車に伝達されている。 動輪の直径はφ= 7.6 mm 動輪の歯車の歯数は m = 0.4、Z = 11であるため、モータから動輪までの減速ギヤ比は、i = 17.875 であった。
ダイカストフレームは左右に分割され、かつ絶縁されており、台車からの集電方法は、ダイカスト台車とダイカストフレームとの直接接触による集電である。 従って全体の構成がシンプルである。
モータとモータ軸の歯車、ウォーム軸と内歯歯車、およびウォーム軸の軸受けを下の写真に示す。
モータは、丸みを帯びたフレームとなり、ブラシケースもはめ込み式に改良されている。
ウォーム軸の軸受けには、球面形状をした含油メタルがはめ込まれている。 ウォームが樹脂製なのも珍しい。
動力特性
今回、傾斜式測定法で測定を実施した。 また、モータ単品での電流・電圧特性の追加や、制動領域での牽引力特性の測定を詳しく実施する。
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速度特性:
動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。
走行音はやや大きく、低速もフライホイール車搭載車の様にスムースでは無く、ギクシャクした感じが見受けられる。 モータ単品の消費電流は、70mA 程度であるが、前照灯の消費電流 40mA(12V麦球、7Volt時)のほか、ギヤ類の摩擦抵抗分が付加されている様である。
牽引力特性:
動力車の牽引力特性として、電圧4.0voltでの牽引力・車速特性と牽引力・電圧特性を右に示す。
制動領域では、ややS字カーブを描いている。 また、走行中のぎこちない動きは認められなかった。 駆動系の摩擦抵抗は 10gf 程度で大きい部類に入るが、動輪の支持方法によるものと推察する。 ピポット軸受方式に比べて抵抗が大きいようだ。
車両重量や、トラクションタイヤの効果により、粘着領域での牽引力は 30 グラム以上ありそうである。 (今回、傾斜式測定法で測定したので、粘着領域での牽引力は測定出来ていない。)