Ge4/4-V644号機

 この車両は、アルプスの氷河特急の先頭で列車を牽引する機関車である。

● 主要諸元はまだ未測定である。

連結面間距離
 
車体全重量
82.6 グラム
ギャ比
 
台車中心間距離
 
台車軸距離
 mm
動輪直径
 

 

工作と分解調査

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■ コンデンサの撤去工作

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 日本での使用に合せて、説明書の指示に従いコンデンサの撤去工作を実施した。 なお、このコンデンサの影響について 「ライトユニット3101のコンデンサの影響」(2021/6/13)にて報告している。 工作内容はハンダ付けされている下記のコンデンサ2を撤去するものである。

 

 

■ 機関車の分解調査

 機関車 Ge4/4-V 644号機の構成を調査するため分解してみた。 車体の裾を広げたシャシーと分離させます。 すると動力部が現れますので各部の組合せ状態を確認して分解方法を検討します。 動力部の上面には基板が見えています。 問題のコンデンサは再ハンダ付けした状態ですね。

 分解前に、動力部の周りを観察しておきます。 下右の写真は正式側の側面です。

 反対側の側面と底面を下に示す。

 車両の両端には、ヘッドランプの導光部材が見えています。 カプラー部を動力部がら取り外します。 下右の写真。 前と後ろで導光部材の長さが違っています。

 次に、基板と枠部材を取り外します。 そして底蓋を外すとシャシーが分解できます。 シャシーは左右2分割でダイカスト製です。 モータと台車もポロリと外れました。

 そのシャシーの表側と裏側です。

 また、モータはフライホイール付きで、モータホルダーがセットされています。

 再組付時に取付け方向を間違えないように、上面側に黄色のマーキングをしておきました。 ホルダの足は組む付けミスに対応して非対称形のようですが念には念を入れておきましょう。

 台車と底蓋です。 底蓋の取付け鍵部は非対称になっているので、組付け時に迷わ無いように配慮されています。

 ライトユニットの基板です。 問題のコンデンサは実験のために再ハンダ付けされた状態ままです。 今回の再組付け後に撤去しました。

 シャシー枠と基板中央部の押さえ部材を下左に示します。 また、後方のカプラー部分解した状態を下右に示します。

 分解後の再組付けは、迷いもトラブルも無くスムースに実施できました。 今回は台車部分の分解や寸法調査は実施しませんでした。

 

動力特性

 新しい動力特性測定装置と処理ソフトを使用して動力特性を測定しました。 測定装置などについては「動力特性の新自動測定システムを使う」(2022/6/16)を参照ください。

● 測定条件

 測定時の状態を下に示す。 

 

1)速度特性:

 動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を下に示す。

 車速・電圧特性について、電圧が4ボルトでスケールスピードが60Km/h となり、やや遅い設定です。 また、電圧を8ボルトにすると150Km/hのスピードなので、山岳鉄道としては充分な速度となります。 低速についても、超微速でも非常に滑らかであり、コアレスモータ並みの走りを実現しています。

 電流値は40〜70mA程度で少ない値です。

 

2)牽引力特性

 スケール速度が通常運転範囲として、80Km/h 〜150Km/h程度になるような電圧値を設定して牽引力を測定しました。

 スリップ領域での牽引力は、22グラム程度です。小さな車体ですがなかなかの力持ちですね。 18グラムを超えるあたりから動輪はスリップを初めています。 また、制動領域での偏移点は約3グラム近辺で、動力機構の摩擦は小さいです。