キハ84-7号機 

 この車両は、キハ85系 ワイドビューひだ 5両編成(1M4T) の中の動力車である。

● 主要諸元はまだ未測定である。

連結面間距離
 
車体全重量
65.9 グラム
ギャ比
 
台車中心間距離
 
台車軸距離
14.0mm
動輪直径
 

● この車両の動力ユニットは、テープLED式チラツキ防止タイプの室内灯も組み込んでいる。

 

分解調査

■ 分解調査

 まず、車体を取り外した動力部の状態をから観察しよう。 手作りの室内灯ユニットは動力ユニットから取り外しています。

 まず、動力ユニットから台車を外します。 TOMIXと同様に、台車の横の部分をこじって取り外します。 下左の写真。 そして、床下カバー外し、その奥に見える座席シートの爪と、側面のひっかりを外すと、座席シートを取外す事ができます。 すると下右の写真のようにモータが見えてきます。

 上側の小さな爪部品を外すとモータも取外すことが出来ます。 さらに、集電シューを止めている小さな穴のひっかりを外すと集電シューもはずせますので、接触部の汚れをクリーニングすることが出来ます。

 分解した部品を並べてみました。

 座席シートの表側(下左の写真)と裏側(下右の写真)の状態です。

 フレームはダイキャストの一体成型品です。

 床下カバーの側面には、気動車特有の複雑な機器類をレリーフ状に整形してありますが、凝っていますね。

 次にモータを見てみましょう。

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 このタイプのモーターは、スキューの無い KATO の第3期のモータです。 「KATO製電気機関車 第3期 フライホイール型モデルのモータ 追加」(2016/10/22)を参照してください。

 磁石部分の青と白のマーキングを見ると、同時期に生産されていた電気機関車モデルと同じモータを使っているようですが、フライホイールがありません。 この電車系のモデルには、まだニーズが無かったのか、あるいは、フライホイールを収めるスペースがなかったのでしょうか?

 

 次に台車を見てみましょう。 構造としては他のモデルと同じですね。 台車側面の造形も凝っています。

 台車上面の集電子のそばの爪を外すと、台車は分解できます。 分解掃除の時は必要な作業ですね。

 

 購入してずいぶん時間が経っていますが、状態は綺麗でした。 あまり走らせていないと言うことですね。

 

動力特性

 新しい動力特性測定装置と処理ソフトを使用して動力特性を測定しました。 測定装置などについては「動力特性の新自動測定システムを使う」(2022/6/16)を参照ください。

● 測定条件

 測定時の状態を下に示す。 

 

1)速度特性:

 動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を下に示す。

 車速・電圧特性について、電圧が4ボルトでスケールスピードが80Km/h となり、使いやすい設定です。 また、電圧を8ボルトにすると220Km/hのスピードが出ますので充分な速度となります。 低速についても、超微速でも非常に滑らかであり、コアレスモータ並みの走りを実現しています。

 電流値は80〜140mA程度で一般的な値です。 この車両は、室内灯としてチラツキ防止式のテープLEDが装着されていますので、7ボルト付近より電流が少し増加しています。

 

2)牽引力特性

 スケール速度が通常運転範囲として、80Km/h 〜150Km/h程度になるような電圧値を設定して牽引力を測定しました。

 スリップ領域での牽引力は、18グラム程度です。 15グラムを超えるあたりから動輪はスリップを初めています。 また、制動領域での偏移点は約3グラム近辺で、動力機構の摩擦は小さいです。