JR103系 モハ102-81 号車

実車プロフィール

 103系は、1963年から製造された 直流通勤電車である。東海色更新車は、中央西線で運用されていた103系にリニューアル改造が施された車両で、面窓サッシのユニット化などがの改造が行われた。 東海色と呼ばれる、クリーム色の車体にオレンジと緑色の帯が配された明るい塗装で活躍しました。

模型プロフィール

メーカー : TOMYTEC
セット品名 : JR103系東海色更新車 4両セット
車両品名 : モハ102
車両番号 : モハ102-81
発売日 : 2014年3月 発売
入手日 : 2014年12月  新品購入
定価 :  4両セット  \4,800.-
      動力ユニットTM-18<20m級D 3,400.-

 

諸元と分解調査

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● 鉄道コレクションの4両セットシリーズを Nゲージ化した。

● 動力ユニットは、鐡道コレクションの20m級DのTM-18を装着する。

● カプラーは、KATOカプラーN(11-702)に取り換える。

室内灯は未装着。 トラクションタイヤは装着。

● 主要諸元

連結面間距離
136.5mm
車体全重量
56.6グラム
台車中心間距離
93mm
動輪直径
φ D = 6.0
台車軸距離
15.4mm
ギャ比
i = 11

● 動力ユニット 20m級DのTM-18を下に示す。 室内の床面は表現されていない。

● フライホイール部を覆っている重りを取り外した状態を下に示す。 モータにはフライホイールが装着されており、長いジョイントで動力台車に回転を伝えている。

● 動力台車を下に示す。 外径φ3.4mm のモジュール m = 0.3 のウォームは、歯数 Z = 21 のウォームギヤと噛合っており、 歯数 Z = 12 のアイドラギヤを介して、歯数 Z = 11 の動輪歯車に伝達される。 歯車系列の途中での減増速が無いので、減速ギヤ比は、i = 11 となる。 また、動輪の直径はφ= 6.0mm であった。

 このウォーム軸について、軸受部材が無いのに驚いている。 KATO製では小さな含有軸受けがウォーム軸の両側に設置されているが、このTOMYTECでは台車の材質に直接接触させて、軸受け代わりにしているのである。 右上の写真。 耐久性などの自信があるのだろうか。 少し心配になったので、たっぷりとオイルを摘下しておいた。

 また、鉄コレシリーズの特徴である台車レリーフを装着するために、動輪の軸受けと集電子の形状が独特である。 この動力台車の分解状態をしたに示す。

● 全部品の分解状態を下に示す。

● シャシーを下に示す。 鉄コレではシャシーは樹脂製である。

● モータには、ケースに覆われているの内部の構造は不明である。 集電シューと接触させるための端子はケースにしっかりと組み付けられていた。 下左の写真に示す白い部材はモータの下にある重りとの接触防止用緩衝材と思われる。

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● 次に集電シューを見てみよう。 上の写真。 鉄コレ動力用は独特の形状をしている。

● また、この動力ユニットはシャシーが樹脂製であるため、駆動力を確保するための工夫として、3個の重りを設置している。 シャシーだけでは重さが確保できないのである。

 まず、モータの下に嵌め込んである細長い重りが 8.2 グラムで、フライホイールを覆う二つの重りがそれぞれ 7.1 グラムあった。 これで、22.4 グラムの重しとなっている。 モータが 10.5 グラムあったので、合計 32.9 グラムと全体の6割弱となっている。

 

動力特性

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 有線式の動力特性測定装置を使用して動力特性を測定する。 この測定装置では、走行中のモータ端子電圧とモータ回転数の測定を可能にしている。

● モータ回転数検知のために、フライホイールに白黒のマーキングを実施し、回転センサーとモータ端子電圧測定用の端子を取り付ける。 さらにボディなどを装着した時の重さに合わせるために、水草の重りで補重している。 先端には光ゲート用の遮断片を取り付けている。
 測定時の状態を下に示す。

● 測定実施日: 2016/6/20 連結した重り車両:81.5グラム、摩擦抵抗 0.85 グラム

 

1)速度特性:

 動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を下に示す。 全体的に「かっとび系」の特性である。 電圧8ボルトで新幹線並みのスピードが出るのである。

 今回も、「モータの無負荷回転特性を測定する」で報告したモータの無負荷回転特性と同様に、単品状態のモータ特性を測定して、グラフ上にプロットした。 そして前回と同様に、修正してここに掲載している。 測定違いについては原因不明のままである・・・・・・・・・・・・。 ジャンパーピンの設定にはミスが無かった。

 車両での走行時とモータ単品時を比較すると、車両での走行時では回転数が少し落ちている。 そして消費電流は3〜4割も増加していた。 駆動系の摩擦抵抗のためと推察する。

 また、電圧降下量が意外と小さいのTOMIXの特徴ななおだろうか。 スリップ率のグラフを見ての上で、動輪の直径はφ6.0mm でなくて、φ5.9mm に修正している。 モータ単品での状態では、0.9〜0.95ボルトで回り始めるていた。 

2)牽引力特性

 スケール速度が100Km/h 前後になるような電圧値を設定して牽引力を測定しているが、今回は少し設定幅を広げてみた。

 車両速度のバラツキやや大きいのは電圧降下量の影響とも思われるが、よくわからない。 牽引力としては、スリップ領域では 20 グラム弱と判断される。 また、特性の傾きは立っているので負荷による速度の落ち込みが少ないと考えられるが、10グラム過ぎてからスリップが大きくなっている。 ウォームギヤに掛かる力が変化する遷移点がはっきりしないが、動力台車内の伝達機構が甘いせいなのだろうか。 KATOのようにくっきりとしたパターンになっていない。

 電圧降下量については、高速になるにつれてだんだん大きくなっているようであるが、テスト順番によるせいかもしれない。 測定は3,4,5ボルトと順番に実施したので、だんだん汚れてきた可能性がある。 測定順を変えれば明確になるのであるが・・・・・・・。 未検討である。

 

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● 出力と効率

 上記の牽引力測定データを基にして、右に示す様に、出力と効率のグラフを追加する。 2016/11/28 追記

 

3)考察

 この動力ユニットは、パワーがあるものの、ローカル用車両から超特急用車両まで対応できるように(?)との狙いで設定されているようであり、貸レイアウトでキッツ達が喜びそうな設定になっていると判断する。 やはり 鉄コレ用の 動力ユニットなりと思われる。