313系 モハ 313-8 号車

実車プロフィール

 313系はJR東海の直流近郊型電車である。 1999年に登場し、2両・3両・4両・6両・8両編成が存在する。JR東海管内の電化区間で主力車両として運行されている。 そのバリエーションは多岐に亘っており、各路線に応じた仕様となっている。

 

模型プロフィール

メーカー : KATO
セット品名 : 313系0番台4両基本セット
セット品番 : 10-421
車両品名 : モハ 313-8 (モータ付動力車)
車両品番 : 4447
発売日 : 2006年 再生産品
入手日 : 2007年6月19日 新品購入
定価 :  \11,8650.-

   

諸元と分解調査

  .

●このモデルは、 2002年以前に発売されたモデルの再生産品であり。

● カプラーはKATOの伸縮密連カプラーを装着。

● 主要諸元

連結面間距離
134.5mm
車体全重量
69.6 グラム
台車中心間距離
91.0mm
動輪直径
φ D = 5.5
台車軸距離
14.0mm
ギャ比
i = 12

● このモハ 313-8号車は編成の中間車両で、4両編成の中の動力車であり、まだフライホイールは未搭載であった。 

● この動力ユニットは、品番が 4447B のユニットであり、 トラクションタイヤを履いている。

● 部品を大まかに分解した状態を示す。

● 動力ユニットは、シャシーと床部品、および集電材で構成されている。 下の写真はその表と裏を示す。 組み付ける時に気付いたが、これにモータと端子抑えが、このAssy部品 に含まれているのだ。 

● 前後の動力台車を下に示す。 前後は同じ者である。 そして、分解した状態を下右に示す。

   .

● ウォームは、外径がφ = 4.0mm の1条ネジで、モジュールは m = 0.3 であった。 ウォームホイールの歯数は Z = 14、二つのアイドラギヤの歯数は Z = 10、動輪のギヤの歯数は、Z = 12 であった。 ギヤの途中での減速がないので、動輪を一回転させるには、ウォームを 12回転させる必要があるので、減速ギヤ比は i = 12 となる。

 また、動輪の直径は、φD = 5.5mm であるので、モータが1回転すると滑りがゼロの場合には、1.44mm 進むことになる。

● モータは、いろいろなモデルに搭載されている標準的なモータと判断する。 フライホイールはついていなかった。 ジョイントと連結するカプラー部分にモータ回転を検知するためのマーキングを実施している。

● 電車系の車体はボギー車構造になっており、車体の重心が中央部にあるとするならば、まさにイコライザー機構であるので、車両の重さは4本の動輪に均等に掛かるものと想定できる。 そして、トラクション・タイヤは、この8輪の中の2輪に装着されている。

● シャシーの床下の部品とボディマウントのカプラーを下に示す。

  .

 

● ライトユニットは白色室内灯セット(品番:11-209)を取り付けている。

 

動力特性

 有線式の動力特性測定装置を使用して動力特性を測定する。 この測定装置では、走行中のモータ端子電圧とモータ回転数の測定を可能にしている。 また、測定の様子は、「電車形動力車の動力特性の測定を始める」にて、測定時の顛末を報告している。

● 測定実施日: 2016/5/31 連結した重り車両: 85.1グラム、摩擦抵抗 0.85 グラム 
 測定時の状態を下に示す。

 ここでは、最後に測定したデータを正式データとして採用している。 尚、室内灯は外した状態で測定している。

1)速度特性:

 動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を下に示す。

2)牽引力特性

 いつもの通りに、スケール速度が100Km/h 前後になるような電圧値を設定して牽引力を測定している。 最初に速報にて報告したデータを再掲載する。

3)考察

 この動力ユニット(品番: 44478)は、ローカル普通電車としての80Km/h から、新幹線並みの 300km/h のスケールスピードが出せる仕様となっている。 そして牽引力は 20グラム前後と推定でき、十分な編成列車を駆動できると思われる。 しかし、消費電流は200mA を超えるので、充分なパワーの供給が必要となるであろう。 そして摩擦係数は 0.3程度と思われるが、これは今までのいろいろなモデルと同等の値でもある。

 また、電圧降下は意外と発生しやすい車両と思われるので、メンテナンスには十分な配慮が必要である。 次にトラクションタイヤの無いモデルでも同様な測定を実施しよう。

 

追記)

 この313系0番台4両基本セットの編成の場合、総重量が 170.8 グラムとなり、トレラー車の抵抗が 1.4 グラムなので、モハ 313-8 号車の動力によって、109パーミルの勾配を登坂できることになる。 十分なパワーである。 ( 2016/6/7 )