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小型蒸気機関車: 国鉄8100型蒸気機関車 8106号機

 

実車プロフィール

 この8100型は、1897年(明治30年)勾配線区の客貨両用の蒸気機関車として、アメリカのボールドウィン社から輸入されたものである。 このため、日本では珍しい野性味あふれるアメリカンスタイルの機関車である。

 当初は、東海道線の箱根越え区間と信越線の軽井沢以北で使用されていたが、その後北海道に活躍の場が移され、炭鉱等で使用されていた。

 この8106号機は晩年は北炭真谷地炭鉱専用線5052号として活動した。

模型プロフィール

メーカー : ワールド工芸
品名 : 国鉄8100型 (北炭真谷地5052仕様)
            蒸気機関車 組立キット
車両番号: 8106 号機
発売日 : 2015年4月
入手日 : 2015年4月 キット購入、組立 
定価 : \19,440.-

諸元と分解調査

  

● 主要諸元は次の通りである。

連結面間距離
106.5 mm
動輪直径 D = φ7.6 mm ギャ比 i = 19.0
車体全重量 57.8 gf 動輪車軸荷重 39.2 gf    
先輪車軸荷重 0.6 gf 従輪車軸荷重 --- gf テンダー車軸荷重 18.0 gf

● 組立工作の様子は、「8100型 小型蒸気機関車を組立てる」を参照してください。
● 2004年に発売された8100形のリニューアル品である。

● 部品を分解した状態を下に示す。

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● モータと動輪の間の動力伝達機構を右の写真に示す。

 ウォームは、モジュール m = 0.4 で、φ4.0×10 の大きさです。 ホイールは、歯数 Z = 19 で、Z = 10 の小ギヤと2段ギヤを構成し、アイドラギヤを介して動輪ギヤに噛合っています。 動輪ギヤは、 Z = 10 でしたので、ウォームホイールと動輪とは、1対1の関係になります。 そして、減速ギヤ比は、 i = 19 となります。

 なお、第1動輪はC13 型の様なギヤ駆動していませんので、ロッド駆動だけとなります。 動輪直径は、φ = 7.6 mm でした。 トラクションタイヤは有りません。

● テンダー台車の集電化工作

 この車両の試験走行では、やはり少しぎこちない走りを見せたので、テンダー台車の集電化工作を実施している。 台車はBトレ動力の台車を使用した。 テンダーの底には、高さ調整のために、1mm 厚さのプラ板を貼り、カラーを介してネジ止めするようにしている。 また、固定配線にするため、機関部とテンダー部を連結するドローバーピン部は、上側に 0.1mm の燐青銅板を貼りつけて抜止めとし、板バネのバネ作用で脱着可能とする細工を実施した。
 導線は、0.2mm のポリウレタン線を使用している。 テンダーの第1輪の軸保持部材には、2mm 程度の切り込みを付け、被覆線の被覆部分を切り取って絶縁導管としている。 これによって、第1輪の軸の上側を通過させると共に、ポリウレタン線の緩やかな保持と絶縁も可能となっている。 また、Bトレ動力の台車レリーフは違和感があったので、無理の無い程度に削り取って、組立キットの台車枠側面を貼りつけているが、少しアンマッチな状態である。

 

動力特性

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 現在は、改良した動力特性測定装置を使用して動力特性を測定しているが、この8106 号機の測定には、モータ回転数のセンシングが無理であったので、測定車を使用せずに実施した。 このため、モータ端子電圧とモータ回転数のデータは測定していない。

      測定日: 2015年12月14日

 

1)速度特性:

 動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。

 1.5 ボルト以下で 10km/h のスケール速度で走行出来るとは驚きである。 しかし、電圧を上げていくと急速に速度を増し、6ボルトでは 170Km/h のスケール速度を出しているので、同じワールド工芸製のC13形と同様に カッ飛びSL と言えよう。 一般的になNゲージ車両としては、速すぎる設定である。 このため、複数運転や重連走行させる時は、相手車両の選定に難点がある。

 この8106 号機の足回りの調整が不良のようで、ロッド類はカチャカチャとかなり大きな音を発して走行していた。 組付け時に苦労したロッド類の調整がまた狂ってしまったのだろうか。 でもロッドの動きに合わせて発していいるのでSLの走行音と思えばいいではないかと、言い訳して放置しているのである・・・・・・・・・・。

 消費電流は、40〜50mA と小さく、安定している。

 

2)牽引力特性

 48.9 グラムの重り車両を牽引させて牽引力を測定した。 駆動側のスリップ限界はおよそ7グラム、制動側は10グラム程度と読み取れる。 先に測定したKATOのC12よりも車両重量が重いにも関わらず5グラムも牽引力が小さいのは、トラクションゴムを履いていないためと判断する。

 また、遷移点のデータより駆動系の摩擦抵抗は4グラム程度と推測されるが、牽引力の値が小さいので効率はかなり悪化していると言えよう。

 また、この特性パターンは特異な形をしているが、なぜなのか良く分からない。 牽引力が駆動側(プラス側)と制動側(マイナス側)に移行する時に、大きな速度差を生じているが何故なのだろうか? 牽引力と電流のグラフでは段差無く連続しているということは、力関係は連続している事を表しているのにに、速度だけが明らかにドリフトしているのである。

 ウォームギヤの力の掛り方が変化するマイナス4グラム辺りの遷移点であれば、力の掛り方の変化とその摩擦抵抗の違いで説明できるのであるが、このパターンでは理解出来ていない。 動輪はトラクションを履いていないので動輪のスリップが大きく、力の方向が変化する時に速度差が出来てしまったと考えることも出来るが、証明出来ないのであr。 動輪のスリップ率を測定しておれば明確なのであるが・・・・・・・・・・。