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中型蒸気機関車:   C50 142  標準デフ付

 

実車プロフィール

 大正の名機8620を引き継いで、昭和の初めに作られた中形のテンダー式蒸気機関車です。9600などよりひと回り大きな動輪はスピード゙感があり、当初は準幹線の旅客列車などに活躍、晩年は入換用などで都市近郊にも配置された。

 C50 142号機は、1930年三菱重工業神戸造船所で製造され、糸崎、岡山で活躍後、1970年に廃車される。

模型プロフィール

メーカー : KATO
商品名 :  C50 標準デフ付
品番: 2001-1
車両番号: C50 142
発売日 : 2005年
入手日 : 2009年3月24日 ASSY部品で購入。
価格 : ボディ \2,205.- 動力ユニット\3,360.- テンダー\1,400.- 先台車\263.-  
その後、C57用追加 テンダー\1,050.- 台車\840.-  

分解調査

● 半径140mmの曲線で構成されている「昭和の鉄道模型」のレイアウトを走行させるため、C50型を探していた。

● 初めて訪れたホビーセンターKATO東京にて、完成品を求めたが在庫は無かった。 しかし、店内でASSY部品を見つけ、部品一式を購入し、組み付ける。 メーカーが嫌う方法で仕上げるも、ミニレールで構成されている昭和の鉄道模型のレイアウトを走行出来出来ず、四苦八苦する。
● ミニレイアウトを走行させるため、KATOのC57のテンダー車に交換し、 ドローバも自作する。  ⇒ KATOのC50をミニレールで走らせる

これによって、C50とは言えなくなったが、走行第一と考え、気にしないことにしています。 C50をベースにした “フリースタイルSL” ですかね。
● ミニレイアウト走行可能。
● カプラーは、アーノルドカプラーからカトーカプラーNに交換するも、現在はさらにKDカプラーに交換している。

連結面間距離 133.5 mm 車体全重量 81.5 gf  動輪車軸荷重
53.9 gf
ギャ比 i = 28
    先輪車軸荷重 1.3 gf テンダー車軸荷重
26.3 gf
動輪直径 D = φ11.0 mm

● このフリースタイルC50もどきの勇壮な姿と、重りを外した動力ユニットの状態を下に示す。

● 分解状態を下に示す。 自作したドローバは、なんと配線も施されているのである。

● 左右のフレームを下に示す。 フレーム外側面にはKATO のマークが、内側面には品番 2002R/L が刻印されている。 C11 と全く同一である。

● モータとギヤもC11と全く同じである。 動輪も同じであるが、ロッドセットは2001IとしてC50用に設定されている。

 

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● 動力部の構造を左のイラストに示す。 ウォームとホイールギャ、アイドラギャ、および動輪のギャの4点で構成され、至ってシンプルな構造である。 動輪を一回転させるには、動輪ギャの歯数が 28 枚なので、ギャの歯を28枚送る必要がある。 このため、ウォーム軸は28回転必要なので、減速ギャ比は i = 28 となる。

● モータは、左右のフレームの小さな溝とモータ端部の押さえで保持するのであるが、その保持力は弱く、ウォームは容易にねじれてしまう。 これで大丈夫だろうかと心配になる構造はそのままであった。

● アイドラギャの中心位置が動輪の軸と殆んど一直線になっており、ロッドを組込んだ動輪の組付けには、やはり一苦労しそうである。

● 第1動輪と第3動輪はサイドロッドで連結されている。 そしてこのサイドロッドは、第2動輪とガタの多いピンで連結されている。 また、第3動輪にはトラクションタイヤを履いている。

● 次にミニレールでも走行出来るようにドローバを加工したのでその工作状況を報告する。 この工作を実施理由は、KATOのC50をミニレールで走らせる(2010.5.27作成)

で報告しているが、当初はテンダーとエンジン部は、相変わらず導線で配線していた。

● しかし、どうしても気になったので、下の写真に示すように追加加工を実施した。 燐青銅線を加工してテンダーの台車の集電板に接触させるている。 また、ビニール線のビニールを剥がして柔軟な導線の束を作り、その両端を燐青銅線と銅板で作ったターミナルにハンダ付けしてある。 柔軟な導線の束は何本かの細線が撚られているため、自由に捻ることが出来るが、余裕を持ってドローバが動けるように、たるみをいっぱい持たせたある。

ターミナルは左右のフレームに M1.4 のネジを加工し、ネジ止めしている。 この場所は下の写真に示すように、左右のフレームに直接ネジ止め出来る場所なので、ラッキーとばかりに加工したものである。 ドローバ用の支点は、動輪押さえとモータ押さえ、およびフレームを貫通するφ2の穴をあけ、プラスチックのピンで止めている。

装着状態を下に示す。 すこしゴテゴテとした工作となっているが、下回りのので機能優先とばかりに気にしないことにしている。 

● この工作によって、この車両は、140mm のカーブやミニポイントをスイスイと走破しているのである。

( 2013.7.16 分解調査、 2013.7.17 追記 )     

 

動力特性

 ここに示す動力特性の測定は、安定化電源を使用した自動測定システムにて実施する。 測定実施日: 2013/6/8

 

速度特性:

 スケール速度の80Km/h を出すには、 4Volt 必要であり、一般的なNゲージと言える。

 電流は、90〜 110 mA で標準的と言える。 特性はバラツキも少なく、走行は安定しているようである。

 

牽引力特性:

 動輪荷重が約54グラムで、トラクションタイヤを第3動輪にはいている。 粘着領域での牽引力は約15〜17グラムであり、SLとしてはやや力不足と言えよう。

 また、駆動領域から粘着領域にはズルズルと入っていく感じで、同じモデルのC50-78 とは様子が異なっている。 この142号機は踏ん張りが利かないようであり、142号機と78号機とは、制動側の粘着力は殆んど同じなのに、駆動側の様子が違っている。 これも個体差なのだろうか。 

 電流と牽引力の関係は、以前の測定データと異なり少し非線形の部分が見られる。 ウォームギヤに掛る力が逆転する遷移点は- 10グラム前後でやや大きい値のようである。 また、制動領域は垂直パターンに近い形態を示しているが、ややあいまいである。

 

 今回の測定は安定化電源を使用しているため、測定中の電流と電圧の関係は定電圧を維持している。 グラフは、その設定電圧をパラメータとして表示している。 牽引力特性のバラツキは、やはり車両自身の特性値のバラツキと判断すべき様である。         ( 2013.6.8 追加 )

 

**** (以下は 2013.5.24 更新時のもの) *******

 ここに示す動力特性の測定は、自動測定システムを使用して実施する。 測定実施日: 2013/5/21

 

暖機運転:

 動力特性を測定する前に暖機運転を実施するも、運転中の測定は実施せず。

 

速度特性:

 スケール速度の80Km/h を出すには、 3.5 Volt 必要であり、一般的なNゲージと言える。

 電流は、90〜 120 mA で標準的と言える。 特性はバラツキも少なく、走行は安定しているようである。

 

牽引力特性:

 動輪荷重が約54グラムで、トラクションタイヤを第3動輪にはいている。 粘着領域での牽引力は約12〜17グラムであり、SLとしてはやや力不足と言えよう。

 また、駆動領域から粘着領域にはズルズルと入っていく感じで、同じモデルのC50-78 とは様子が異なっている。 この142号機は踏ん張りが利かないようであり、142号機と78号機とは、制動側の粘着力は殆んど同じなのに、駆動側の様子が違っている。 これも個体差なのだろうか。 

 電流と牽引力の関係は、意外とバラツキが少ない。 ウォームギヤに掛る力が逆転する遷移点は- 12グラム前後でやや大きい値のようである。 また、制動領域は垂直パターンに近い形態を示しているが、ややあいまいである。

 

 また、この測定中の電流と電圧の関係を右のグラフに示す。 電圧変化は、1.0ボルト以下であった。6Volt設定での前半に、測定中のドリフトが認められたので、データをカットしている。 もっと安定した電源を探す必要がある様である。

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 このC50-142号機は、TOMIXのミニレールで構成したミニレイアウトを走行出来るSLとして探していた車両のひとつで、東京に出かけた時に立ち寄ったホビーセンターKATO東京にて入手したものです。 車両としては在庫は有りませんでしたが、ASSY部品があったので、買いそろえて組付けたものです。 しかし、期待したようには行きませんでした。 ミニレイアウトの140mmカーブで脱線してしまうのです。 そこでテンダー車を改造してしまいました。  ⇒ KATOのC50をミニレールで走らせる 

 その後、車両としてのC50を中古品として入手したのが78号機です。 こちらは140mmカーブを走行可能でした。 この時に同じモデルでも個体差が有ることを知らされたのですが、今回の測定に於いても、なんだか、どこかに違いが有るような気がしてなりません。 142号機と78号機の牽引力特性がなぜ違うのだろうか? 新たな研究課題が出来てしまいました。

 

 **** ( 以下は 2010.5.17 作成のもの) *******

 

速度特性:

 動力車の速度特性を測定する。 速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。 速度係数は、1volt当たりで 28Km/hの増加で、MICRO製のC50と良く似ている。

 

牽引力特性:

 動力車の牽引力特性を測定する。 最大牽引力は20グラム弱で、MICRO製よりほんの少し力持か。