HOME >> マイコレクション > 蒸気機関車リスト > Krauss 1412号機
ドイツ・クラウス社より、明治29年に九州鉄道が購入して、明治、大正の各時代を走り続けた。
昭和2年に国から払い下げを受けた鹿島参宮鉄道の鉾田線で昭和38年頃迄使用していた。
その後、昭和54年迄、株式会社オリエンタルランドの用地に保管されていたが、同社より譲渡を受けたトミーは、日本車輌製造株式会社に修復を依頼し、復元修理されたこのSLは、昭和55年トミーによって、栃木県壬生町のおもちゃのまちにある「株式会社トミーテック」の本社事業所構内に静態保存公開されている。
この型の機関車は,ワルシャートタイプの弁装置を持ち、初めて日本にその弁装置を紹介したものとして評価されているとのこと。 また、シリンダーと弁室が保守に便利な分解構造になっている。 更に動輪のバランスウェイトの一方を小扇形に設計してあるなど現存する貴重な蒸気機関車とのことである。
メーカー : ワールド工芸
品名: クラウス1400形 蒸気機関車 (組立キット)
車両番号: Krauss 1412号機
発売日 : 2014年4月
入手日 :2014年4月 新品購入
定価 : \16,800.-
● 真鍮製組立てキット 組立て: 2014年4月
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● 真鍮製組立てキットの組立て工作の状況は鉄道模型工作室の「クラウス1400形 小型蒸気機関車を組立てる」 を参照下さい。 小型蒸気機関車の金属製組立てキットも5台目となり、少しは慣れて来ました。
● ナンバープレートは、何も考えずに 1412 を取り付けました。 このページを編集している時に、クラウス1412号機の遍歴を調べてみましたら、ディズニーランドが関係し、現在はトミーテックの本社事業所構内に静態保存公開されているとの事で、びっくりしてしまった。 それにしても、ワールド工芸はトミーテックの保存している機関車をモデル化するとは驚きですね。 SLなどの貴重な産業遺産は、皆の財産ですから気にする必要はないことですよね。
● カプラーは、後ろはKDカプラーを、まえにはシンキョーカプラーを装着。
● 主要諸元:
連結面間距離 | 63.0 mm | ギャ比 | i = 19 |
車体全重量 | 31.9gf | 動輪直径 | D = φ7.2 mm |
ロッド部分を下に示す。 サイドロッドも手抜きなく工作されています。 再分解後の組み付け時に、第1動輪のギヤ駆動は取り外し、ロッド駆動のみにしていますが、なんとかスムースに回転しています。 ギヤ駆動を残している方が摩擦抵抗が大きくなるような気がしたからです。 また、未熟な調整能力では、ロッド駆動とギヤ駆動の併用は、逆効果ではないかと考えたからです。 まあ、とにかくスムースに動いていますので、この状態で運転させています。
シャシー部分を下に示す。
部品の分解状況です。
フレームの内側にはアイドラギヤが配置され、軸がネジ止めされています。 再組の時に、不要なアイドラギヤを取り外しました。
一応はロッド駆動が成立しているので、第1動輪のギヤ駆動は必要ないと思うのですが。 動輪の歯数が小さいので、ギヤ駆動の場合のガタとロッド駆動のガタを比べると、当然ロッド駆動の方が有利になるような気がします。 (計算してみたらどうなの? 面倒臭い? いい加減だね!)
歯車のモジュールは m = 0.4 でNゲージとしては大きい方です。 ウォームホイールは、Z = 19 と Z = 10 の2段ギヤになっており、 動輪のギヤは Z = 10 ですので、ギヤ比 i = 19 となります。 このあたりの諸元はA8ナスミスウィルソンと同じです。
動輪部分の構成も、A8ナスミスウィルソンのモデルと同じく、動輪押さえを使用する構成になっています。 でも改善されています。 アイドラギヤの位置が変更され上方に移動しているため、動輪押さえを取り外すと動輪軸も容易に分解できるようになりました。
また、シリンダブロックも左右分割式になっています。 ロッドを介してフレームとショートしないように配慮したのだろうか。
ここに示す動力特性の測定は、安定化電源を使用した自動測定システムにて実施する。 測定実施日: 2014/7/11
速度特性:
速度特性を右に示す。
データは直線的でバラツキも少ないため安定した性能と判断する。 しかし、速度勾配は急であるため、コントローラのダイヤルを少し回しすぎると新幹線並みのスピードが出てしまうのは、如何なものかな?
この Krauss 1412号機も、A8-600 号機や南薩5号と殆んど同じ速度特性がである。 これが ワールド工芸の設計方針なのだろうか。
電流値も 30mA と少なく、安定していいるようである。
しかし、低速走行は苦手なようで、ロッド類の調整不良かも知れないが、低速になると少しギクシャクとした動きであった。 さらにスケール速度 30Km/h 近辺では時々止まってしまうこともあった。 自分の腕では、この辺の調整は難しいので諦めていますが、プロレベルの技術がいるのだろうか、固体不良なのだろうか。
牽引力特性:
次に牽引力特性を測定する。
粘着牽引力はおよそ6〜7グラムのようである。 3volt や 3.5volt の測定の時は、車輪が止まってしまって、それ以上の負荷では走行出来なかった。
通常は粘着領域で車輪がスリップするはずであるが、この車両はスリップを始める前に、モータが止まってしまうのである。 これはモータのパワーが小さいため、粘着領域に入る前にモータが息切れしてしまうのである。
また、モータのパワー不足のため、特性の勾配は寝ており、負荷の増加と共に速度低下が著しいのである。 しかし、このこの特性は重連向きであり、坂道では粘強さが有るように見えるのである。 試しに、重連走行をテストしてみよう。
ウォームギヤに掛る力が逆転する遷移点は電流値のグラフから推察して、、- 2 グラム付近ではないかと思われる。
トラクションタイヤを履いていないため、どこからスリップ領域に突入するのか明確でないが、-4 グラム辺りを過ぎた下坂でのスリップ状態では、走行中にゴロゴロと言う雑音が混ざるようになった。 データの傾向も少し変化しているが、どこかがビビっているのだろうか。 牽引力と電流値の特性は、原則どうりの傾向を示している。