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鉄道模型 動力車の調査  GM製コアレスモーター動力ユニットを名鉄2200系に装着 (2)

 動力特性の調査として、GM製コアレスモーター動力ユニットを名鉄2200系に装着し、分解調査とその動力特性を調査する。

 今回は、分解した様子を報告します。

 

■ GMのコアレスモーター動力ユニットを分解する

 分解したのは、GMのコアレスモーター動力ユニット 18.5m 級 N0.5714 のユニットです。 

 なお、上記の写真は、分解再組付け後に撮影しています。 このため、床板の真ん中にφ4mmの穴が開いています。 モータ回転数を測定するための穴なのです。 また、指定されていた床下機器セット8487は在庫切れのため店頭に無かったので、カバー式の床下機器は旧ユニットの物を流用し、台車枠はBトレ用のものを使って接着しています。

 台車を外し、前後の黒い部品や床板を外した状態が下左の写真です。 その裏側が下右の写真です。

 分解時の注意点として、部品の組付け方向に注意する事です。 フレーム等には前方を示す矢印が刻印されていますので組む付け方向が判別できるのですが、モータに関しては表裏の判別が重要です。 再組付け時に間違えると、この電車だ逆方向に走行しますので要注意です。 このため、分解時にチェックしながら作業を進めましょう。 全部の部品を分解した状態を下に示す。 

 下左の写真はフレームと床部材、および床下機器の部品です。 床部材にはまだ穴を開けていない状態です。 下右の写真は前方の部材と、台車の心棒を受ける部材です。 この部品は組み受け方向がありますので形状に注意しましょう。

 モーターホルダーです。 これも方向性があります。 矢印のある側にモータの電極をセットします。

 集電板は、左右非対象の部品ですが、モータの電極に合わせて組付けましょう。 右の写真はジョイントで方向性はないようです。

 上に記載した台車の心棒を受ける部材の表と裏側です。 モータは注目のコアレスです。 組付け方向を示す様に目印を記入していますが、上側には集電板とのショート防止のために透明なテープが貼り付けられていたので、このテープでも判別可能です。

 モータ寸法は、本体外径がφ10.0mm で長さが 20.0mm あります。 モータの前方端面には端子が出ています。 フライホイールの外径はφ8.0mm で長さが 8.0mm です。 端部にはジョイントと連結するスプライン穴があいています。 次に台車を分解してみましょう。

 台車フレームは左右に分解できます。 車輪や歯車を外した状態の内側を左の写真に示す。 フレームの表と裏を右の写真委示す。

 台車枠は車両に応じた多くの形状がありますので人気の車両用の物は在庫切れになるようです。 このためBトレ用のものを使いました。 Bトレ用は取り付け用の足の形状が異なっているため、やむなく足を切断し、台車とはゴム系接着剤にて接着しています。 では、Bトレはどうしたのかって?・・・・・・・・KATOの台車を使ったので、いっぱい余っているのです!

 さて、最後に分解調査の主目的であるギヤ比調査のために、ウォームギヤ部を分解しました。

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 まず、組み付け状態を右に示す。 このギヤ部はコンパクトにまとめられています。 コンパクト設計を優先させたため、モータと連結するジョインの揺動ポイントが台車の回転中心よりかなり離れてしまっています。 このポイントを台車中心に持って来ると、スムースな回転伝達が可能ですが、ウォームギヤが前方に飛び出し、歯車構成が複雑になります。

 このように、ポイントをずらすとジョイント作動角が不均衡となり回転変動や異音の発生の原因となるので、どちらの方針にするかは各メーカーの担当者が悩むことでしょう。

 ギヤの諸元を調べました。 ウォームギヤは、外径がφ4.0mm で、ギヤのピッチは3山で 2.8mm 即ち 0.93mm のピッチですので、モジュルにすると m = 0.3 となり、1条の右ネジです。

 そして、 このモジュルーで動輪までの歯車がかみ合っていますので、すべての歯車のモジュールは m = 0.3 となります。 ホイールギヤの歯数は Z = 13 、動輪軸の歯車は、z = 12 ですので、ギヤ部は 13/12 の増速になっています。

 逆に考えて、動輪を1回転させるには歯を12個送る必要があります。 しすて、歯は動輪からウォームまで1対1でつながっていますのでウォームの部分で12個の歯を送る必要があります。 即ちウォームを12回転させてやっと動輪を1回転させることが出来るのです。 減速ギヤ比 i = 12 と計算されます。

 動輪の直径は、φ5.7oでした。 内側の片方の車輪にトラクションタイヤを履いています。

 旧ユニットではギヤ比は i = 16 だった上にスケールスピードはかなり速かったので、今回の仕様ではモータの回転数をかなり低速側に振っているものt推定します。 

 

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  2019/7/19