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鉄道模型 動力車の調査   KATO製 C57 4次形 C57-195号機の動力特性

■ いきさつ

 動力特性の調査として、以前調査したことのある車両について、新しい測定方法で再測定したので報告する。 以前の調査結果は「 マイコレクション>蒸気機関車リスト >C57 195」 ( 測定実施日: 2014/7/3 ) である。

 

■ C57-195号機の概要

 このC57-195号機は、2014年に発売された4次形である。

 分解調査については、以前の報告にて実施されているので割愛する。 しかし、よく見るとかなり手抜きされた報告であるので、もう少し詳細に追加調査すべきだったと、後から反省している。 気が付いて点として、フライホイールの外径が異なっていたがある。 品番が2023の4次形では、外径が 8.4mm であるが、2024の1次形では 7.6mm と少し細くなっていた。 他にもあったのかも知れない。

 また、分解組付け時にロッド類がバラバラになってしまい、再組付け時に四苦八苦してしまった。 2014年7月の報告書をみると同様にバラバラになっていたのであるが、構造的には同じようだったので、製品のバラツキによるのではないかと判断している。

 

■ 空転回転特性の測定

 車体を分解してモータとウォーム軸のみを取り付けて空転特性を測定しようとした。 試しに回転させると回転方向によって電流値が2〜3 mA 違っていた。 また、回転時の音も変であった。 ウォーム軸のスラスト方向のガタが多きようにも感じられた。 そこで、下の写真のように、車体を傾けて回転状態を観察した。

 すると、左の写真のような状態では滑らかに回転していたのが、右の写真のような方向にすると、手にゴリゴリとした振動が伝わり、異音もしていた。 これは明らかにスラスト方向での干渉のために発生していると判断し、モータを外してウォーム軸だけにして手で回してみた。 水平状態や左の写真の方向では滑らかにかいてんするものの、右の写真の方向に傾けると、やはりゴリゴリ感がてに伝わって来た。

 ウォーム軸を取外し、両側のフライホイールの端をバイスでつかみ、慎重に僅かに押し込めてみた。 寸法の計測を忘れたが、モータ側の軸受部のスラストガタが小さくなったかんじであった。 試しにシャシーに取り付けて、上記と同様に手で空転させてみた。 その結果どの状態でも滑らかに回転し、ゴリゴリ感は解消したのである。

 後から考えると、この作業はウォーム軸を固着させてしまう非常に危険な方法であったが、無事解決出来て胸をなでおろした。 本来なら隙間を確保するスペーサーをかませてから作業すべきであったのだ。

 そして、測定にはいったのであるが、最初にモータだけの状態での測定も追加した。 しかし、回転数を測定するためのマーキング部がないため、電圧と電流だけのそくてであった。

 測定結果を上に示す。 先回の C57-33 号機のような不思議な現象はないものの、データは回転数の二乗に比例していると思われるのだ。 同じ構成で同じサイズのものが、その特性の傾向がこれだけ違うのも、キツネにつままれたよう気がする。

 それ以外は、きわめて妥当なデータとなっている。 モータ単体での電流値もモータ単品じのデータとほとんど同じであった。 ただ、回転数が高い部分ではバラツキあり、段差のあるデータを示している。 そして、最も顕著であったのが回転時の状態であった。

    回転軸が踊っているのである・・・・・・・・・・・・・・!  そして異音も発生しているのだ!

 その様子を動画で紹介しよう。

 ラジアル方向もスラスト方向もガタガタであり、踊り狂っていいる様子である。 C57-33 号機やC59-123号機ではこんなことは無かったので、このC57-195号機の特徴(不良品?)と判断すべきか? この時の異音は車両状態でも発生しているのであるが、データ的には安定しているので良しとしておこう。 

 

■ 速度特性の測定

 動力性能について測定台を使って測定した。 まず、単機走行での速度特性をいつもの様に測定した。 結果を下に示す。

 2014年7月の報告書と比較すると、速度特性は合致しているものの、電流値はかなり少なくなっているし、データのバラツキも大きくなっている。 アタリが付いて来たのかガタが増えたのか・・・・・。

 

■ 牽引力特性の測定

 この動力特性の測定では、車体に取り付けたセンサからのリード線の処理に何時も苦労している。 特に車体が軽くなっている蒸気機関車の場合、リード線にひっぱられて横転してしまうことがたびたび発生しているのである。

 トラブルの度に改善!改善!と、あれこれ手を変えて実施してきたが、やっと安定して測定できるようになった。 その状態を動画で紹介しよう。

 

 リード線を支える天秤棒を2重にしたのが正解であった。 意外とスムースに作動するのでビックリしたぐらいである。 諦めずに工夫を重ねる事ですね。

 測定結果を下に示す。

 データ的には何時もの様な傾向であるが、2014年7月の報告書と比較すると幾つかの差異が見られる。 牽引力が小さいとか、電流値が小さくかつ制動側では一定になっているなどである。

   

 

■負荷時の速度特性の測定

 今回も、負荷時の速度特性を追加して測定した。 そのデータを右に示す。 負荷によって電流値が変化すrのは当然であるが、なんだか平行移動しただけの傾向と読み取れる。 この方が自分には都合が良いのであるが、どうなのだろうか?

 

■ まとめ

 同じシリーズのKATO製C57形のモデルを測定したが、その違いあちこちに見られて戸惑っているのだ。 どうしても納得がいかないのであるが、一番疑っているのが、分解組付け方法ではなかったかと考えている。 慎重に作業したつもりであるが、どこかに原因があったのだろうと考えている。

 この問題は、数を増やして実験していくしか無いと思っているいるので、SLに関するデータをもっと蓄積して行こう。 データ解析はその後に実施するkとにする。

 

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  2018/6/8