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国電155系への室内灯工事

 

■ 概要

 模型工作を始めたころ、車両キットの組付けに挑戦していました。 そのひとつに、グリーンマックスの国電155系基本4連セットがあります。 東海道線を走っていた湘南色の準急や急行をイメージしていたからです。 田舎の模型店には適当な商品が無かったため、たまたま見つけたこの「修学旅行専用電車」を使用し、一般用に転用され湘南色に塗装された状態を再現したものです。 中間車に異分子が入っていますが・・・・・・。

 このGMキットでは、もともとから室内灯を組み込む事を想定した細工がしてありません。 このため、長らくその状態で放置されていましたが、地下ヤードの整備が進むとこの車両の出番が増え、室内灯が無いのが寂しくなりました。 そこで、思い切って、このGMキットにも室内灯の工事を施す事にしました。 室内灯と共に、前照灯も欲張って組み込みましたが、尾灯はスペースの関係であきらめました。

 完成後の状態が下の写真です。 写真は露出をアンダーにして全体が暗くなるように撮影してみました。 前照灯もしっかりと光っています。

2011年5月4日撮影 (Canon EOS kiss X2、 ISO-1600、 f/5.6、 1/6sec、露出補正 -1.0 )

■ 工作内容

  

 まず最初に、車輪からの集電方法を考えなければなりません。 ネット情報や自分の工作経験から、右の写真の様な加工方法を実施しました。 0.3mm の燐青銅線を使用し、センターピンの中心部を通します。 両端は車軸を軽く接触するようにしておきます。 ピンの表は、下の写真のように加工して、0.3mm の燐青銅線が軽く触れるようして細工します。

 この方法の欠点は、ばね力が大きくなり、走行抵抗が増える事と、場合によっては脱線を引き起こします。 何度も調整が必要であり、工作は簡単ですが、根気がないと続けられません。 また、片側の車輪からしか集電しませんので、前後の台車でそれぞれプラスとマイナスを集電することになります。

 また、下の写真は、前照灯のためのLEDをセットした状態です。 使用した部品は、
   LED :3mm白色のOSWT3166B
   CRD:E-153
   DIODE:1N4148
を直列に接続し、前後の台車のセンターピンの電極に接続しています。

 

 

 つぎに、前照灯の加工ですが、5mm角のプラ棒で補強した車体前面に 1.1mm の穴を明け、導光線として 1mm の光ファイバーを使用てLEDのところまで持ってきました。

 

 室内灯は、「夕庵方式」を参考にさせて頂き、加工しています。 使用した部品は

    LED : 3mm白色のOSWT3166B
    ブリッジダイオード: DI 1510
    CRD: E-153 15mA
    セラミックコンデンサー: 10mμ 35V GP075F106Z

端部の加工状態を下の左に、全体を右の写真に示します。

 

 座席部分については、GMキットにはありません。 たまたま、KATOのスハ43車両(中古品)を 12m 級ショーティ化加工をした際に残しておいた部品がありました。  座席と窓のピッチがピッタリ一致していましたので、そっくり活用する事にしました。 下の左の写真です。

 室内灯の導光部の発光加工が、夕庵さんの様にはどうしてもうまく行きません。 自分はやすりで傷を付ける方法をとっています。 しかし、LEDから遠くなるとやはり暗くなるので、LEDをなるべく中心近くにくるようにしました。 手前の方はLEDの裏側の光を使うことにし、中心部だけ銀紙で覆う事にしました。 それが下の右の写真です。

 

ブリッジダイオードの位置も立てて設置することにしました。 下の写真です。

 

 次に、はたと困った問題がありました。 GMの動力ユニットDT21(563)は背が高く、室内灯を組み込んでも真っ黒な動力部が丸見えになるだけです。 半分あきらめかけていましたが、中古店でほぼ同じ形の動力車を見つけ、この車両を動力車と使用しする事にしました。 マイクロエース製でモハ153-115 号車です。 ドアの形やアルミサッシ窓など異なっていましたが、動力ユニットが欲しかったので買ってしましました。 右下の写真です。

 

 さらに、つられてモハ115-1023 号車(モータ無し)も買ってしまいましたが、家に帰ってつらつら見てみると、なんと3ドア形式で、屋根の上にはクーラーも付いてるものでした。 このままお蔵入りにするのも忍びがたく、遠目に見ると分からないと決めつけて、そのまま編成に入れてしまいました・・・・・・・・・・・・・。 なんと大雑把なことか。

 このため、モハ153-115 号車もそのまま使用し、動力ユニットを組み込んでいたGMキットの車両はトレーラ車に戻し、中古品の中間車2両にも室内灯を組み込む事にしました。左側がマイクロのモハ153-115 号車で、右側がKATOのモハ115-1023 号車です。 これで、6両編成が仕上がりました。

 

■ まとめ

 完成した状態は、最初に示した通りです。 光のチラツキもほとんど無く、綺麗に光っています。 また、走行抵抗が増えましたが、動力ユニットの力には余裕がありそうで、この編成程度(集電加工品は4両)では問題無いようです。 脱線は時々起こしていますが、未熟な腕のせいにして気にしないようにしています。 手軽に使える集電台車があればいいのですが。 安くて、追加工が少なく、何時でも手に入るもの・・・・・・・・。