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ワールド工芸の南薩5号機を組立てる

■ いきさつ

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 今回初めて、金属製蒸気機関車のキット組付けに取り組んだので報告する。 今までは、アルナインのとても簡単な〜シリーズの幾つかと、ワールド工芸のED62を組んだんことがあるが、SLは初めてである。 半田付けが難しそうなのと、いろいろな道具が必要なので躊躇してきたが、今回偶然にも手の届きそうなキット(失敗しても諦めが付きそうな価格と、小型で比較的簡単そうに見えた ) が入手出来たので挑戦することにした。

 初めての金属製SLキットであったため、作業途中の記録写真を撮影している余裕がなく、ここで紹介する写真は全て完成後の写真ですのであしからず。

 

■ キットの概要

 製品は、ワールド工芸製、Nゲージ組立キット 南薩鉄道 5号機U 蒸気機関車、である。  2012年4月に発売されたが、今回入手したのは2012年8月の再生産品である。

 ここで、「5号機U」とあるが、なぜ「U」なのだろうかと疑問を抱く。 ワールド工芸のホームページでは、「リニューアル品」の記述があるので、以前のものが1代目で今回が2代目の意味なのだろう。 有名なTさんの「Nゲージ蒸気機関車」のホームページで紹介されているものとは、構造的に少し異なっている部分があるので、そちらが1代目のモデルと思われます。

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■ 使用した道具類

 今回使用した道具類は左の写真に示す。 有用であった道具は、2mm 以下のネジタップ類である。 1.0mm 、 1.2mm 、 1.4mm 、 のタップが必要であったが、名古屋の東急ハンズにて今年の春に購入済みであった。 キサゲやキサゲ刷毛も1本ずつあるが入手してあった。 そして、エコーモデルの「低温ハンダ」である。 今まで使用していた電子工作用のハンダよりも、低温で溶けているようであり、とても使いやすかった。

 

 

 

 

 

■ 完成品

 

 作業途中の記録写真を撮影している余裕が無かったため、いきなり完成品を紹介する。 右の写真である。 砂撒き管や窓ガラスは省略している。 これは手抜きです。 

 製品は上回りのタンク車体部分、動力部分、および後端梁部分がネジで固定される構造になっている。塗装前に写真を取っておけばよかったが、荒隠しもあるのでさっさと塗装してしまった。 カンスプレーしか持っていないので塗装も下手くそである。

 最初にキットを見た時、その小ささに驚いた。 こんなに小さいのか、俺の半田付けの腕で組み上がるかどうか心配となったが、幾つか失敗しているものの、低温ハンダの助けを借りて、なんとかリカバリーした。 最初に手をつけた屋根カバー(H1-4)の半田付け失敗、ボイラーの手すり(H1-1)の足を折ってしまったこと、後部の解放テコ(H1-3)の半田付け失敗など、初歩的ミスの連続であったが、一番苦労したのは、ボイラーヘッドの取り付けであった。 フロントユニット(A1-1)との取付がどうしても合わないので、ヘッドの取付脚を切り取ってしまったが、ヘッドとユニットの半田付けがどうしても出来なかった。 そこで、苦肉の策として、フロントユニットと水タンク(車体)とをあらかじめエッチング板の切れ端で作ったL字板を補強材にして、半田付けしておくことにした。 上の右側の写真である。 そして、ボイラーと接合したボイラーヘッドとは、エポキシ樹脂系接着剤で接合した。 ウエイトは隙間を最大限利用するため、いつもの水草の重りを詰め込んである。

 動力部の組付は、なんとか上手く行った。 動きも問題無く仕上げることが出来た。 ロッド類は動きをみながら幾度も調整したので、片方のリターンクランクピンが甘くなってしまった。 最後には接着剤使用する。 また、シリンダブロックを支える片方の部材(H3-2)の折り曲げ方向を間違えてしまい、折損させてしまったので、これもL字補強部材を使って補強した。 右上の写真。

 また、説明書には、モータを支える板(H2-3)のハンダ付けのための穴の指定があるが、指定の位置で半田付けしてしまったので、ギヤ噛合い調整用はさみ板までハンダ付けしてしまった。 説明書のミスと思うが、作業者の注意不足であった。 このため、ギヤの噛み合わせがやや遠いような気がするが、調整のしようが無かった。

 カプラーについては、ナックルカプラーを使おうとあれこれ試してみたが、固定方法に困って推奨通りのNo.2001ショートタイプの使用する。 しかし、このカプラーは良く自然解放するのでトリップピンを外して、その穴を有り合わせのエナメル線で緩く縛ることにした。 連結する場合には、車両を持ち上げて連結する必要があるが、ミニレイアウト上でも自然解放は解消した。

 出来あがった機関車はさすがに小さい。 カワイのB6タイプよりも小さいものの、動きはカワイよりもスムーズである。 牽引させる車両を思案していたが、ピッタリの車両を見つけた。 鉄コレの「凸型電機・貨物列車セットA」の貨車である。 この貨車は通常のワムなどよりも一回り小さいため、貨物列車の編成から外され、見放されていたものである。 鉄コレセットのED101凸型電機よりも、こちらのSLの方が似合うような気がする。 バック走行も行けそうです。

 完成した車両をミニレイアウトで走行させました。 我がミニレイアウトは、「遥友鉄道」と名づけた 600×900mm のサイズで、最小半径 140mm のレールとポイントを使用しています。  走行は滑らかで、スローも利いていすが、このレイアウトを走行させると、途中のクロッシングレール(TOMIX)で止まってしまいます。 勢いを付ければ通過出来ますが、低速ではどうしても停車してしまい、レールの無電区間にはまり込んでしまうものと思われます。 ミニポイントでも時々発生するので、補助動力車を用いる事にした。 とても簡単シリーズのハコデンを後ろに連結させました。 動力部はKATOのBトレ用を使っています。 そしてついでに2軸客車も連結させました。

 

 参考に、車両重量は、29.0 グラム、連結面間距離は 58mm でした。 動力特性はまだ測定していません。