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ワールド工芸のナスミスウィルソンA8型を組立てる

■ はじめに

 ワールド工芸から発売されてている 「Nゲージ ナスミスウィルソン A8 形式600 磐城セメント 四ッ倉仕様 蒸気機関車 組立キット リニューアル版」 がついに発売されたので、早速組付けることにした。 真鍮製のSL組付けキットは、これで3台目となるが、少しは上手になっただろうか?

 

■ 組付け作業

 組付け手順などの紹介は、当方はまだまだ初心者のため参考にはならないと思いますので遠慮しておきます。 この組付け手順に関しては有名サイトにお任せすることにし、今回は大きなミスが無かったので、反省点と気が付いた点を紹介する事にします。

 塗装前の組み上がった状態を下に示す。 車体は少し歪んでいますが、良しとしています。 ロッド系の調整の微調整がまだ必要の様ですが、走行状態もまあまあの状態です。 従輪台車は首振り機構を採用しているため、半径140mm のミニレールでも走行出来ていました。

 シャシーの横の細長い部品の取付には苦労しました。 前方部分では隙間が出来ていますが、その修正が出来ませんでした。 こっちが出来ればあっちが外れると云ったイタチごっこの状態でしたので、諦めてしまいました。 シリンダブロックも四苦八苦しましたね。 先回失敗したスライドバーは、最後に接着剤を塗布して差し込み固定したもので、ノントラブルでした。 ボイラー回りの小物はエポキシにて接着しています。

 ロッド類の取付も上手く行きました。 段々と要領が分かって来たようです。 カプラーはスマートなシンキョーカプラーを使ってみましたが、高さが合わなかったため、後ろ側たけは 2001ショートを取り付けました。 アーノルドカプラーが使えるのに互換性のあるシンキョーはダメなんですね。 シンキョーが使えるようにアイディア検討中ですので、前側はあえてそのままにしています。

 車輪の軸受けは、KATOやMICROのプラ製品のようにフレームの穴がU 字形になっており、動輪押さえに代わるプレートを側面にネジ止めする構造になっています。 このため、車軸の分解組付けが容易になっています。 下の写真は、塗装のために必要部品を分解した状態です。

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■ 反省点と気が付いた点

 まず、モータケースの取付ですが、右の写真のように、ウォームギヤとの噛合いを調整する必要がありました。 下側の従車台取付部と一緒にしっかりとハンダ付けしてしまい、後から歪みやらの修正が困難となっていました。 右フレームとモータケースを仮付けした状態で、ウォームギヤを取付、ウォームとホイールの隙間を調整すべきであったと反省しています。 かなり無理をして調整しましたが、右の写真の状態が限界のようでした。 これ以上歪み修正を行うとハンダ付け部分が分解してしまいそうだったからです。

 次に、動輪を取付ようとした時、干渉する部分が有りました。 下左の写真のように動輪のフランジ部分がモータケースの端に当たっていましたので、削り取りました。 反対側は何故か大きく三角形にカットされているので、こちらはその配慮がされているようです。 設計ミスと思われます。

 もう一つの設計ミスは、モータのリード線が短い事です。 説明図の位置にハンダ付けしようとすると、短くて届きません。 そこで導線を継ぎ足す事にしました。 後から説明図の写真をしげしげ見ると、インチキな場所にハンダ付けしてありました。 試作品での問題点が製品図面には反映されていないようですね。

 タップ立ての工程では、部品をハンダ付けした後でと思っていましたが、三ヶ所ほどミスってしまいました。 後からタップ立が充分に出来ませんでした。 ネジ穴の奥の余裕がなくて、奥の壁に付きあたってしまい、充分にネジ切りが出来ませんでした。 無理矢理押し込んでハンダ付け部分をはがしてしまった個所も有りました。

 説明書にあった 「あらかじめタップを使ってメスネジを切っておいて下さい。」 の注意書きを無視した結果であり、反省しております。

■ 完成品の姿

 塗装は艶消しの黒色を塗り、ナンバープレートなどを貼り付けて完成です。

■ あとがき

 小生の子供時代は水島臨界鉄道の近くで育ちました。 小中学時代に、この A8 型の小型蒸気機関車がそこを元気に走っていたのです。  ピーポーと汽笛をならし、古びた客車や貨車を引いていました。 貨車の入れ替え時には、行ったり来たりするため、踏切で長く止められた記憶も有ります。 どっしりとした鉄の塊の連結機を手で触って、その構造をしげしげと観察した思い出もあります。 四角い鉄の塊がドスンと落ちて来て連結がロックされる構造を知ったのもこのころです。

 機関車表によると、620号機が1953年まで働いていたとのことです。 遠い昔のことで詳しくは覚えていませんが、当時を偲んで大切に走らせるつもりです。

 

■ 追記

 この原稿を書き上げた頃、シンキョーカプラーを使ったアイディアが工作出来たので追記します。

 カプラーの工作は、「マイクロのC56を加工する」 にて紹介した方法で加工しています。 φ0.5mm の穴は後ろ側を使いました。 アダプタの本体はキットの洋白板の端っこを頂き、加工したものです。 軸となるφ0.45mm の真鍮線はハンダ付けして固定しています。 センタリングスプリングが設置できないのでスポンジの塊を押し込んでバネの代用としていすが、連結状態は上々です。

 今回は、前側のカプラーを工作しましたが、後ろ側も同様に工作する予定です。