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C13型 小型蒸気機関車の追加加工

■ はじめに

 ワールド工芸社から発売された 「Nゲージ 片上鉄道 C13形 初期仕様 蒸気機関車 組立キット 」 を組付けました。 ハンダ付けや塗装の腕は、“ 下の中 ” ぐらいと自己判定しています。 いつも参考にさせてもらっている “ Nゲージ蒸気機関車 ” さんのレポートを拝見すると、難題を自分なりに解いた後から回答例と比較するように、問題点(?・・・・自分ではそう思っていた)を如何にクリアーされているのかが良くわかり、大変勉強になります。 無難に回答を得るつもりなら、参考書が発行されてから工作を実施すれば良いのですが、それでは自分の勉強になりませんね。 ・・・・・・・と言うのが言い訳でして、本当はせっかちなので待ち切れなかっただけなのです。

    ・・・・・・・・・ デフの上部の曲げ工作を忘れている! どうりで、ステーが短かったのだ! 追加作業はまだ未実施です。

 腕が未熟であれば、見栄えでは無くて工夫で補おうと、これも下手くそな工作を実施しています。 モットーは、“ 鉄道模型はスムースに走って楽しからずや ” である。

 

■ ヘッドライトの点灯工作

 この工作内容は、先の「C13型 小型蒸気機関車を組立てる」で説明済みですが、ここでは、その走行動画を紹介します。

 なかなかいい感じで走行していますが、実は、この映像は下記の工作を実施した後に撮影したものです。 当初、ヘッドライト加工後に試験走行させたのですが、カーブに入った時や、あるいはカーブから出た時に、パワーユニットのランプを赤色に点灯させて停止してしまうのです。 スイッチを入れ直すと動き出すのですが、また停止してしまいます。 ヘッドライトは無事に点灯している事が確認出来たのですが、この様な状態では走行させる事が出来ません。

 原因は動力系のロックによるモータのロックか、あるいは電気系統のショートが考えれますが、状態から推定して、右側の電気系が左側(即ちフレーム系)とどこかで接触していると判断しました。 一番臭いのが従台車と睨んで、この台車を取り外して走行させると、低速には難があるもののスムースに走行させることが出来ました。 そこで、トラブル中に検討していた従台車の首振り加工を実施する事にしました。 つでに、従台車からの集電機能も付け加える事にしました。

 

■ カプラーの交換

 指定のカプラーを入手していたので、従台車の首振り加工の前に取り付けておくことにしました。 ポン付けでピッタリとはまりました。 設計通りなので当然ですね。 出来るなら組付けキットに含めておいて頂くと、有りがたいのですが、メーカ側の事情があるのでしょうか。

 

■ 従台車の首振り加工

 交換する台車として、BトレのKATO製動力車の台車を選択しました。 これは、軸間距離が殆ど同じであり、かつ集電可能な構造であったからです。 小型車両用動力ユニット通勤電車1(品番:11-105)のジャンク品があったので、この部品を流用しました。 カプラー部や台車上部の出っ張りを削除し、ボルスタ中央部の穴はアクリル樹脂で埋めておきました。 ここに台車の回転中心とするためのネジ穴を作るためです。 組付けキットの真鍮板の残り片からレバーを切り出し、シャシー側にはφ2.0mm の穴を開け、台車側にはφ1.4mm の穴をあけておきます。

 シャシー側への取り付けは、M1.4×5コナベと、A3-8のワッシャ、バネなどをそのまま使用し、カラーは長かったのでφ2×2.5のカラーを作りました。 取り付け位置はモータ台のA5-2(本当はA4-2)の後ろのネジ穴をそのまま活用しています。 台車側への取り付けは、アクリル樹脂で穴を埋めた中心に、M1.4 のネジを切り、M1.4×1.5コナベで取り付けています。 上の写真を参照。 配線は、0.2mm のウレタン線を使って左右のシャシーにハンダ付けしています。 台車が首振りするため、充分なたるみを付けておきます。

 完成した状態を上に示す。 台車のレリーフが少し豪勢ですが良しとしましょう。

 

■ 先台車の振れ角調整

 従台車の首振り加工後に走行テストを実施しましたが、まだ問題が残っていました。 半径 280mm のカーブに於いて、右回り前進時に赤色点灯が発生します。 後進や左回りではOKなので、スケルトン線路を持ち出して、もう少し詳しく観察する事にしました。 下の写真を参照。

 すると、先輪がシリンダブロックの端に接触する状態が確認出来た。 右回りでは、プラスとなる右輪がボディのマイナス側と接触してショートするわけです。 左回りでは左輪は同じマイナスなので接触しても電気的には問題無いのです。 また、後進時にはガタの関係でシリンダブロックと車輪との間に隙間が出来るので、ショートは発生しないものと推察しました。

 そこで、右側のシリンダブロックの端部を削って、車輪が接触しないように逃げを設けました。 半径 280mm の曲線路での走行状態の動画を下に示す。

 御覧のように、非常にスムースな走行が可能となりました。 発進や停止も驚くほど改善されましたね。 ヘッドライトの点灯状態と比較しながら観察してください。 また、半径 280mm より小さい 243mm ではNG であった。 もう少し逃げを設ければ可能になるようでしたが、キャビン部のオーバーハングが大きいために、これ以上小さな半径の曲線路を走らせても意味が無いと判断して、ここで修正加工を完了させた。

 つぎに、作成途中のモジュールレイアウト上で走行させてみました。 暗くして撮影したのが、最初に紹介した動画です。 今度は明るくして、作成途中のモジュールも紹介しながら、極低速で走行させました。

 

 集電性を改善しただけで、これほどスムースな走行が可能になるとは思っていませんでしたので、今回の改造工作は大満足です。

 但し、このモデルは、トラクションタイヤを履いていないため、牽引力は期待出来ません。 実際に登り坂のある物置部屋のレイアウトでは、この客車3両でも牽引できませんでした。 機関車の加重もこれ以上はあまり期待出来ないし、速度特性がかなり大きいために、補機として重連させる動力車も見つかっていません。 このため、平地専用の機関車となるのが少し残念です。