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オハ31系旧形客車にチップLEDの室内灯を組付ける

■ はじめに

 昭和初期に活躍した蒸気機関車が牽引する旧型客車での編成を考える時に、昭和2年(1927)に登場した鋼製17m級客車であるオハ31系があり、ダブルリーフの車体は古武士の風格があり、好きな車両の一つです。 しかし、このKATO製のオハ31系の客車は室内灯は搭載されていません。 そこで、集電付きの台車を入手し室内灯を装着しました。 「オハ31系の旧型客車に室内灯を組込む (2014/5/15)」参照。
 しかし、12ボルト仕様の麦球はうす暗く、明るい昼間では点灯していることが分かりません。 でも、夜のうす暗い室内の中ではほんのりと灯っており旧型の客車にはぴったりのようだとおもっていましたが、やはり、もう少し明るくした方がよさそうであると考え、今回、電球色のチップLEDを使った室内灯に交換する事にした。

 

■ チップLEDの工作

 この工作は、「チップLEDを使って室内灯を作る (2014/8/6)」で実施済みである。 しかし、集電回路が手作りモデルのために、構成を変えて作成した。 まず、電子部品を取り付ける基板を、ユニバーサル基板から切り出した。 下左の写真。 基板は、片面ガラス薄型ユニバーサル基板Cタイプを使用した。 厚さが0.8mm の薄型である。

 縦横5ピッチの大きさに切出した基板にブリッジダイオードとコンデンサを取り付けた状態を上右に示す。 ブリッジダイオードの足が2ピッチなので、左に偏っているが気にしない事にする。 しかし、LEDは中央にくるように構成した。 チップ類のハンダ付けは下左の写真の状態で実施し、出来あがったものを右の写真に示す。 オハ31系の旧型客車と言うことで、少し暗めになるように定電流 IC を 10mA 仕様のチップに変更している。

 ハンダ付けが完了したユニットを下左に示す。 車体側のリード線と配線するために、抵抗部品などのリード線の残りを活用して継ぎ足している。 点灯チェックにて作動を確認後、部品の保護と絶縁および遮光のために、タミヤパテを表裏に塗布した。 下右の写真。

 最後に導光板を支えるために、棚状の庇を取り付けた。 厚さ 0.5mm の黒い不透明なプラ板を使用する。 チップ部品や配線による凸凹を逃げ、なるべく基板に密着するように、逃げ穴を開けている。 そして、タミヤパテを使って接着した。 下の写真。 勿論チップLEDの部分は塞がないように注意して塗布した。

 車体側は、今まで組付けていた麦球式のユニットを取り外し、新しく作ったユニットに交換する。 下右の写真はユニットを組付けた状態である。

 組み上がったところで試験点灯を実施する。  オハニ車両にはテールライトを組付けていますが、光漏れ防止のために塗りつけていた導光部分の粘土を一端取り外して工作したので、やはり赤い光が漏れています。 点灯確認後は、遮光のため、再び粘土を使って部品を埋め込んでいます。

 削ったままの導光板の側面は、すりガラス状態のため、綺麗に光っている事が確認出来ます。 また、麦球式のユニットの場合よりもユニット部分がコンパクトになったために、導光板の長さが足りなくなってしまいましたが、3mm厚さの発泡スチロール板を使って継ぎ足しています。

 完成した車両は、先行試作品を含めて7両完成しました。 早速、レイアウトで走行させてみました。

 周りが多少明るくても、点灯している室内灯が確認出来ます。 また、電灯色も温かそうな雰囲気を醸し出していて、大満足です。 勿論、定電流チップを使用していますから常点灯機能に応じて点灯し、一定の明るさを保っています。

 レイアウトでの走行動画を紹介します。

 今回の結果に満足していますので、次はスハ44系客車にも応用する事にします。