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鉄道模型工作室  テープ式LEDを使って室内灯を作る その1

■ はじめに

 物置部屋の新しいレイアウトを工作中であるが、車両の試運転中に室内灯が未加工の車両がある事に気が付いた。 そこで、気分を変えて室内灯工作をすることにしたが、以前から気にしていた テープ式のLED を使ってみた。 最大のメリットは導光板が不要となる事であり、取付けの自由度が増える事なのである。

 

■ テープ式LEDの入手

 最近は、色々な種類にテープ式LEDが出回っている。 自動車用、野外照明用、あるいは室内のイベント用の飾りなど、手軽に使われているので、価格も安くて使い易いものが多い。 今回は、室内灯や建物の照明にも使える様に、ネットが探してみた。 条件として、12Volt で使えて、非防水型のものを探した。 防止型の物は、切断してハンダ付け等の加工が難しい上に、余分な加工がされているので、太くなっているだろうと考えたからである。

 そこでチョイスしたものが下記のテープ式LEDである。

 アマゾンに出品されていた 「 Signcomplex 12V 超高輝度 LEDテープライト 5M/300連 LED ストリップライト 正面発光 強力粘着両面テープ LEDチップSMD3528 LEDライト 広く 展示会、 舞台、家庭装飾用 ナチュラルホワイト非防水 」 である。 ¥ 1,599 であるから LED 一個当たり5.3円、6個分でも32円なのだ。 切断可能な長さが 50mm なので、10mm 長さにして使うようである。

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 構造は、8mm 幅のテープの両側にプラス電極とマイナス電極が走り、中央部には3個の LED と 180 Ωのチップ抵抗が直列に配置されていた。 

 LED は超高輝度との事であるが、電流を制限すれば使用出来るはずである。 そこで、切断したひとつのユニットを使って電圧と電流特性を調べて発光具合を調査した。 測定は、何時も使用している安定化電源を使って電圧を上げて行き、その時の電流と発光具合を調べた。

 電圧と電流の測定結果を右のグラフに示す。 3個のLED を直列に接続しているため、電流の立ち上がりは、7.5volt と推定する。 しかし、6volt 手前からぼんやりとひかり始めていた。 その後は明るさを強めながら電流が増加するも、180 Ωの抵抗による効果によって、一定の勾配で上昇している。 LED のみではもっと急激に上昇している筈である。 LEDの保護のための抵抗と解釈する。

 超高輝度との事であるとおり、12voltでは明かる過ぎるので、室内灯は 5mA 程度が適切と判断する。 建物の照明でも 10mA 程度でも充分であろう。 そこで、180 Ωのチップ抵抗を取り外して、1K Ωのチップ抵抗を交換しようとした。 しかし、チップ抵抗のハンダが容易に溶けないため取外しが出来ず、手持ちのチップ抵抗は、サイズが 2012 のため電極間の距離が合わない事が判明してので諦めた。 テープLED には、もう一つ上の3216 サイズを使用していた。

 このため、電流制限のために、供給側の回路に抵抗を直列に挿入することにした。 この時の抵抗値の違いによる電流制限の様子を、上のグラフに示す。 測定したLED特性との交点が電流制限された値である。 5mA にするには、510〜1KΩが適切と判断出来る。

 なお、このテープ式LED は 3個のLED を直列に接続しているため立ち上げリ電流が高くなっている。 1個当たりでは、7.5volt/3 = 2.5volt であり妥当な値である。 このため、通常制御のパワーユニットを使用した場合、低速領域では発光しないのである。 このため、0 - 12volt のパルスを発するPWM制御式のパワーユニットを使用することが必須なのである。 幸い我がレイアウトはTOMIX の N - 1001 - CL を使用しているのでPWM制御式である。

 

■ 20系寝台列車に組み込む

 KATO の 20系寝台列車7両基本セット(品番: 10-366)を中古品として2015年に購入していたが室内灯は未工作であった。 早速、この車両に組込んでみることにした。

 以前、Bトレの室内灯用として工作し、現在は取り外しているブリッジダイオードが多数保管されていた。 物持ちが良いのだ。 この中で脚が壊れていないもので正常に作動する物を選別して再利用した。 入力側には銅版をハンダ付けし、出力側はテープLED にハンダ付けしている。 そして、マイナス側には510Ωのチップ抵抗を直列に挿入した。 テープLED は2ユニット分の100mm の長さに切断している。 このため、1ユニット当たりでは 1KΩに相当する電流が流れることになる。 

 テープLED を天井に貼り付けて、通電および点灯試験を実施した。  最初は点灯しなかったのでテスターで当たってみると、チップ抵抗部分が取り付け時の歪で外れていた。 再ハンダで修正したが、小さなチップ部品を直付けでは強度が不足するものと考える。

 明るさは少しまぶしいぐらいであるが、下側から覗くとLEDの光が直接目に入るので、何か遮蔽する必要があった。 室内のひかり方のムラはほとんど気にならなかったので、導光板無しでも充分であるkとが分かった。

 この試作結果をもとに、残りの6両分も工作した。 ハンダ付けのの補強として、硬質塩化ビニール板 黒色 t = 0.5mm の板を切り出して、ブリッジダイオードとテープLED の両方を張り付けて基板代わりとして補強することにした。 ブリッジダイオードとビニール板の間は接着剤を使用し、ビニール板と車体とは両面テープを使用する。

 遮光対策として、厚さ t = 0.3mm の白色プラ板を切り出し、座席の上に貼り付けてLEDの光が直接見えないようにしたが、これによって座席ごとの光にムラが出てしまった。 しかし、寝台車なので仕切り毎に明るさが異なっても良いのだと勝手に解釈してOKとすることにした。

 次は、カシオペアの客車に取り付けることにする。

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 2016/12/12 作成