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鉄道模型工作室  テープ式LEDを使って室内灯を作る その2

■ はじめに

 テープ式のLED を使った室内灯工作の第2段として、KATO のE26系「カシオペア」に工作することにした。 この寝台客車は2階建て構造であるため、従来の様な導光板方式の室内灯では対応できなかったのである。 KATO の純正品のようにきれいに曲げる事ができなかったので、光がそこで止まってしまって全体に綺麗に光ってくれなかったのだ。 試作品を1台だけ作って諦めていたのである。

 今回のテープ式のLED を使うと、その導光板を使用せず、天井裏に沿ってテープを張ることによって無理なく対応できるのである。 一番の心配は、寝台車が個室になって区切られているので、LEDがそれぞれの個室にマッチするかであった。 車体を分解してテープLEDを当てがいながら検討した結果、幸いにも各室に一つずつLEDを配置できる位置があったので、早速工作を始めるkとにした。

 なお、このカシオペアの編成には、展望車や食堂車が連結されているので、これらの車両はLEDの位置を個別に対応する必要があった。

 

■ スロネE27車両への取り付け

 このスロネE27型は、個別A寝台車で「カシオペア・ツイン」が10室設けられており、8両が連結されていた。 まずこの車両から工作に取り掛かった。

 全12両分の部品を用意した。 再利用するブリッジダイオードは工数が不足したので新品を補充する。 0.1mm 厚さのリン青銅板を切り出した集電板、ブリッジダイオードを貼り付ける黒色の厚さ 0.5mm の硬質塩化ビニール板、集電板と接触させる粘着剤付の 0.1mm 厚さの銅版、そして遮光用の厚さ 0.3mm の白色プラ板などを準備した。

 LEDの位置が決まっているので、ブリッジダイオードなどの位置をスケールで確認しながら接着し、ハンダ付けを実施した。

 車体に取り付けた状態を上に示す。 テープは天井裏の段差に沿って接着させている。

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 このスロネE27型の窓は天井まで開口しているので、LEDと遮光板を見えないように注意して取り付けた。 途中からは窓際の天井とは 2mm幅の両面テープを使って接着した車両もあった。

 車両をレールの上に載せて点灯テストを実施した状態を右に示す。 綺麗に全部屋が照らされているのが分かる。

 しかし、工作した8両のうち、2両が点灯しなかった。 原因を調べると、チップ抵抗の接着不良であった。 車両に組み付けた時、各部品を接着するために押し付けたが、この時の歪で小さなチップ部品のハンダが外れたようであった。

 このためハンダ部分を修正するも改善できなかった。 半田ごてが、車体と接触して、変形させてしまったので諦めたた。 チップ抵抗が小さ過ぎたのである。 もうひとサイズ大きい物にしておけばよかったと反省するも、手持ちが無かったので通常の抵抗を取り付けることにした。

 通常の抵抗を使って慎重にハンダ付けを実施した状態を下に示す。 小さなチップ抵抗を使わすに、最初からかの方式でもよかったかも知れないのだ。

 

■ スロネE26車両への取り付け

 2号車として連結されているスロネE26-1車は、「スイート」や「カシオペア・デラックス」の部屋が配置され、部屋の大きさと数もスロネE27型車とは異なっていたので、LEDの位置を再確認して取り付けた。

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 点灯状態を右に示す。

 

■ マシE26 車両への取り付け

 次に食堂車であるマシE26-1 車両を検討した。  この車両はテーブルのある部屋と料理室が分かれており、テーブルの部屋は隅まで照明する必要があった。

 そこでテープLEDを端っこまでずらした位置に設置するものの、ブリッジダイオードからの距離が遠くなってしまった。 そこで、下の写真のように、通常の抵抗とスズメッキ線を使用して配線することにした。

 この配置に沿って遮蔽板も修正した。 両側の窓は天井まで開口していたので、遮蔽版の両側は2mmの両面テープで貼り付けている。

 

■ カハフE26-1車両への取り付け

 電源装置とラウンジのあるこの12号車の室内配置は、今までの車両とは異なり、中央部には尾灯のための導光部分が配置されていた。 照明はラウンジ室のみとするも、どうしても導光部が邪魔しており、下の写真の様な工作にした。

 テープLEDの抵抗チップ部分が天井の傾斜部分にかからないように方向を決めたので、ブリッジダイオーとの極性が逆になってしまった。 しかし、配線をクロスさせればよい事なので容易に対応できた。

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■ スロネフE26-1車両への取り付け

 最大の難関が最後に来た! この1号車には「カシオペア・スィート」と呼ばれる展望室があり、特A個室「スィート」もある配置である。 そしてその中間部には尾灯のための導光部分が配置されているのである。

 展望室と個室の両方とも照明は必要であるので、分断された状態にどう対処するのかしばらく茫然としていた。

 そこで、思い切ってテープLEDを切断する工作を思いついた。 そのためには、切断した両側を導線でつなぐためにハンダ付けが必要となるので、試しに試験片としていたテープを使ってハンダ付けが可能かどうかテストをした。

 テープの保護膜をはがし、その面にハンダ付けを実施したのであるが、ハンダが付かないのである。 ハンダ用のフラックスを塗布するも効果なしであった。 テープ面をよくよく観察してみると、保護膜をはがした部分と、ハンダ付けが可能な両端の電極部の表面の色が異なっていたので、銅膜の上にまだ何か処理がされているものと考えた。 そして、さらにマイナスドライバーの先でゴシゴシ削ってみた。 推定したとおり、削り取られた面からは銅色に輝いた金属面が出てきたのである。 その時の写真を右上に示す。 光の反射で光っている部分は金属面が出ている場所なのだ。 そして、この面にはハンダを問題無くのせることが出来た。

 こうして、車体に取り付けた状態を下に示す。 この場合もテープとブリッジダイオードの極性が逆転してしまったので配線がクロスしている。

 遮蔽版も前後に分離させて取り付けた。

 

■ レイアウトでの点灯テスト

 室内灯を工作した車両をレイアウトに入線させて、点灯テストと走行テストを実施した。 ヤードに停車中の点灯状態を下に示す。 先回工作した20系車両も同時にテストした。

 さらに走行状態についても動画にて紹介しよう。

 よく見ると、室内が明るくなって、内部が丸見えとなってしまった。 このため、エヌ小屋から発売されている様な「カシオペア」用室内シートを使ってグレードアップする必要が出てしまたのだが・・・・・・・・・・・・・・?

 

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 2016/12/13 作成