HOME >> 鉄道模型工作室 > 改良型室内灯ユニットは失敗作なり
先回、改良版の室内灯ユニットの工作状況を報告しました。 そして不思議な現象に出くわしましたので、実験や解析を進めて行くうちに、このモデルが失敗作である事が分かりましたので、急遽、ご報告すると共に、お詫び申し上げます。
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■ 改良型室内灯ユニットの問題点
まず、失敗作である内容を報告いたします。 表面実装用ショットキーバリアダイオードブリッジとチップ積層セラミックコンデンサを使って、工作出来た室内灯ユニットを報告しましたが、このセラミックコンデンサを使用したのが間違いでした。
偶然発見した消灯時間の違いを実験しているうちに、右のグラフの様に、セラミックコンデンサの場合は、電解コンデンサよりも1/4の時間しか保てない事が分かりました。 コンデンサ容量は、80μFと100μFですからほとんど同じなのに・・・・・・・・・・・?
なお、このグラフは、オシロ画像の波形データを加工したものです。
自分の知識では、何が原因なのか分かりませんでした。 苦労して作ったチップコンデンサ方式の室内灯ユニットの効果が否定されたのでは・・・・・・・・・との不安が頭をよぎっています!
この不安が的中したのです。
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● 原因は?
どうしても納得がいかなかったので、色々な資料を調べていると、コンデンサの直流電圧印加特性という項目に釘付けとなってしまいました。 そこで、使用したコンデンサのデータシートを見ていると、同じ特性を示すDCバイアス特性のグラフを見つけました。
この特性グラフは、直流電圧が高くなると、コンデンサの容量が劇的に減少することを示しています。 両端にDC12voltを掛けると、22μFが4.4μFまで小さくなってしまうのだと、解釈しました。
ヘウレーカ !
この道の専門家にとっては常識なのかも知れませんが、部外者には目からうろこが落ちるようです。 この現象を理解すると全ての疑問点に対して納得です。
電解コンデンサなどには、この様な特性は無いとの事です。 大容量化した積層セラミックコンデンサ特有の現象だそうです。 テスタでコンデンサの容量を測定しても、電圧が低いので測定値には影響しないようです。
■ 結論
チップコンデンサを使って、コンパクトにまとめられたと思ったのですが、これが失敗でした。 チラツキ対策として多少は効果があるのですが、電解コンデンサ程ではありあません。 スペース的に可能であれば、積極的に電解コンデンサーを使用すべきです。 チップコンデンサの場合は、その容量効果をうのみしない事ですね。 室内灯のチラツキ対策として多くの方が採用されているようですが・・・・・・・・・。
とりあえず、結論を報告しましたが、これまでの実験内容については、次回に報告致します。
2020/7/27 作成