HOME >> 鉄道模型工作室 >  鉄コレ電車の室内灯・前照灯・尾灯の工作 その1

鉄道模型工作室  鉄コレ電車の室内灯・前照灯・尾灯の工作 その1

 電車系のBトレに続き、鉄コレの電車にも室内灯や前照灯・尾灯などを工作することにした。 それも、卓上レイアウトでも走行可能な12m級と15m級の鉄コレ電車を対象にしていますが、室内灯を工作するにあたって、まず、中央に鎮座しているモータを窓から見えないように隠す必要があった。 今回はその工作から実施した。

 

■ 小型の鉄コレ電車

 卓上レイアウトでも走行可能な12m級の鉄コレ電車を対象に電飾工作を実施するが、その対象車両として、下記の車両を選択した。 手持ちの12m級の鉄コレ電車は5台あったが、どうしても2編成仕立てたかったので、15m級の電車を1両追加した。

 

■ 12m級動力車のモータ低床化工作

 この鉄コレ用動力車は、12m級がTM-03 で、15m級がTM-04 である。 しかし、ご存知のようにモータと重りが中央部に鎮座しており、とても室内灯を組込む対象とは思えないのである。 下左の写真。

 そこで、写真に示すように、モータと重りが窓から直接見えないように移動させる工作を余儀なくされた。 とは言っても、車体の長い電車のように床部分に沈めることは出来ないので、窓から見て邪魔にならない程度とすることにした。

 いろいろ頭を絞ったが、KATO製のBトレ用モータを借用し、水平に設置することにした。 モータとウォームギヤをつなぐジョイントシャフトは、本来は等速ジョイントにすべきなので、モータ側とギヤ側は平行にするのが正当な配置である。 角度を付けて交差させている状態は等速ジョイントにはなっていないのである。

 モータの固定は細いステンレス針金を使って固定し、電気配線はポリウレタン線を使ってハンダ付けした。 また、TM-03ではモータを保持するブロックが集電板の押さえも兼ねているので、プラスチック角材を使って押さえ部材とした。 その状態を下示す。

 次に、動力輪への加重のために重りを設定する必要があるが、販売中止となって今は貴重となってしまった水草の重り(粘土のような鉛材)を使って隙間に押し込んでいる。 上面は勿論床下面も活用している。 下の写真参照。

 さらに、動輪台車の上には、0.3mmのプラ板をつかって覆いを作り、その上に鉛板を設置した。

 そしてこれらの上に白いマスティング・テープを貼って、室内からは白い床として見えるようにした。

 

■ 15m級動力車のモータ低床化工作

 15m級動力車 TM-04 も同様な構成であるが、こちらはモータ保持ケースが2分割でき、下側のケースによって傾斜台となっていることに気が付いた。 そこでこのケースを取っ払って、さらに、モータ位置を後方に移動させると水平に設置可能であった。 後方に移動させた分、ウォームギヤまでが遠くなるが、長目のジョイント・シャフトのストックがあったので、このシャフトを使用した。 モータの固定は同じく針金を使用し、ポリウレタン線で配線も実施した。

 また、重りはストック品箱をあさっていると、丁度よい部品をみつけたので長さを合せるために切断して使用した。 出所は覚えていません。 台車の上は、12m級と同様に鉛の板を乗せました。 下の写真。

 

■ トレラー車両の集電工作

 次に、トレラー車両の集電工作を実施しました。 集電可能となるような台車にするために、どのような工作するのか迷いました。 バンダイ製のBトレ用台車か、KATO製やTOMIX製の通常の集電可能な台車を使用するにしても、シャシーに三ヶ月型の穴をあける必要があります。 これも面倒ななので、動力車からモータを外す方法を選択しました。 12m級の車体は5台のうち、動力車が4台ありました。 そして3両編成の列車を仕立てるには動力車は1台で充分です。 残りを集電可能なトレーラ車にすればよいのですが、1台足りません。

 そこで、3両編成の電車のうち、中央の1両が動力車で、後ろの1両をモータを外した動力車、残りの1両が通常のトレラーとし、全ての車両を電源線でつなぐ方式にすることにしました。 集電は2両で実施するのすが、充分ではないかと考えたからです。

  .

 

 まず、12m級動力車のモータを取外そ、台車の集電機能を残す構成にしました。 トレーラ台車として機能するために、台車のウォームギヤも取り外しましたが、車輪があまりに汚れていたので、新しい車輪に取り換えることにしました。

 これが余分な作業で、半日以上も無駄にしてしまいました。

 

 この台車の集電方法は、車輪先端のピポット部を集電子の軸受部が受け、シャシーの集電板に電気を伝える構造です。

  .

 ここで、気楽に新しい車輪に取り換えようとストック品箱から、昔常用していたGM 製台車の車輪を借用することにしました。 寸法的にもピッタリだったのです。

 しかし、ここで大きな間違いを犯してしまいました。 ピポット軸受けですからバンダイ製台車のような走行抵抗は殆どなかったので、しめしめと思いつつ作業を進めました。 そして、動力車とセットにてテスト走行を始めたのですが、何故だかすぐに電源が落ちてしますのです。 どこかでショートしていると判断してあちこちの配線をチャックしたのが原因が分かりませんでした。

 トレラー車を線路から降ろすと異常無く走行しますので、トレラー車が原因と分かりましたが、ショート部分が不明だったのでテスターを持ち出してあちこちをチェックしました。

 やっと車軸が原因であることが判明しました。

 右側と左側のピポット部が通電しているのです。 ここでやっと気が付いたのです。 この車軸は、下左の写真のように、両側の車輪の絶縁はフランジ部分で実施しているのです。 車軸は左右が一体で形成されているので、通電しているのは当たり前なのです!

 そこで、KATO製の車輪を観察すると左右の車輪はピポット部と一体に形成されており、中央部のプラスチック製車軸部分で絶縁されているので、左右のピポット部は通電していません。 下右の写真参照。

 それではと考えて、KATO製の車輪に替えてテストしました。 ショートのトラブルは解消されたのですが、今度は走行抵抗がバンダイ並みかそれ以上です。 ピポット軸受けなのにと合点がいかないので、集電子のバネ作用を弱くしたり、ガタを付けたりと集電子をいじっていました。 そして、ピポット軸の先端形状が違っていることにやっと発見しました。 TOMIX製のピポット先端形状は、KATO製のピポット先端形状より細いのです。 このため、KATO製はピポット先端ではでなく、太くなった軸の部分で軸受け部と接触し、回転抵抗が増えたのだと推定しました。 ピポット軸受けの機能が発揮されていません。

 そこで、TOMIX製の車軸を使用しようと、トレラー車用の車輪(下左の写真)を持ち出して来たのですが、車輪内側のボス部分が太くて干渉する危惧があったので中止しました。 最後に残って手段は、今までの車輪を使うことです。 下右の写真のように、ギヤ付き車軸から車輪を抜き出し、トラクションタイヤ用の溝の無い車輪同士を組み合わせて、トレラー車用台車を仕上げました。 勿論、汚れた車輪の踏面は面倒でも丁寧に、かつピカピカに磨きました。

 交換されたトラクションタイヤ付きの車輪は、動力台車にはめ込んで牽引力アップに寄与させることにしました。

 今回は無駄な作業で時間を潰してしまいましたが、ピポット軸受け方式に設計変更するにあたり、交換可能な台車枠(台車リーフ)の特徴を生かすため、車軸の互換性を犠牲にしているのでは無いかと推察し、TOMIXの開発陣の苦労が偲ばれました。 KATOは当初からピポット軸受け方式を貫いていましたの先見の明があったようです。 

 

■ 電源ラインの確保

 次は、問題は電源線ラインの確保です。 今までも、通電カプラーに何度か挑戦しましたが全て失敗しています。 しかし、永久連結車両間の通電工作は幾つかの方法をトライして、「Bトレの動力車を永久連結にする」(2018/5/27)にてほぼ実現しています。 下の写真。 下手に導線を拘束しないことだと言うことを勉強しました。

 また、箱根登山電車では、その永久連結カプラーを利用した工作も実施してきました。 なるべく細い銅線を使用することを学びました。

  .

 

 今回もカプラーは永久連結とし、銅線をつかって車両間の通電を実施しようと企てました。

 ***************************************************

 まず、車両間のカプラーですが、KATOの蜜連形A(11-703)を用いてカプラーを密着させ、瞬間接着剤では心もとないので、細い針金で固定しました。 この連結したカプラーで疑似的な永久連結としました。 右の写真。

 ジャンパー部分は連結する銅線を絡めて保持する部分にします。

 カプラーと台車周りの空間を探して銅線を通す部分を探しましたが、適切な空間がありませんでした。 無理やり通すと動きが拘束され、カーブやポイントで脱線してしまします。

 幾つかの失敗の末にたどり着いてのが、車体の上の方から銅線を下に垂らす方法でした。 車体とカプラー間がブランコの様に自由に動けることが分かりました。 さらに、電源線なので少しでも太い線を使おうとしたのですが、やはり無理でした。

 また、永久連結もどきと言えども分解できるようにしておきたいので、その方法も悩ませました。 こうして得られた結果が下のような方法です。 車両の前面の窓の上から細い銅線を下に垂らし、下端をカプラー部に絡ませせ固定します。 そして、前後の車両間の銅線を撚り合わせて接続させます。

 このためには細い裸銅線を使用しました。 ビニール被覆撚線を剥がして、中の芯線を活用したのです。 下の写真では見てくれが悪いままですので、もう少し見栄えのする接合方法が必要ですが、見事に脱線も無く走行させることが出来ました。

 車両間をつなぐ電源ラインが確保できたので、次回は室内灯と前照灯・尾灯の工作を報告します。

 

ページトップへ戻る .


 2021/3/24 作成