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鉄道模型工作室  電車系室内灯の改良(その2) キハ85系とキハ58系

 先回まで、登山鉄道ユニットの跡地の補修工作の様子を報告しました。 その工作が一区切り出来たので車両を走らせてみることにしましたが、走らせたのが電車系の車両でしたので、室内灯がチラチラの状態でした。 折角チラツキ防止の手法を手に入れたのですが、電車系はまだ手つかずの状態でした。 今回は電車系(気動車ですが)の室内灯工作第2弾の様子を報告します。 

 

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■ キハ85系ワイドビューひだ号ののチラツキ防止工作

 右に示すKATO製 キハ85系「ワイドビューひだ」 品番:10-401)5両基本セットには、これもすでにテープLED の工作が 2019/4/28に実施されていました(未報告です)。 この工作されている室内灯ユニットについても、ダイーオードブリッジを取外して、新しくショットキーバリヤ型のダイオードブリッジとコンデンサの追加を工作することにしました。

 最初に、コンデンサをどこに収めるのが良いのか検討するため、車両を分解しました。 モデルによって、室内の造作が千差万別なので、スペースのいるコンデンサとダイオードブリッジを収める場所を工夫する必要があるのです。

 下の写真は、集電シューからの配線は切断していますが、従来のブリッジダイオード取付けた状態を示します。 座席シート側にコンデンサを取り付けるための格好のスぺ−スがありますね。 しかし、ヘッドライトとテールランプ用の灯りは、麦球を使用していました。 

 また、座席シートの中央部にサラネジが見えます。 この様な場所のネジは初めてです。 また、台車を取付けるネジもこの座席シートまで締め付けるような構成になっていました。 これらの部品を分解した状態を下右に示します。 前方の黄色の板も初めてです。 目的は重り板かな?

● ヘッドライトとテールランプのLED化工作

 最初にヘッドライトとテールランプのLED化工作を実施しました。 麦球とダイオードを組み合わせたシンプルな構成です。 目的不明の穴が4ヶ所も開いていますが、他のモデルで使用する為でしょうか?

 麦球だけを取り外し、2個の白色LEDと470Ωの抵抗を取り付けました。 LEDの足がヘンテコな形ですが、これは理由があります。

 それは、座席シートの裏側に取り付けた状態を見れば理解できると思います。 台車を取り付けるネジのためのボス部分を避けるためです。 また、車体側にあるライトボックの溝にはしっくりと入る必要がありました。 何度か形を変形させながら工作しましたが、最後にはLEDの厚さ方向が干渉していたようなので、LEDの上側をやすりで削っています。

 ヘッドライトとテールランプを消灯出来るキハ85-112号機の場合は、そのON/OFF スイッチが余分に付いていました。

 LEDの足が少し長かったので位置調整のためにヘンテコな形状になってしまいましたが、どうせ隠れてしまう部品なので機能がOKなら良しとしましょう。 

 

● 室内灯ユニットの工作

 次に室内灯の工作です。 スペースを見ながら工作した第1号品をもとに、残りの車両用にも工作しました。

 今回は、表面実装形のブリッジダイオードと太くて短いコンデンサを使用しました。 その仕様を下記に示します。

   テープLED: 12V仕様の白色LED (取付け済みのもの)
   ブリッジダイオード: 表面実装用ショットキーバリアダイオードブリッジ TS260S 60V2A
    基板: 16ホールユニバーサル基板
   コンデンサ: 電解コンデンサ 100μF  16V105℃ ルビコンMHS
   電流制限抵抗: 470Ω 1/6Wカーボン抵抗

 これらのユニットを車両に収納した状態を下に示す。

 なお、5両編成の中で、動力車が1両在りました。 その座席部分はモータを収めているので分厚くなっています。 幸いこの車両の場合でも同じような形態でユニットを構成することが出来ました。 その様子を下に示します。

 電流制限抵抗は天井側に取付けています。 テープLEDへの配線部分が浮き上がってきますので、白色のマスキングテープを使って配線を固定させています。

 組付け完了後にレイアウト上にて通電テストを実施しました。 なかなか良いですね。

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■ キハ58系のチラツキ防止工作

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 続いて、キハ58系についてもチラツキ防止工作を実施しました。 このモデルは、「KATOのパワーパック スタンダードSXを導入」(2021/6/8)にて報告したようないきさつで、スタータセットとして購入していた物です。

 スタータセット キハ58系 急行形気動車 (品番:10-023)で、車両は3両です。 でも、折角のセットなので、単品で発売していたキハ58(品番:6114) とキハ28(品番:6115)を買い足して、右のような5両編成にしました。

 室内灯ユニットの取付け場所は、上記のキハ85系と同じようでしたの、同じ形状に工作しましたが、コンデンサの取付け位置を基板の裏側に変更しています。 テープLEDは新しく電球色のものを取付けました。 Amazonにて購入したKaito Denshi ((海渡電子)製の「LEDテープライト 5m 300灯 12V 両端子 1チップ 薄型 非防水 単体 電球色」 です。

   テープLED: 12V仕様の電球色LED (1Chip No Waterproof  Warm White X000H912ZV)
   ブリッジダイオード: 表面実装用ショットキーバリアダイオードブリッジ TS260S 60V2A
    基板: 16ホールユニバーサル基板
   コンデンサ: 電解コンデンサ 100μF  16V105℃ ルビコンMHS
   電流制限抵抗: 470Ω 1/6Wカーボン抵抗

 また、座席シートも青一色であったので、グレーのアクリル絵の具で床面などを塗っています。

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● トラブルの内容

 レイアウトにて走行テストを実施中に、キロ28の点灯具合が不安定でした。 また、脱線もたびたび発していました。 原因が分からず、分解して観察した結果、右のような組付け不具合を見つけました。

 シャシーにセットする集電バネの端部は、今までの例ではフリーな状態にしているはずです。 今回もそのつもりで、組付けていたのですが、これが間違いでした。 室内灯のための集電シューを挿入すると集電バネと台車の集電端末の間に潜り込み、集電不良や台車の動きを阻害していたようでした。

 集電バネの端部は、シャシーの下にも繰り込ませるので正解でした。 この構造の様子を少し観察してみよう。 床下セットを分解した状態を下に示す。 シャシーの集電用窓の周りに注目してください。

 なお、この機構については、「KATOの動力機構の変遷 電気機関車編 その3」(2011/12/1) にて、電気機関車の場合の調査報告で述べている内容と同じ構造である事が分かり、ここでもそのアイデァが採用されているようだ。 分解組付け時には要注意です。

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 その後、テスト走行を実施しました。 室内灯はチラツキもなく良好でしたが、脱線トラブルはまだ発生していました。 レールの接続がきちんと出来ている場所では問題ないのですが、レイアウトブロックの境界に設けたバリアブルレール部分など、どうしても小さな凸凹が出来てしまう部分で脱線しているようです。 他の車両では問題無いのに、なぜこのキハ58でトラブるのか分かりません。

 そこで、車両が軽いからだと推定して、シャシーの空洞部分に鉛板の断片を詰めてみました。 キハ系は床下の機器類が多いので、内側の空洞が多数あります。 車両の重さは、平均して28グラムだったのが、35グラムまで加重させることが出来ました。 その効果はなんとかあったようで脱線トラブルは発生しなくなりましたので、様子を見ることにします。

 

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 2022/1/31 作成