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登山鉄道の自動運転システム 構成要素と制御回路の検討

 制御に必要な入力と出力項目を検討した結果、使い馴れた Arduino UNO が使える事がわかったので、構成要素と制御回路の検討をおこなう。

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■ ポイントの構成

 最初に手を付けたのがポイントの交換作業であった。 TOMIX製ポイントから、より作動が安定していると言われている KATO 製に取り換える。 狭い場所に、KATO製ポイントを無理やり押し込める大改造である。 ご存知のように、TOMIX製ポイントとKATO製ポイントはそれぞれ特徴があるが、ここではそのサイズを問題にてみよう。

 ここのレイアウトでは、Tomix 製のミニ電動ポイントを使用しているが、そのコンパクトさは、大きな特徴であり、ミニレイアウトでは好んで使用してきた。 半径140mm での曲線で構成されているが、KATO製でもほぼ同じの150mm の半径のポイントが最近発売されている。 そこで、期待して購入してきたが、ガックリであった。

 その大きさが通常の4番ポイントと変わらないのである。 奥の手として、線路の途中を切断すれば良いと考えたが、裏側をみて、致命的にガックリと来た。 分岐側は少しは切断出来るが、最も欲しかった直進側にはポイント駆動部が設置されているため、切断できないのである。 このユニトラック・コンパクト 電動ポイントR150mm45°を諦めるしかないのである。 そこで、4番ポイントを使ってレイアウトを構成する方法があるかどうかを検討した。

 

 ポイントとレールをいろいろ組み合わせて、実際のレイアウトに置いて見て可能性を検討した。 KATO製とTOMIX製レールのつなぎは、端部を加工してレールをハンダ付けで固定する方法を取った。 下左の写真。 駅の位置やスイッチバックの位置を移動して、やっとその線路の位置を決めることが出来た。 下右の写真。

 二つのポイントは、脱線防止のために真っ直ぐの状態で連結させ、中間の短い直線部には、通過センサと給電部を加工することにする。 下左の写真。

 ポイント部の歪は作動に影響するのでこの位置を歪なく設置するため、一枚のベニヤ板の上に固定した。 そして、レールエンド、信号機、通過センサ、給電部なども一緒に取り付けてセットとした。 下右の写真。

 

 スイッチバック部も同様に加工した。 ポイントが長くなったことからレールの終端が伸びてしまい、レイアウトの丘の下に深く潜り込んでしまう状態となったが、行止まりの洞窟状態に仕上げる事にする。 下左の写真。

 改造工作後に試運転を実施し、スムースな運転を確認した。 上右の写真。

 

■ 路線終端の処理 レールエンド装置と信号

 このレイアウトでは、5か所の路線終端があり、駅や信号所となっている。 そして、この場所に停車して折り返し運転をおこなっている。 このため、路線終端での処置がこのシステムでは重要である。 終端での装置は、自作したレールエンドを使用し、確実で安全な停車と、到着したことを制御コンピュータに知れせるセンサが必須である。 そのレールエンドは「レールエンドの活用」で量産(?)したものを使用した。

 また、レールエンドでの通電状態を表示させると、運行ダイヤの進行状態が確認できる。 見ていても楽しいし、表示灯を見ていれば、電車が動かない場合でもその原因が電車なのか運行システムなのかが容易に判断できる。 本来なら場内信号機や出発信号機として設置すべきであるが、点灯させる目的が通電状態の確認用なので、レイアウトを操作している者が見てわかるようにすることを第1義とした。

 即ち、入場時は橙、停車した時は赤、出発時は青を点灯し、停車中すなわち無通電時は全て消灯するという変則的な点灯システムなのである。

 表示方法は、その場所によって信号機風にしたものと、エンドブロック内での表示灯にしたものがあるし、各路線終端での設置は、その場所に応じて工夫した。

 

■ 街中駅の工作

 登山鉄道とレイアウト本線とを鉄道路線として接続させるため、本線駅の脇に街中駅を設けている。 線路はつながっていないが見えない通路を使って乗換するという設定である。 設置場所は、駅ホームと高架路線の隙間に無理やり設置したので窮屈な状態である。 下左の写真。 そしてホームは1つしか設置出来なかった。 

 駅舎やホームの工作が終わっている街中駅で、センサ回路の結線を実施した。 接続基板とケーブルなどは先回の物を流用している。 センサ部の照明用 +9 ボルト電源線は、先回使用していた二つ目のホームからの到着信号線が空いていたのでこの線を使用した。 照明用LEDも街灯として使用していたストック品を活用している。

 この線路部分を使ってエンドレール回路の検証を実施した。 その様子を下に示す。 信号の出力具合を観察するためにオシロを使って波形を観察し問題ないことを確認した。

 

■ 頂上駅の工作

 頂上駅はレールエンドを設けるためにホームを短くすることは出来なかった。 そこで止む無く崖の上に出っ張るように設置し、断崖の様な風景にした。 レールエンド部はコンクリートの塊の頑丈な車両止めに見えるようにカバーを作って覆ってしまった。

 表示灯は、このコンクリートブロックの上で光るようにしている。 下左の写真。 また、衝突時の脱線防止の加工も実施している。 下右の写真。

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■ スイッチバックのある信号所

 スイッチバック部は、洞窟工作を実施してその奥にレールエンドを配した。 このため、周りの地面は大幅な修正・修復工事となった。 

 この線路の右脇には制御装置を設置するので、新たに丘を作り、その上に信号所を設けた。 また、洞窟入り口の風景をどうするか迷ったが、信号所への通路を兼ねて橋をかけ、この風景のアクセントとし、洞窟は岩盤手掘り状態のままのワイルドな風景としている。

 制御部のある丘は、上部が開閉できるようにして制御部のメンテナンスの容易化を図っている。 下右の写真。

 

■ 登山口駅の工作

 大幅改造となった登山口駅の工作である。 線路の道床を断崖ギリギリまで広げ、終端のレールエンドは崖に潜り込むように設置した。

 配線はこの登山口駅プレートの裏側にて処理している。 最終的には下右の写真の様に駅回りも再整備した。

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 2019/8/16 作成