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鉄道模型実験室 No.298  ロータリエンコーダの改善

 引出し特性という現象を観察しています。今回はロータリエンコーダの不具合を改善しました。その結果、やっとまともな実験観察が可能となりヤレヤレです。そして今後の実験の手がかりを掴むことができました。

 

■ ロータリエンコーダの改良工作 その1

 先回の実験での不具合は、ロータリエンコーダからのパルスがおよそ 100 回毎にゼロに落ち込んでいることでした。パルス変化がゼロという事はパルスを検出していないことであり、その原因は円盤の反り、あるいは傾きによって、センサからの距離が離れてしまい、センサが反応しなくなったと判断しました。

 そこで、ロータリエンコーダの構造を変えてみました。「実験装置の改善」(2026/4/3)にて報告した構造が駄目なので、支持軸をシッカリと固定させて、センサ円盤と一体化した新たなプーリを支持するようにしました。場所は、今までのところのすぐ手前に設置しました。ガイドプーリーとセンサ円盤を一体化した構成です。

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  この測定ユニットをレール台に取り付けて、テスト走行を実施しました。その結果のグラフを右に示します。・・・・・・・・駄目ですね。

■ ロータリエンコーダの改良工作 その2

 円盤の支持スパンが短いために、回転振れが発生したと考えて、スパンを長く取るように構造を変更しました。両端にネジが切られているφ3mm の丸棒を木片に固定し、そこに外径がφ16.5mm のプラスチック円筒を使ってボールベアリングを保持し、それに回転円盤を接着させて回転させるようにしました。

 このらの部品は、タミヤのクラフトシリーズや半田の保護容器の部品を活用しています。ボールベアリングの内径と棒の間のガタは、クラフトシリーズのブッシュを活用してガタなくスムースに回転出来るように工夫しています。ストック品をあさりながら考えるのは楽しいですね。ホビーならです。

 このユニットをレール台に取り付けました。

 そして、円盤をセンサを取付、糸を張って動きをチェックしました。

 糸を張った上左の写真を見てのとおり、白い発泡スチロールの板が貼ってあるのがお分かりと思います。糸がたるんだ時、プーリーの溝から糸が下に落ちてしまって軸に絡まってしまうのですが、この糸落ち防止対策なのです。糸が緩んでしまっても、溝と同じ高さにあるので、ピンと張ると元の位置に収まるのです。

 また、測定ユニットの上側が空いたので、基板類をここに移動させました。

 

■ テスト実験の結果

 まず、電圧制御方式によるステップ応答をヨーイドンのスタートで実施しました。今度は、下に示すようにパルス飛びの現象は発生せず、綺麗なデータを取ることが出来ました。

 つぎに、電流制御方式によるステップ応答にてヨーイドンのスタートで実施しました。

 今度も、スッキリとしてデータが取れました。改善工作は大成功です・・・・・・・・・・!。

 でも、これらのデータをボーと眺めているだけでは、まさに子供に測定器を与えたのと同じですね。

 

■ 考察

 引出し特性の観測は何とかまともにデータを収集することが可能となりました。そして、何を観察すべきなのだろうかと実験のねらいに振りかえって考えることが出来るようになりました。随分、寄り道をしてしまったのですが、電圧制御と電流制御の違いとか、慣性力の影響などを観察するはずだったですよね。

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 まず、上記で得られた電圧制御と電流制御のデータを比較しました。データをコピペしてひとつのグラフにしたものを左に示します。

   ムムム・・・・・・・・!

   引張力の値は、低速では一致しているのに、50Km/h を越えると二つに分かれていく!

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 これは嬉しくなるようなデータですね。 これで小学生の子供から、中学生、いや高校生に昇進できます。

 動力車の動力特性を理解しておかないと、このグラフは読み切れません。まずは、逆起電力の効果、動輪のスリップ、各部の摩擦抵抗など、色々な要素が関係しているのが分かります。電圧制御において途中から折れていくのは逆起電力の影響ですが、両方の制御において、全体的に少しずつ右下がりに変化していく特性は、動力車の内部摩擦抵抗と見ているのですが本当だろうかの疑問もあります。

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 そこで、このグラフをどうやって料理すべきか考える必要があります。その解析のためには、新たな情報(データ)を取り込む必要があります。 そのアプローチには、動力側から迫るのか、あるいは負荷側から迫るのか、それぞれの方法が考えられます。

  1. 動力側から」アプローチする場合んは、供給電圧と電流の他に、モータの回転数をチェックする方法もありますが、これはまたまた面倒ですね。
  2. 負荷側からアプローチする場合には、摩擦抵抗と慣性抵抗を分離させる方法もあります。そして、そこに何か新しい知見を見いだせるかも知れません。 
  3.  「物理実験を始めよう」(2026/2/21)にて始めた慣性体の計測方法を使えば慣性能率や摩擦抵抗を測定できるのですが、今回の装置ではこの方法が使用できません。それは慣性体とロータリエンコーダを別体にしてしまったので、慣性体の回転角を計測できない場合が発生するのです。糸がピンと張っている状態では可能なのですが、緩んでしたった状態では別行動となってしまうからです。従って、この方法からでのアプローチを諦めました。
  4. 他の方法として、「改善した実験装置の確認」(2026/4/4)にて実施したランプ応答による観察方法です。摩擦による負荷抵抗と速度の関係を把握して、上記のデータからその影響を差し引けば、慣性抵抗が取り出せると考えられます。

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 さて、次回は(4)のアプローチから始めてみることにします。

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 2026/4/9