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パワーユニットの再生工作

■ グダグダになったマスコンハンドル

 我が愛するキッズ達のために作った新RT鉄道にて、( RT鉄道の紹介 ) 4年近く使用していたパワーユニットが2台共、使えなくなってしまった。 マスコンハンドルがグダグダになってしまったのだ。 キッズ達が乱暴に扱ったため、ハンドル軸の摩擦がゆるくなり、上か下かの状態しか保持出来なくなってしまった。 途中での調整が出来なく、ハンドルがストンと落ちてしまうのだ。 ハンドルの隙間に紙やらゴムやらを挟みこんで摩擦力を調整するも、上手く行かなかった。

 このパワーユニットは、TOMIX の「パワーユニット N-1」 品番:5504 である。  出力:直流 0.5A、 走行用電圧 0 〜 12Volt 。 ワンハンドルマスコンが売りである。

 

■ パワーユニットの再生工作

 電圧調整が出来ない事以外は、機能的には異常がないので、このパワーユニットを再生することにした。 グダグダになったワンハンドルマスコンをあきらめて、他の方法を考えることにした。

 

  

 

 まずユニットのカバーを上下に分解しなければならないが、メーカーの安全設計のために、普通のドライバーが使えなかった。 そこで、古いマイナスドライーバーをダイヤモンドやすりで加工し、左の写真のように、ネジにフットするように加工した。

 無事にカバーを分解すると、マスコンハンドルの軸の部分が見えてくるが、軸の摩擦を調整する機構は見当たらなかった。 プラスチックの弾力だけで摩擦力を得る構造であった。

 ハンドルを取り外して、頭を捻って考えるもいいアイディアが浮かばなかった。 そこで、下手な細工をするよりも軸を直接回転させることにした。

 

 まず、つまみとなる材料を探したが、適当な物が無かったので、ボールペンの軸を加工して使用することにした。 丁度、ゴムの部分もあるので摘み易いと考えた。 また、上下のケースにやすりで半円の穴を開け、この軸をはめ込むためのスペースを作った。

 

 軸をはめ込んだ状態が下の写真である。

 

■ 調整作業

 作業はこれで終わらなかった。 電圧の調整と一部配線の修正である。 マスコンハンドルはおよそ90°しか回転しない。 しかし、改造後では150°近くも回転させる事ができる。 このため、最高電圧が20 Volt 以上ににもなってしまう。 このため、調整機構が無いかと回路を見ていると、電圧制御用のメインの可変抵抗の近の回路上に可変抵抗が設置されているのを発見する。 設計屋が考える事にピンと来たので、さっそく電圧計を接続してチェックしてみた。

 この補助の可変抵抗を回してみると、最高電圧を調整出来る事が分かった。 そこで、メインの可変抵抗が最大の時に、電圧を 12 Volt になるように調整した。

 もうひとつ問題があった。 メインの可変抵抗の回転方向が逆なのだ。 マスコンは下に下げると最大電圧になる。  即ち、メインの可変抵抗器を左に回すと電圧が高くなる回路となっている。 これは、電圧調整つまみとしては使いずらい。 そこで、幼稚な電気回路の知識ながら、可変抵抗器の回路結線を逆にすることを思いついた。 下の写真の様に、 VV1と VV3 の 配線を入れ替えた。 そして、電圧計で確認すると思った通りの作動を示し、体裁はいまいちながら、充分に使用可能なパワーユニットとして使えるようになった。 リサイクル成功である。

 さらに、回転範囲が広くなったので、低速での微調整も出来るようになったのは、儲けものである。

 

 右の写真が完成した状態である。 もうひとつのユニットも同様な工作を実施したのは当然である。

 なお、この様な工作は、メーカーとしては嫌がる作業と思われる。 100V電源を使用する機器なので安全基準があるはずであり、自己責任での作業であると充分に認識している。 発熱等への注意は怠らないようにして使用しよう。