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小型SLを走らせよう

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■ はじめに

 ミニレイアウトを改造したので小型のSLでも問題なく走らせることが出来るようになったのであるが、肝心のSL自身がスムースに走行してくれなくては意味をなさないのである。 そこで、一台づつ点検とメンテナンスを実施して、その走行状態を動画に収めたので報告する。

 

■ 工作道具

 メンテナンスのために用意した工作台を紹介しよう。

 走行チェックのために、TOMIX のC177線路を用いて楕円形の周回路を用意し、コントローラとの間に、電圧と電流を測定できるユニットを挿入して走行中の状態を観測できるようにした。 分解組み付けは、小さな部品を失くさないようにするため、菓子箱の蓋を活用して、この中で分解するようにしている。 再組付け時の部品の組み忘れも防止できるのである。 クリーナーや小道具類も用意している。

 

■ ワールド工芸製 南薩鉄道 5号機

 この5号機は、以前はスムースに走行していたのに、最近は少しギクシャクしていたので分解掃除を実施した。 クランクピンの位置も少しずれていたので修正すると見違えるようにスムースに走行するようになった。 この時の走行動画を下に示す。

 

■ ワールド工芸製 クラウス1400形 1412号機

 この1412号機もサイドロッドやスライドバーを少し調整することで、スムースな走行が出来るようになった。

 

■ ワールド工芸製 ナスミスウィルソン A8 形式600 磐城セメント四ッ倉仕様 600号機

 この600号機は問題無くスムースに走行している。

 

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■ マイクロエース製 C12 164号機

 このC12-164号機は、トラストトレイン茶色4両セットのジャンク品として販売されていたものを購入したもので、当初から走行はぎごちなくギクシャクとしていた。 従輪の集電装置が十分に機能しておらず、どう見ても設計不良としか思えなかった。 そこで、電源車との永久連結を実施して何とかスムースな走行を確保していた。   ⇒ 「電源車との連結とBトレ動力車の永久連結」参照

 しかし、いろいろ使用しているうちに、この方法は保管方法も困るし、取り扱いにも制約が多いので、Bトレともどもこの方式を中止していた。 この164号機では従輪の台車を手直しして、何とか集電機能を確保していた。 その状態を右に示す。

 台車の元の形状はもう忘れてしまったが、左の写真のように加工している。 φ0.3mmのリン青銅線を用いて集電と配線を実施し、絹糸でグルグル巻きにして固定している。 さらに車輪を線路に押し付けるために、カプラーで使用していたコイルばねも同時に取り付け、最終的には接着剤で固定していると思う。 この工作の詳細は未報告であったので詳しい内容を忘れているが、

簡単なメモが残っていた。 工作は2013年10月に実施し、車輪はTOMIX製のものと交換したとのこと。 動輪だけで集電しようとしたがどうしてもうまく行かなかったようであった。

 このような細工をしていたが、ギクシャク走行であったので、この従輪台車や動輪も分解して掃除を実施した結果、下の動画のようにスムースな走行状態に持ってくることが出来た。

 しかし、この状態は長くは続かなかった。 しばらく経ってから再び走行させてみるとぎこちない走りに戻っていた。 スムースに走行させるための電圧もやや高めに設定しなければならなった。 電流値もその振れ幅も大きくなっていることが観察された。

 また、ミニレイアウト上で走行させても、踏み切りやポイントでコントローラの赤ランプを点灯させて停止してしまう状態であった。 やっと見つけたその原因は従輪のバックゲージが7mm と狭くなっていることが原因であった。 この修正と各部の再クリーニングによって、再びスムースな走行を取り戻したが、この状態は長くは保てないだろうと覚悟している。

 それにつけてもKATO製のC12 は、技術陣の努力のおかげで格段の走行性を確保しているのは流石である。 モデルの新旧の違いはあるものの、マイクロからはこれに匹敵する製品がまだ出ていない事を鑑みると、マイクロとKATOの技術力の差は歴然であると考えるのは失礼だろうか。