HOME >> 鉄道模型工作室 > 東海道を走っていた湘南色電車の整備
鉄道の関する青年時代の思い出は、大学時代に利用した湘南色の電車です。 東海道線と山陽線を利用していましたが、貧乏学生にとっては準急の乗り継ぎが常套手段だったのです。 準急東海、準急鷲羽、準急比叡・・・・など・・・・・・153系(?)などの緑とオレンジ色の電車です。 このため、わがコレクションも初期の対象となりましたが、何せ余裕がなかったので、キットとか単品とか中古品での収集でした。 そこで、これらの車両の整備を実施することとしました。
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■ 湘南色の電車
自分の少ないコレクションの中での湘南色の電車は、次の3編成があります。
まず、室内灯を取り付けていない上記の(3)の153系編成(右の写真の右側のセット)から工作を始めようとしたのですが、中古品として購入したものの、(推定)1977年の初代(?)の年代物のようであり、車輪は変色し、集電可能な構造の台車ではあるものの、集電子や集電版はありませんでした。
その集電子は、今のようなピポット軸受け方式でなく、他のメーカーのようなシュー形式であり、集電版も古いタイプが必要であった。 これらの部品を手作りは可能であるが、面倒な工作であり、走りもイマイチなので、このままお蔵入りにすることにした。 安物買いの銭失いであった。
次の(2)の153系編成は、手作り品の室内灯であるが正常に機能しているので、当面はこのままとし、(1)の153系編成(写真左側のセット)の室内灯を改造することにした。
■ 155系編成の室内灯を改造
この編成は、GM製の車両組み立てキットと単品購入品とで無理やり編成しているもので、キット組立ての勉強台になったものであり、また、室内灯の初期工作品でもあります。 その工作内容は、「国電155系への室内灯工事」(2011/5/5)を見て頂くと判ると思いますが、その苦労が偲ばれます。 室内灯は、そのころ有名であった「夕庵方式」を参考にさせて頂きました。
今回は、この室内灯をテープLED方式に変更しようとするものですが、まず、室内灯と集電回路の分解取外しから始めました。 そして台車の集電方式も変更することにしました。
取り外した部品の一部を上に示す。 この中で再利用できそうなのはダイオードブリッジ程度ですが、物持ちが良い世代としては、各部品にばらしてストック品として保管しておくことにします。
前の工作では、ヘッドライトも工作していたのですが、テールライトも含めてチップLED化しようと検討したものの、面倒な工作なので先送りすることにします。 まずは、室内灯工作に集中することにしましょう。
■ 集電のための工作
まず、集電可能な台車を使用します。 下左の写真のように、鉄道模型フェスタで単品購入していた集電可能な台車のASSY部品を活用します。 このような事を想定して前から入手していたのですが、やっと活用するチャンスが巡ってきました。 下の写真は、解体後に綺麗に補修した車体フレームを示します。
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まず、車体フレームに集電子のための穴を開ける必要があります。 まず、右の写真のように、ドリルで穴を開け、ナイフで長穴に加工し、やすりを使って整形します。
図面も無く、位置もいい加減ですが、実際の台車を取り付けて、干渉具合を見ながらヤスリで修正していきました。 このため長穴はいびつな格好となりましたが、どうせ隠れてしまう処なのでと・・・・・・・いい加減な工作です。
加工完了した状態を下に示します。
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でも、最大の問題は、集電可能な台車がどれだけ用意できるかなのです。 入手していたASSY部品は、
なのですが、オハネフ12用ははカプラー部の首が長いので使えません。 その上、他の2種類の台車は、カプラーポケットが無いタイプです。
もともと、台車の形式は車体とアンマッチになってもこだわら無いのですが、さすがに首の長い台車は使えません。 切断して短縮させたとしても数が足りませんので、カプラーポケットのないタイプを活用するしかありません。 もともとは、ピポット軸受け方式の集電子が欲しかったので入手したASSY部品なのですが、これを組込む台車がないのです。
単品で入手した車両には、下左の写真に示す様にすでに集電台車が装着されていました。 このため、キット組付け品の4両の車両が工作の対象となります。 ボディマウント方式のカプラーが欲しいのですが・・・・・・・・・。
そこで目を付けたのが、何処から取り外したのか忘れましたが、TOMIXのTNカプラーに注目しました。 かなりの数のストック品があったので、この部品を活用することにしたのです。 下右の写真はこのボディマウント方式のTNカプラーを取付けた状態です。
このような、同じ編成の中で異なるカプラーを使用するという、ヘンテコ編成となるのですが、部品を買い揃えてまで工作するつもりはないので、このアイディアを実施することにしました。
このため、号車編成を変えて、4号車と5号車、5号車と6号車、6号車と7号車の間のカプラーは、ボディマウント方式のTNカプラーとすることにした。
こうして、台車とカプラーの問題を解決したので、シャシーの工作を続けました。 カプラーの取付けは 2mm のタッピネジを使い、厚さ 2mm のプラ板片にねじ込んで固定しました。 下の写真。
集電版については、0.1mmのリン青銅板を使って工作し、下左の写真のように、プラ板片の間に挟んで固定しています。 先頭車両の先頭部分にはプラ板片を使用ませんのでボウディに直接ネジ止めしました。 下右の写真。
■ 室内灯の組み込み
まず、集電板の配線を実施しました。 下左の写真。 そして屋根裏にテープLEDを貼り付け、ブリッジ・ダイオードと750Ωの抵抗を取付けました。 下右の写真。 テープLEDは、Amazon にて入手した「白ベース 5m 300 連SMD 正面 電球色」 @399.-です。
そして、ポリウレタン線を使って車体とシャシー間の配線を実施しました。 接触部の工作が面倒なのと、接触不良を防止するため、いつも直接配線で対応しています。
そして、座席シートをはさんで車体を組付けます。
これで、一台分ですが、工作完了です。
■ 点灯試験
さっそくレイアウト上に載せて、室内灯の点灯具合をチェックしました。
綺麗に、程よい明るさで点灯する事が確認出来ました。
しかし、手で前後に動かすとチラチラしてしまいます。 先回の名鉄特急でもそうでしたが、走行中のチラチラが気になるようになりました。 GM製とKATO製では台車の集電子の構造が異なるので(ピポット式とシュー式の違い)、少しは改善の期待をしていたのですが、見事に期待を裏切られてしまいました。
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■ 室内灯のチラチラ防止の改善情報
チラチラの改善には、やはりコンデンサなどの工夫が必要なのかと、ネットで皆さんの工夫状態を探しましたら、貴重な情報を発見しました。 悟鉄道の部屋さんの「テープLEDを使った室内灯を常点灯化する」の記事です。 コンデンサを追加するとPWMのデューティー比が変化するのは、ダイオードの ”逆回復時間” が原因とのことであった。 今まで、ダイオードにてコンデンサからの逆電流は防止されているはずと思い込んでいたので、コンデンサの影響が不思議だったのですが、目にウロコの思いです。 そして、この逆回復時間に関係するいろいろな情報を探りました。
そして、改善策として、ショットキー・バリア・ダイオード方式が有効であるとのことでしたので、実験で確かめることにしました。 さらに、秋月ではこの方式のブリッジも発売されていましたので、注文しました。
次回は、このダイオードとコンデンサに関する実験を報告しましょう。
2020/6/29 作成