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鉄道模型実験室 No.241  新しいテープ式室内灯 回路瞬断の発生状況 その3

 実際のチラツキが発生している状態を示す実データの観測に挑戦しています。コンデンサや電流制限部品などをいろいろ取り替えて観察できるように装置を改善して、実際の走行中の電流状態を観察した。

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■ 実験装置の改善

 チラツキ防止回路でのコンデンサや電流制限部品、およびLEDの種類を変えても観察できるように装置を工夫した。これらの部品を選択組み換可能にするため、右の様な回路とし、下の写真の様な専用のユニバーサル基盤を作った。部品Aには電流制限用の抵抗や定電流素子を挿入するポートとし、部品Bはコンデンサ用のポートとしている

 ユニバーサル基盤はストック品を再利用しているので、変な文字が記されているが気にしないことにしている。

 テスト用の部品を取り付けた状態を下に示す。よく見るとコンデンサの極性を間違えていますね。ヤバい!

 このテストボードを装置にネジで固定し、オシロのプローブをセットしました。こうするとプローブも安定しました。

 テスト車両は、別のS系車両を用意し、配線を取り外してテストボード用の線と交換しました。スハ43-2641号車です。

 

■ 実験の実施

 装置をセットし、必要な部品を並べた。老眼の目では見分けにくいのでラベルを張っておくことにした。下の写真。て実験を開始した。

 今回使用したテープLEDは、12volt 仕様のもので、長さは50mm である。

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 次に、瞬断時の電圧と、LEDに流れる電流について、オシロでの画面にて確認した状態を下に示す。

 

● ケース1: 1KΩ × コンデンサ無しの組合せ

 CH1は、間違えてブリッジダイオードの下流側の電圧を観測していました。CH2はシャント抵抗の電圧降下量を示しているので、LEDを流れた電流と見ることが出来ます。このケースでは、コンデンサが無いのでLEDは少しチラチラしていました。でも、このような激しいノイズの様な状態でも、殆どの場合はチラついているのが分かりませんでした。この様子を動画で紹介します。

 

● コンデンサ付きの場合の組み合わせ

 次に、コンデンサを挿入した場合のいろいろな組み合わせについて観察した。また、CH1のプローブは回路図に示す位置のセットし直しました。

ケース2 5.6mA CRD × 100μF電解コンデンサの組合せ チラツキ無し 電流は滑らかである。
ケース3 1KΩ × 100μF電解コンデンサの組合せ チラツキ無し 電流は滑らかである。
ケース4 1KΩ × 94μFチップコンデンサの組合せ 少しチラつく 電流の凸凹が増加する。
ケース5 5.6mA CRD × 94μFチップコンデンサの組合せ 少しチラつく 電流の凸凹が増加する。
ケース6 1KΩ × 10μFチップコンデンサの組合せ チラツキ有り 電流の凸凹が大きくなりチラツキが目立つようになった。
ケース7 1KΩ のみ、コンデンサ無し チラツキ有り 電圧変化はそのまま電流変化となっています。

 コンデンサの効果は一目瞭然である。外海の嵐の様な瞬断回路でも、コンデンサを付ければ対応できることを改めて認識しました。

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 今回の報告の編集はかなり前から手がけていたが、この先の頻度解析方法に手間取っていたので、報告書の仕上げが遅くなってしまった。でもやっと先が見えてきたので報告を続けることにします。

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 2024/4/7