HOME >> 鉄道模型実験室 > 新しいテープ式室内灯 集電瞬断の解析2
室内灯チラツキの原因である集電回路の遮断状況について、データの収集方法とその解析方法を模索したが、はたしてどのようにデータが処理されるのかを観察したが、条件を変えて再実験を行った。
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■ 観察条件
実験条件は先回とおなじであるが、オシロの観察設定を測定の区切りとして円盤の1回転毎とすることに変更した。円盤の回転数をストップウォッチで測定すると 3.8秒程度であったので、それに合わせておしろの時間軸の設定を決めた。
先回は、M = 50ms の設定で 0.8 秒間のデータであったが、これを4秒間のデータにするには時間軸を5倍にすれば良いと考えて、M = 250ms の設定にした。
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その時のオシロの画面のハードコピーを左に示す。
そして、波形データをUSBに保存して、先回と同様に解析を実施した。
チャンネルなどの設定状態は、CH1 = 2V、CH2 = 200mV、時間スケールは M = 250msである。
Memory Length | 4000 |
Source | CH2 |
Probe | 1X |
Vertical Units | V |
Vertical Scale | 2.00E-01 |
Horizontal Units | s |
Horizontal Scale | 2.500E-01 |
Sampling Period | 1.00E-03 |
保存されたCSVデータのヘッダー部分の一部を右に示す。 データの総数は 4000 個で先回と同じであるが、時間軸を5倍に伸ばしたので Sampling Period が 1msec となっている。このことは、全データでは 4,000msec 、即ち4秒間のデータを記録していることを示している。
■データの解析
先回と同様に、Python を使ってデータの解析を実施した。
-A のデータは収集した生データである。オシロ画面には隠れてしまった前半の部分も表示されている。ここには多くの瞬断の形跡が残っている。この部分を拡大したのが右のグラフである。
下側の -B のグラフは整形処理を実施した後のデータである。左上の整形前と比較すると、細かいノイズ的な信号は綺麗に整理されていることが分かる。 右下のグラフは、谷の形を計算したデータを表示したもので、谷の深さ(dmin)とデータの位置をプロットしたものである。赤丸と橙丸については下記で説明する。
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ここで、データの整理具合を詳しく見てみよう。上段のグラフが整理前の生データで、下段がその部分に対応する整理後のデータである。
おや?と思うポイントもあるが、大雑把な見方をすれば良いと考えているので、この整理方法で良しとしよう。
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■ さらに深堀
また、先回と同様に、出力されたデータを元に、係数α を計算してグラフに表示することにした。 即ち、
Y1 = 90 、Y2 = dmin 、 x = (Period + 1 ) × 1 msec
として計算した。その結果を右のグラフに示す。ここで、プロット点の色分けとして
で表示した。
■ もうひと工夫する
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右上のグラフでは、いまいち良く解らないので、もうひと工夫してみた。それは、「新しいテープ式室内灯 チラツキの限界図」(2024/3/25)にて検討したチラツキの限界図上にプロットすることである。
今回のデータは、テープLEDを流れる電流を測定しているので、コンデンサや電流制限部品で処理された後の電流を見ているのである。従ってLEDの点灯具合と人間の眼の感受性の関係なのだ。
そこで、チラツキが少し認められるゾーンとハッキリと判るゾーンを表示させて、そのゾーンに入り込んでいるのかどうかを示せば理解しやすいと考えたのだ。
この考えで測定データをプロットしたのが左のグラフである。黄色の線の外(右下方向)ではチラツキが認識されるようになり、赤線の外ではハッキリとチラツクゾーンを示している。そしてプロット点がどのゾーンに入り込んでいるかを見れば良いことになる。 なお、プロットした測定値の時間値は整数値であるのだが、そのままプロットしても重なってしまって多数のデータであることが分からないのだ。そこで、あえて時間データを修正して横方向にばらつくように細工している。
この方法で表示させれば、一目で判るようになるのだ。
■ まとめ
内容をまとめておこう。
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次回は、上記の観点でいろいろな組合せの場合の様子を観察見てみよう。
2024/4/15