HOME >> 鉄道模型実験室 > 小型のターンテーブル式実験装置 測定データのN増し(3)
小型のターンテーブル式実験装置を作りました。そして、低速域のスリップ領域においても牽引力が測定出来るようにと、ターンテーブルをPWM制御方式でも駆動できるように改造しました。でも、この改良工作に影響しないと考えていた牽引力測定データに疑問が生じてしまいました。その要因を追求するため、データのN増しを実施しています。
■ 速度特性の測定方法
ターンテーブルをモータにて強制的に回転させる今回の装置において、困った点として速度特性の測定方法が面倒になった事である。
その原因はターンテーブルの回転抵抗にあるのだが、一旦、1グラム以下だと思って進めて来たのに、実際に測定してみると 6〜7グラムの抵抗が有ったのです。この件に関しては、「動力特性測定のトライ」(2023/10/4)にて報告しました。そして、カプラーと連結している連結棒のピン穴を長孔にし、そのガタを見ながら、駆動モータの回転を調整する方法で、無負荷運転状態を再現させて測定を実施するほうほうなのだ。
この方法は、運転状態が安定しているモデルの場合は容易であるものの、微妙な調整が必要な場合が多いので、結構面倒でなのでデータ収集をかなり手抜きしていたのだ。
最近の装置の状態を見ていると、テーブルの回転は非常にスムースであり、安定的で低い起点抵抗が得られるのではないかと考え、テーブル上部の駆動軸との固定部品をはずしてテストしてみた。
その結果は予想どうりで、下記のデータに記載しているように1〜2グラム以下の力でテーブルを回転させていた。この程度の走行抵抗であれば、無負荷走行時とほぼ同等の速度特性が得られると判断して、この方法で測定を実施することにした。安定化電源の電圧を変えるだけで、どんどん測定を進めることが出来るのでらくちんなのである。
でも、途中からテーブル上部のベアリングがだんだん浮いてきて外れてしまうので、上右の写真のように、固定ネジを緩めた状態で金具をテープに貼り付けてベアリングの抜け止としている。もっと良い方法に改善すべきだが・・・・。
また、何らかの原因でテーブルの回転抵抗が増えたとしても、牽引力データを見ておけばチェック可能である。
■ 凸形ディーゼル機関車 DD351号機
アルナイン とても簡単な凸形ディーゼル DD351号機を測定しました。 動力台車は、KATO 小型車両用動力ユニット 通勤電車2(Bトレ用動力ユニット) 品番: 11-107 識別番号No.18 です。車輪は4軸中の2軸が駆動軸です。トラクションタイヤは新品の交換しています。





上段のグラフが速度特性で、ターンテーブルを自由回転状態にして測定しています。牽引力が1〜2グラムあるのは、このターンテーブルを回転させるための力です。完全な単独無負荷走行状態で無ないのですが、測定が楽なのでこの測定方法を採用して行きます。
このモデルについては、動力測定を始めた初期の頃のデータが残っています。「KATO製小型車両用動力ユニットの動力特性」(2011.10.10)です。、


なんと、”No.18 のDD351については、2010年の春、動力測定を始めた頃の初期に測定したデータである。” との事であるので、記念すべきデータか!
さらに、特性パターンとその値は今回のデータと殆ど同じである。
今回、問題となっている制動領域のデータ飛びは、昔の幼稚な方法ではしっかりと測定されているではないか! やはり、S字特性なのだ。
■ ハコ型電気機関車 EE292号機
アルナイン とても簡単なハコ型電機【EEタイプ】 ED292号機を測定しました。 動力台車は、KATO 小型車両用動力ユニット 通勤電車1(Bトレ用動力ユニット) 品番: 11-105 識別番号No.54 です。車輪は4軸中の2軸が駆動軸です。トラクションタイヤは新品の交換しています。





上段のグラフが速度特性で、ターンテーブルを自由回転状態にして測定しています。 このモデルについては、動力測定を始めた初期の頃のデータが残っています。「KATO製小型車両用動力ユニットの動力特性」(2011.10.10)です。、

やはり問題となっている制動領域のデータ飛びは、昔の幼稚な方法ではしっかりと測定されています。でも、値的には殆どおなじであるものの、駆動側のパターンが少し凹形になっています。トラクションタイヤの特性なのだろうか?
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■ データ飛びの要因は?
制動側のデータ飛びについて、昔の測定データと比較して考察すると、測定法の違いによる要因が考えられます。 傾斜台方式と強制回転されているターンテーブル方式の違いです。
今回のターンテーブル機構はモータによって駆動されているので、回転数とトルク、即ち、車速と牽引力はこのモータ駆動特性に影響されます。先回の「小型のターンテーブル式実験装置を作ろう 実験開始」(2024/9/19)にて報告した実験その2のデータを、今回のED292号機の測定データにスケールを合わせて重ねてみました。右のグラフです。横方向位置は少し修正しています。
実験その2の特性はターブル側、即ち線路側の特性です。一方、ED292号機の特性は車両の動輪の特性なのです。このレールと動輪が接触して力をやり取りしている状態が走行中の状態なのですが、この場合は、力と速度は同じなのです。共有している状態です。これは、二つの特性線図が交差している点が、走行中の状態を表しているのです。
でも、二つの特性が直交している場合はその交点がハッキリします。しかし、特性がある範囲で平行でかつ重なってしまっている、即ち、重複している部分があると、その状態は確定できません。どこにいても共有していることになるので、結果として測定データは不安定となり、共有するデータが確定できないのです。
さらに、悪いことに、すこしの状態変化が生じた場合、より安定した領域に状態が移動してしまうのです。谷底のボールはいつまでも安定して停止しているのですが、坂上のボールは安定しているようですが、少しでも風が吹いてしまうと坂を転げ落ちてしまうのと同じです。
そしてグラフに示すように、制動領域のデータが飛んでいるしまう部分が、丁度この領域に該当するのです。
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解決方法は簡単です。線路側の特性をもっと寝かせて、水平な特性にすれば良いのです。傾斜式測定台は、重力を利用して動力車にプラスやマイナスの一定の負荷を速度に関係なく与えてくれる方式です。このため、水平な特性をもっとも正確で、かつ簡単に実施できる方法なのです。 でも、スリップ領域ではその状態を安定的に保てないとか、動力車が動いてしまうのでモータの回転数や端子電圧が測定できないなどの欠点があったのです。
でも、まだまだあきらめてはいません。次の手を検討中ですが・・・・・・・、上手く行くかどうかは分かりませんが。
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2024/10/10