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鉄道模型実験室 No.251  小型のターンテーブル式実験装置 新たな挑戦ー電流制御方式の検証

 小型のターンテーブル式実験装置を作りました。そして、低速域のスリップ領域においても牽引力が測定出来るようにと改造しましたが、制動領域でデータ飛びが発生してしまい、その対策として電流制御方式を検討しました。でも結果はよくありませんでしたのでさらに確認を実施しました。また、市販の定電流モジュールも使ってみました。

 

■ もう一度様子を確認する

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 四苦八苦しながら検討してきた案件なので、もう一度、車両を走らせて確認してみました。

  

 車両は、車両ED292を走らせ、スケッチはEvery_motor1-3.inoを使用、各部の電圧はテスタで読み取り、車速と牽引力はパソコン上の値を読み取りました。その結果、上左のグラフの牽引力・車速特性にて示すように、やはりデータ飛びが発生していました。

 注目したのが、駆動モータの電流を示すmAのデータ牽引力を表す右のグラフです。 mA、即ちモータの駆動力と、牽引力、即ちは線路上での力とは比例していないのです。牽引力のプラス側とマイナス側のどこかで、力伝達の断層があるようです。力の方向が反転している事から、テーブル駆動機構のヒステリシス?ではないかと推定します。でも、どうせ期待出来ない方式なので、詳しい探究は中止することにしました。

 

■ 電流制御方式の場合の特性を調べる

 この方式の最終判断を決める実験を実施した。「小型のターンテーブル式実験装置を作ろう 実験開始」(2024/9/19)の実験その2で実施した時と同じ方法にて、電流制御方式の特性、特にその勾配を調べてみることにした。この実験結果より、果たして特性の傾斜具合がどれだけ水平になっているのか判明するである。

 実験結果を抵抗制御の場合の特性と比較して下に示す。

  

  

 結果は、水平とはほど遠い特性を示していました。全く期待外れでガッカリです。

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 グラフより得られた牽引力・車速特性の勾配を比較しました。

 電流制御の場合、特性の勾配はおよそ半分程度まで緩やかになりましたが、この程度では不充分と判断します。

 という事で、今回検討した電流制御方式の採用は、効果の少ない方式と判断し、採用を却下することとします。

 

■ 定電流ドライバモジュールの検討

 今回検討を実施している最中ではあったが、電子部品のネットサイトでは定電圧モジュールが市販されているが、同じように定電流モジュールがないかと探してみた。ニーズが無いのか、なかなか見つからなかったが、偶然、LEDドライバーがヒットして来た。そうだ!LEDは、電圧では無くて電流で制御するのだ。そして、次のような商品をサンプルとして1個だけ注文した。

 Amaxonの販売サイト Walfront の商品である、DC調整可能な電流LEDドライバモジュールを入手する。

 入力電圧は DC2.8〜6V 、調整出力電流は 30〜1500mA、サイズは18 x 10 mm の小形のサイズです。基盤の番号はLD06AJSA、ICの品番はCN5711LED Driver IC とのことであり、目的としては、ピッタリである。 基盤上にある半固定抵抗を使って電流値を調整できるのだ。

 もし、このようなLEDドライバが有効であれば、外付けのボリュームで調整できるように、IC単体を探してみた。すると秋月のPWM調光機能付き定電流LEDドライバ NJW4617DL3 なども使えることがわかり、テスト用として候補にしていた。

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 まずは、サンプルとして入手したモジュールを使ってテストしてみた。

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 Arduinoを使った場合と比べて、なんとコンパクトにかつ容易に機能するのかと喜んでテストしたのであるが、電流制御の欠点は、まったく同じであったのだ。

    当然と言えば当然ですね。

 やはり、このモジュールを使っても NG です。駄目ですね。

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■ 結論

 もし、電流制御方式で検討するのであれば、駆動機構の摩擦抵抗を低減させなければならない。

 このためには、プラスチック歯車を用いたホビー用ユニットではなくて、金属歯車を用いたギヤボックスや、ギヤ比をもっと小さくするなどの方法があると思われる。

 あるいは、ターンテーブルの中心軸で駆動するのではなく、ベルト駆動などの低摩擦機構も候補となるかもしれない。

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 色々な改善策を頭に描いていた時、ふと昔の工作を思い出したのでした。 まてよ、この方法が使えるかも知れないと考えて実験しました。次回報告です。

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 2024/10/18