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鉄道模型実験室 No.257  粘着特性を測定しようU テスト車両の準備

 小型のターンテーブル測定装置で粘着特性を測定したが、今回もいろいろなミスが重なって四苦八苦してしまった。無駄な2週間であったがその様子を失敗の記録としてメモしておく。最初にテスト車両に関するミスを報告する。

 

■ テスト用の動力車両の準備

 今回の実験方針に従って、鉄コレ用の動力ユニットTM-04 <15m級A> を使用した。幸いにも、このユニットのストック品があったので、これを使用してテスト車両に仕上げた。片台車駆動方式で、フライホイール搭載、ミニカーブレール対応品である。

 まず最初に動力側の台車の車輪を交換した。トラクションタイヤを履いていた車軸をトレーラ台車側の車軸と交換した。下左の写真が動力台車で、右側の写真がトレーラ台車である。

 次に、モータを取り外し、フライホール部分ににアクリル絵具を使って白と黒のマーキングを実施した。1回転当たり2回のパルスが出るようにするため、白と黒を2ヶ所づつ塗ってある。

 このフライホール部には門型の重り部品が装着されるので、ここにセンサの観測窓を工作した。センサは何時も使用しているフォトリフレクター(反射タイプ) TPR-105F を使うので、センサ部分がぴったりと収まるようにこの重り部品を削った。下左の写真。工作部周辺は赤外線の乱反射を防ぐために、黒く塗っている。

 この部品を動力ユニットに取り付けた状態を下右の写真に示す。工作した観測窓から白黒マークを観測できるのだ。

 つぎにセンサユニットを準備する。このユニットは、「粘着特性を測定しよう 電気機関車シリーズの測定」(2025/10/11)等で使用したセンサユニット6号である。

 さらに、モータへの給電として、動力車に直接給電できるようにリード線も取り付けることにした。下左の写真の上のリード線。回転するテーブルやレールと車輪などを介しての給電では電圧降下が生じるので、これを嫌って直接給電方式を使ってみることにした。

 下右の写真にセンサユニットの設置状態を示す。

 マスキングテープ「mt」を使ってセンサユニットを取り付けた状態を下左の写真に示す。そして、台車部分には0.5mm のプラ板のカバーを取り付けました。この上に鉛粘土を取り付けました。下右の写真。

 

■ 実験開始

 準備したテスト車両をターンテーブル上にセットして実験を始めたが車両が動かないのである。モータ単品の状態で作動チェックしていたので、給電系の配線が不良と判断し、リード線を0.4mm のポリウレタン線を使い半田付けした。

 リード線が太すぎて車両の自由度が少し失われた感じであったが、機能優先で実験を始めた。車両は無事に動き出したが、今度はモータの回転数信号をArduinoから取り出せなかった。今度はセンサユニットを疑って、他のセンサに取り換えるも反応なしであった。

 そして、オシロスコープを持ち出して信号をチェックするも信号処理回路はだんまりの状態であった。さらに、ブレッドボードを持ち出して新たな回路を作ってチェックするも原因が分からず、うろうろの連続であった。そして、この間まで正常に作動してしていたセンサユニットさえも疑ったのである。

 

■ センサを作る

 原因がよく分からなかったので、新しくセンサユニットを作った。そしてこの新しいセンサユニット9号を車両に取り付けた。

 新しいセンサに交換して機能をチェックするも、やはりパルスは出てこなかった。そうこうする内に、モータも動かなくなってしまった。この2,3日はこのような状態でいらいらの状態であった。

 結局、モータ単品でチェックした結果、電流がおよそ200mA程度もありモータ不良と分かったのだ。時々ロック状態にもなったのだ。

 

■ モータを交換する

 最初に戻って、ストック品の中から正常なモータを探し、そのモータを交換した。無負荷時の電流は100mA以下であり問題ないと判断した。

 さらに、リードが太すぎた事もあり、線給電方法を今までのレールからの方法に変更し、車両がスムースに動くことを確認した。上の写真

 センサユニットも取り付けた測定可能な状態にした。こうして、車両は問題なくスムースに動くようになった。最初からモータの状態をしっかりとチェックしておけば良かったのにと反省している。

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 次回は、モータ回転数の測定での ” ドジ ” をメモしておくことにする。

 

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 2025/10/29