
HOME >> 鉄道模型工学 > 粘着特性を測定しよう ロードセルの較正
粘着特性を測定するための装置を作っています。まず、予備実験用の装置として準備を進めていますが、今回はロードセルの較正作業を実施しました。
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■ ロードセルの較正作業
ロードセルを使用するにあたって、事前に較正作業を実施しておく必要があります。今回の使用例では、ロードセルに取り付けた滑車に牽引糸を通し、その糸の張力を使って較正作業を実施します。この時、巻取りユニットとレール台が連結されているとその作業が出来ないので、分離している現在の時点がそのチャンスなのです。
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ロードセルの較正作業は、過去たびたび実施して来ました。最近では、「小型のターンテーブル式実験装置を作ろう ロードセルの再較正」(2024/9/28)ですが、滑車の利用は「抵抗挿入による特性の改善」(2011/2/22)の昔から実施しています。そして、その時々で使用した小道具も下の写真のように保管しています。この中から今回の作業に必要となる小道具を準備しました。錘を入れる籠と滑車付きのレバーセットです。
この小道具を巻取りユニットに取り付けた状態を下に示します。
滑車レバーは万力を使って固定しています。その高さなど位置はロードセル上の滑車から真っすぐな位置にセットしました。
滑車からは錘を載せる籠を吊るします。その錘を測るのは、いつも使っている料理用の秤です。
錘として使用するのは、大小のナットや鉛の板片など、保管箱の中から取り出して使用します。
なお注意点として今回の構成では、計測できるのは最大で 50グラムまでです。 ロードセルは100グラム仕様ですが、ロードセ部分に滑車を使用しているため、糸の張力の2倍の力が滑車中心に掛かるためです。
#include <HX711.h>
// Nenchaku-cell-test1 2025/9/16
// 機能テスト-1
// ロードセルのチェック
// HX711.DOUT - pin #D4
// HX711.PD_SCK - pin #D3
#define START 6
const int LOADCELL_DOUT_PIN = 4;
const int LOADCELL_SCK_PIN = 3;
HX711 scale;
void setup(){
Serial.begin(9600);
scale.begin(LOADCELL_DOUT_PIN, LOADCELL_SCK_PIN);
}
void loop(){
int start;
start = digitalRead(START);
while (start == HIGH) {
start = digitalRead(START) ;
}
//ロードセルを読む
long reading = scale.read();
Serial.println(reading);
delay(500);
}
■ 較正の実施
まず、ノートパソコンのArduino IDE を使って右に示すスケッチを記述します。以前使用したものをポート番号等をチェックして修正しました。
#define START 6 は、測定開始のボタンです。一回測定すると次の指示があるまで待機させます。このボタンの回路はプルアップ構成でしたの、HIGH の状態が待機状態です。
ボタンが押されるとロードセルの測定値をシリアル通信によって Arduino に送信してきますので、それをシリアルモニタに表示させます。
パソコンには、Excel を使ってグラフ表示させるようにしておきます。
表は、シリアルモニタに表示された指示値と、秤で測った錘の重さを入力して、その値をグラフにひょうじさせます。ひとつずつ面倒ですが、値を確認しながらの作業ですので、測定値の様子が一目でわかるので異常値が無いかを常にチェックしながらの作業が出来ます。
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こうして測定された結果をグラフに表示させ、プロット点の近似直線を表示させます。そのグラフを右に示します。
測定順序は、測定間隔を均等に埋めるように錘を選択しながら何度か往復させていますが、全ての測定点はほとんど一直線上に並びます。即ち、このロードセルのリニアリティが確認出来たと言えるでしょう。そして、R2 の値が 0.9993 もありますから直線相関があると言えます。
ゼロ点も確認できます。このようなブリッジ構成の歪ゲージを使った計測の場合は、どうしてもドリフト現象が発生するので、測定時にゼロ点確認が必要となってきます。
右のグラフより、ロードセルの値から糸の張力を換算するには、
Y = 0.00007471×ロードセルの値 + 5.375
として、計算すれば良いことになります。但し、5.375の値はドリフト値なので測定前のゼロ点測定で修正する必要があります。
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さて、予備実験の準備が出来たので、次回は予備実験のトライを実施してみることにします。