Nゲージの鉄道模型を始めたころ、不思議な現象に出会った。 40パーミルの下り坂に入った所で、500系新幹線の車両が、“ギュー”と鳴くような音を出して通り過ぎるのである。 動きもやや不自然であった。 また、さる鉄道模型のブログを閲覧しているとき、SLの重連時のギクシャク運転の話題が記載されていた。 鉄道模型では、機関車など2台以上で連結して運転する場合には、2台のスピードを合わせる必要があるとのことであった。 ここで、疑問が湧いてきた。 なんで? と。
なにか面白そうな現象が見つかりそうな気がして、資料を探しながら、また、自分で測定しながら、これらの疑問を追及してきた。
再編集版について:
この再編集版は、我が「鉄道模型工学」の概要を容易に理解して頂けるようにと、過去に報告した内容を整理し、新しく組み立てた筋道に従って再編集したものです。 他の項目に分類されていたページを取入れたり、脇道・寄道した内容をカットしたり、グダグダした説明を要約したりして記述しております。
そして、鉄道模型工学概論の骨子の部分は、株式会社工学社のご尽力により、「機械技術者の鉄道模型実験室」として、出版して下さることになりました。
さらに、これを機会として、走行中の動力車のモータ回転数と電圧の測定方法や、モータのモデル化を進めて車両全体の解析を実施した内容についても、再編集を実施しました。 これは、別の意味では、自分の「終活」でもあります。
余分なものは捨てて整理し、必要な物だけを、息子、残念ながらいませんので、孫に残しておこう と考えているのです。
自動測定システムを構築していく過程を報告しよう。 電子回路の素人が始めたホビー工作であるので、ゴールにたどり着けるかどうかは不明であるが、失敗談も積極的に記載しますので、参考になれば幸いです。
■ 目次
1) システム構想と回路図 (2013.3.4)
自動測定システムのイメージ、 必要となる知識、 システムの構成、
回路図の作製、 部品の発注
2) Arduino を使う (2013.3.5)
ノートパソコンが使えない、 Arduinoを使ってみる、
オペアンプを使って見る、 ユニバーサル基板の工作
3) 電圧・電流測定ユニットの製作 (2013.3.6)
電圧・電流測定ユニットの製作、メインユニットの製作、シールドのテスト
電圧・電流ユニットの機能テスト、Excel へのデータの取り込み、
Excel のデータ処理、作動状態
4) 電圧・電流測定ユニットの不思議な振動 (2013.3.8)
電圧・電流測定ユニットの問題、原因の推定、回路の検討、
電圧値と電流値の校正
5) 車速測定ユニットの製作 (2013.3.12)
車速測定ユニットの構想、 車速測定ユニットの製作、電気工作、
6) 測定台への組付け (2013.3.13)
測定台への組付け、プログラムの修正、試験走行
7) 傾斜角測定ユニットの製作 (2013.3.18)
傾斜角測定ユニットの製作、測定台への取付、 回路部の作成、
傾斜角測定の較正作業
8) 牽引力特性の測定 (2013.3.20)
牽引力特性の測定準備、試験走行、暖機運転への対応、
動力特性の測定、おわりに (完)
その後の改良や区切りがついた内容毎に報告していきます。
内容毎の報告の続きです。
実際の現象を観察・把握するために鉄道模型車両の動力特性を測定する定置実験装置を製作する。
現象を理解するには、その状態を解析する必要がある。 その理解を深めるために工学的観点から追求してみる。
■ 動力特性の理論
■ 動力特性の理論 補足
■ 動力特性のモデル化
■ 重連特性 (2011.4.23)
動力車の「重連」に関する実験や考察に関する報告について、リストアップしてみました。