
HOME >> 鉄道模型工学 > 粘着特性を測定しよう 本格的な測定を始める その2
粘着特性を測定しています。今回は本格的な測定のその2として、ED16-3号機、EF81-81号機、EF510-1号機を測定した。でも、測定データは何だかおかしいのである。
■ はじめに
今回の測定は、過去の測定データを補完するものであるため、すべり率の過去のデータのあるモデルを対象に測定を実施した。以前の測定データについては、Excelファイルとして保管してあったので、その中から必要なデータをコピーして転記した。 なお、車両の緒元や過去のデータの詳細についてはマイコレクションの個別モデルのページを参照してください。
■ ED16-3号機機の測定
4番手として、KATO製のED16-3号機の測定を実施した。測定時の状態を下に示します。
このモデルは3番手で測定した車両と同じ構造であったので、上部の照明基盤が邪魔をして回転センサ用の観察窓が見えなかった。そこで、先回作った応急的な通電基盤を使用した。下左の写真。センサユニットは6号を使用し、車両重量も補完してた。下右の写真。
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実験結果を右のグラフに示す。橙色のポイントが過去のデータであり、赤色のポイントが今回のデータである。
この測定も2番手で測定したED75-1001号機と同様に、測定レベルがかなり下回っている。これだけ乖離していると、ロードセルのドリフトの問題では無くて、モデル自身の問題のような気がしてきた。
測定後の車輪の様子を下に示す。詳しく観察すると、トラクションタイヤの表面がテラついているようであった。引張力に大きく影響するトラクションゴムの状態が気になってきました。
■ EF81-81号機の測定
5番手として、KATO製のEF81-81号機を測定した。
だんだん手馴れてきたので、手順良くセットしたのであるが、いざ測定を始めると、肝心の車両が動かないのである。
いろいろ調べていると照明基盤が機能不全となっており、LEDは点灯しなかった。なんでと思いながらも原因究明はさておいて、ストック品の中から照明回路を取り去った基盤を見つけ出し、それに交換すると快調に走り出した。
そこで、この基盤を使って測定することにした。センサユニットは6号を使用する。下の写真。
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実験結果のグラフを右に示す。
今回のデータは、以前のデータとピタリと補完していることが分かる。滑空領域では少し山なりなっているような気がするが、説明されているようなきれいなμカーブとは言えないのだ・・・・・・・・。
だんだん期待から外れていくので、心配になってきました。でももっとたくさんのデータを集めて議論しよう。まずは地道な作業あるのみなり。
走行後の動輪の様子を下に示します。動輪の状態は良好です。
■ EF510-1号機の測定
6番手として、KATO製のEF510-1号機を測定した。
このモデルはセンサユニットを簡単に取り付けることが出来ました、ユニットは6号を使用する。

これらの装着状態を上左に示す。また、測定結果を上右に示します。こちらも乖離したデータとなっています。やはり何か変ですね?
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測定後の動輪の様子を下に示す。トラクションタイヤは少しテカリ気味であったが異常はなさそうであった。他の動輪は見なピカピカであった。
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■ 新たな課題
今回は、3モデル中2モデルもデータが乖離している状態であった。これはモデル側に何かの原因があると想定して、その原因を調べることにしよう。まず最初に一番疑っているトラクションゴムの影響をチェックすることにする。
次回は、その様子を報告します。