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交直流電気機関車:   EF81 81 一般色

 

実車プロフィール

 EF81形は直流機のEF65形をベースにされ、1968年から製造が開始された交直流電気機関車である。異なる方式で電化が進捗した日本海縦貫線において、50Hzおよび60Hzの交流電化区間と直流電化区間を直通して走行できる三電源方式の電気機関車として開発された。

 81号機は1973年9月日立製作所で生まれ富山第二機関区に配属された。その後内郷区を経て田端機関区所属となった。1985年3月に開催されたつくば科学万博へのお召し列車運転に際して本務機に指定されたり、その後、ローズピンク塗装から赤2号に変更され、 更に流星マークと大型のJRマークの”北斗星”塗色となった。1996年10月の両毛線でのお召し列車運転では 予備機を務めなどの活躍をする。

 

模型プロフィール

メーカー : KATO
商品名 : EF81 一般色
品番 : 3021-1
車両番号 : EF81 81
発売日 : 1997年
入手日 : 2011年1月 中古ジャンク品購入
定価  : \6,300.-

分解調査

● ボディを活用して12m級ELを作製するために購入するも、破損個所は容易に修理出来、走行も良好なので、このまま完成品としてコレクションに追加する。
● 前のモデル 3010-1 のモデルチェンジ。 変更点は運転席のシースルー化、クイックヘッドマークの採用、ナックルカプラーの標準搭載など。
● 黒染め車輪
● フライホイール搭載動力ユニット
● ヘッドライト点灯

 

● 主な諸元

連結面間距離
125 mm
動輪直径
7.4 mm
車体重量
101.2 gf
台車中心間距離
78 mm
駆動系ギヤ比
19.0
前動輪荷重
45 gf
台車軸距離
17.5 mm
フライホイール
φ10.4×7.5 - 2個
後動輪荷重
45 gf

● 分解写真: 古いモデルの中古ジャンク品ではあるが、走行歴はあまり無い様であり、傷や摩耗等は殆ど見受けられなかった。

 

● フライホイール搭載の第1弾モデルでる品番 3010 モデルの構造をそのまま踏襲したマイナーチェンジモデル。

● 運転席のシースルー化のために、追加加工されたダイカストフレームであるが刻印は 3010 のままである。 ダイカスト型を流用したためと思われる。 台車やライトユニットはそのまま共通使用されている。

● 動力系も全く一緒と思っていると、モータの形状が異なる事に気が付いた。 性能測定結果からも、モータの仕様が変更されている様子である。

● モータ以外の動力系の仕様は同じであった。 即ち、ホイールギヤは、ウォームと噛み合う歯が、m = 0.4、Z = 19、アイドルギヤと噛み合う歯は、m = 0.3、Z = 17 の2段になっている。 動輪の直径はφ= 7.4 mm 動輪の歯車は m = 0.3、Z = 17であるため、モータから動輪までの減速ギヤ比は、i = 19.0 であった。

動力特性

 【2014年12月】 改良した動力特性測定装置を使用して性能特性を再測定する。 この改良された測定装置では、従来の項目に加えて、走行中のモータ端子電圧とモータ回転数の測定を可能にしている。 なお、この測定内容は、「鉄道模型実験室 > 測定装置の改善 」でこの一部分を記述している。   2014/12/15 追記




******************************   牽引力特性   ******************************************



 

速度特性:

 平坦路にて走行させ車速と電圧、および電流と電圧を測定し、走行性能を計測する。 

  測定日: 2014年12月12日
  測定車の測定ユニット:モデル3
  スケッチ: New_Keninryoku_test5

 走行は、見た目には安定した走りであったが、データを見ているとかなり変化でいている。 古いモデルの中古ジャンク品のためか。 電流値も同様にバラツキが多いようである。

 今回新しく追加した電圧降下量については、およそ 0.7 〜1.3 ボルトまで変化していおり、バラツキも大きい。 電圧値あるいは電流値に少し比例しているような傾向が見られる。

 モータ回転数については、単品無負荷時のデータと比較して、動力機構や台車などの抵抗により、回転数が低下しているのが分かる。 これらの損失抵抗はやや多めである。

 このモータ回転数から計算したスリップ率は1%前後と納得に行く値を示している。

 

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牽引力特性:

 次に牽引力特性を測定した。

 測定日: 2014年12月12日
 測定車の測定ユニット:モデル3
 スケッチ: New_Keninryoku_test5

 

 各グラフを簡単に説明しておこう。

 まず、牽引力と車速グラフは従来の表示方法に加えて、モータ回転数から計算したスリップ率ゼロの場合の車速度を重ねてプロットしてみた。 M と表示したプロット点である。 牽引力と電流のグラフは従来通りである。

 電圧降下のグラフは、レールに供給する電圧とモータ端子電圧の差を計算したもので、車輪とレール、車輪の軸受部、台車の集電子と車体との間、の接触抵抗による電圧降下量である。 当然、プラス側とマイナス側の合計値である。

 この電圧降下量を電流との関係と牽引力の関係とでグラフ化している。

 次に、モータの規定回転数をカウント完了する時間 tp と速度計測ゲートを通過する時間 tt との時間比率 tp/tt をグラフ化して、車速とモータ回転数の比率を見ている。 この比率が変化する事はとりもなおさず車輪が滑っている事を示している。 そしてこの値をもとにスリップ率を計算してグラフ化している。

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 まず、牽引力と車速グラフより、牽引力側のスリップ領域では、スリップ限界のかなり前から車輪が滑り始めているのが分かる。 その様子はスリップ率のグラフでも明確に表示する事が出来るようになった。 注目していた制動領域での振る舞いは、いまいちはっきりしないが、今後のデータの蓄積を待つことにしよう。

 また、この牽引力のグラフは特性がふらふらしており、データが大きくバラツイテいる。 このため、パラメータは2種類測定して中止している。 牽引力と電流値のグラフにおいてもバラツイテいるので、摩擦損失などの力関係の要因が不安定である事を示しているのではないだろうか。

 さらに、電圧降下も、その変化量が意外と大きいのに注目している。 電流との関係では何かの傾向が出るかと期待したが、団子状態で良く分からない。 他の要因が強そうである。

 そこで牽引力との関係を見てみると、少し傘形のパターンにも見えるし、電圧が高くなると電圧降下量が大きくなっているようにも見える。 しかし、実験の順番は電圧の低い方から実施したので、各部の汚れが増加して時間と共に電圧降下が大きくなったとも想定されるので、断定は出来ない。

 一方、tp/tt のグラフは、ピタリと一致した安定的なグラフをしめしており、その結果、スリップ率のグラフも綺麗なパターンを示している。

 これは、モータ回転数が安定して計測出来ている事を示していると判断している。

まとめ:

 このEF81-81号機は、やや古いモデルであるため、動力性能は安定性に少し欠けているように判断するが、この程度では見た目には殆ど感じられないので、走行は充分に楽しめるレベルと思われる。


   ( 以下の内容は、 2011.11.22 追加修正時の記述である。  )

速度特性:

 動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。
 スケール速度80Km/hは、電圧でみると、5.0volt近辺であるが、電圧の立ち上がりがやけに高い。 中古ジャンク品を入手したため、グリース等がべったりの可能性もある。 分解掃除して、再整備する必要があるかも。

    

 分解掃除後の測定データを示す。今回は傾斜法測定台を使用した。 立ち上り点は殆んど変わらないが勾配が寝てしまった。 電流特性も殆んど変化なし。

牽引力特性:

 動力車の牽引力特性として、電圧 4.0 volt での牽引力・車速特性と牽引力・電圧特性を右に示す。 牽引力/速度特性はかなり寝ており、旧製品の特性なのか、整備不良なのかは分からない。

    

 分解掃除後の測定データを示す。 今回は傾斜法測定台を使用した。 電圧も上げて測定する。 制動領域も綺麗に測定されており、粘着領域での牽引力は、26グラムを掛けるとスリップして測定不能であった。 

 

 

 新たに調査した動力性能の詳細は、「 動力車の調査 KATO EF81-81 」 を参照してください。(2012.10.13)