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鉄道模型工学 粘着特性を測定しよう 本格的な測定を始める

  粘着特性を測定するための装置を作っています。予備実験の結果が良好だったので本格的な測定を始めることにした。今回は、EF510-4号機、ED75-1001号機、EF65-1103号機を測定した。

 

■ はじめに

 今回の測定は、過去の測定データを補完するものであるため、すべり率の過去のデータのあるモデルを対象に測定を実施した。しかし、過去の測定方法について、どのようなセンサを使ってどのように測定したのか、レポートやメモの内容を参考にしながら準備したが、もう10年も前のことであり、該当する情報を探すのに苦労した。しっかりと参考にできるものもあれば、どうやって測定したのか分からなかったモデルもあった。記録しておくことの大切さを痛感しました。

 多くは、すでに廃却している測定装置を使って測定したデータであるので、装置については今回の装置に合うように工夫した。過去の作業で一番大変だったモータの回転部のマーキングはそっくり残っているので、この点は楽であった。しかし、センサに関しては今回の測定方法に合致するセンサに適応させる細工が必要であった。測定方法の違いによる差異など、その整合性も検証する必要もあるかもしれない。

 また、測定データについては、Excelファイルとして保管してあったので、その中から必要なデータをコピーして転記した。

 なお、車両の緒元や過去のデータの詳細についてはマイコレクションの個別モデルのページを参照してください。

 

■ EF510-4号機の測定

 最初にTOMIX製のEF510-4号機をチョイスして測定を実施した。測定時の状態を下に示します。

 過去のセンサユニットが使用できなかったので、同じセンサICを使用した別のユニット(No.5)を使用した。センサ窓は加工してあったが、新しいユニットに適合できるように拡大加工を実施した。

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 センサとカプラーを取り付けた状態を右に示す。

 実験結果は下のグラフに示すように、狙いどうりの満足のいくデータが得られた。

 橙色のポイントが過去のデータであり、赤色のポイントが今回のデータである。また、右下のポイントは牽引糸を緩めてロードセルに力が掛からないようして測定したゼロ点であり、引張力のドリフト値のチェックとしている。

 測定後に車輪の状態をチェックした。トラクションタイヤは異常なく、各車輪の汚れもなく良好であった。

 

■ ED75-1001号機の測定

 2番手として、KATO製のED75-1001号機を測定した。

 センサユニットは新しい No.6 ユニットを使用した。高さを合わせるために、以前使用していたピースを活用した。

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 カプラーは、測定中に脱線した場合、車両が転がった時でもしっかりと確保出来るように紙テープでグルグル巻きにしている。これで安心である。センサとカプラーを取り付けた状態を右に示す。

 実験結果のグラフを下に示す。

 このモデルでは、以前のデータとかなり乖離したデータとなっている。上記の測定で自信が出てきたと思ったのだが・・・・・・・・。 測定方法の違いなのか、モデルのバラツキなのか?・・・・・・検証が必要ですね。

 動輪の状態は良好です。

 

■ EF65-1103号機の測定

 3番手として、KATO製のEF65-1103号機を測定した。

 このモデルは、我がコレクションの中でも新しい型のモデルになるので、安定したデータを示してくれると期待した。でも、ボディを取り外してみると戸惑ってしまった。モータのフライホイールにペイントしたはずの白黒マークが見えないのである。データを見ると確かにモータの回転数を測定しているはずだが・・・・・・・・・。

 そこで、車体を分解する事にしたが、今度はその分解方法が分からなくなってしまった。無理やり分解したが、やっと簡単に分解する方法を見つけた。そして、白黒にマーキングされたフライホイールと、その観察窓の位置も確認した。

 でもその位置は上部の照明基盤が邪魔をしているのだ。試しに基盤無しでレールの上に置いて見たが走り出さなかった。モータへの通電経路が必要なのである。そこで以前の測定方法を調べてみたが、部品の痕跡やメモ書き等の記録が見つからなかった。そこで、新しく作ることにした。0.5mmのプラ板に0.1oの粘着剤付き銅板を貼り付けて、応急的な通電基盤とした。下の写真。

 その装着状態を下に示す。

 その上に、No.6号のセンサユニットを取り付けた。カプラーも紙テープでグルグル巻きして連結した。

 センサユニットとカプラーを装着した状態を下左にしめす。ここで、思い出したが、ボディーを取り外した分の重さを補充することにした。

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 補充量、即ち、89.7g - 81.5g = 8.2g を水草の重りを集めて、車体上部の中心位置に張り付けた。

 

 この状態で測定した結果を右のグラフに示す。

 

 測定後の動輪の様子を下に示す。トラクションタイヤは少しテカリ気味であったが異常はなさそうであった。他の動輪は見なピカピカであった。

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 各モデルは、諸元の違いやトラクションタイヤの位置など構造上の違いによって、引張力の傾向が変わってくると考えている。

 以前、このトラクションタイヤの位置、台車の支点位置、カプラーの位置などによる摩擦係数の傾向を解析しようとしたが、途中で頓挫してしまった。あまりにも複雑になってしまったので、あきらめたのである。台車に掛かるモーメントによって、各動輪に掛かる荷重が変化するのだが、その傾向がいろいろなパターンがありそうなので複雑化してしまったのである。

 こうなると、いろいろなモデルでの実際の測定データを集めることが必要である。 さる大先輩がコメントしていた、ただ ”測定しました” だけの報告にならないように頑張ることにしよう。そう言えば、小生は未だに力の単位を グラム重 を使用している。 まさに定年退職者以上の世代である。これでは消え去っていく老人のお遊びで終わってしまう・・・・・・そのとおりである 。我々は次の世代のために、基礎を作っておかねばならない・・・・・・・・・いやいや、自分は後期高齢者のボケ防止のために趣味で実施しており、忘れないようにとメモっているのだ。そのような大それた意図は有りません。

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 次回も、N増し実験を進めることにしましょう。