HOME >> マイコレクション > 電気機関車リスト > ED75 1001
ED75形は交流用の標準機として国鉄時代1963年に誕生し、コンパクトなボディながらハイパワーな機関車として東北本線や常磐線に投入されました。1000番代は東北本線全線電化に合わせ、1968年から1976年までに39両(1001 - 1039号機)が製造された。 高速貨物列車および20系寝台特急客車牽引に対応した高速運転用である。
1001号機は、1968年5月日立で製造され、仙貨に配置されている。
メーカー : KATO
商品名 : ED75 一般形
品番 : 3028
車両番号 : ED75 1001
スケール : Nゲージ、1/150
発売日 : 1999年以前
入手日 : 2010年10月13日 中古品入手
定価 : \ 6,090.-
● フライホイール付動力ユニット採用。
● 前後の前照灯点灯。
● アーノルドカプラーからナックルカプラーに交換する。
連結面間距離 |
101.5 mm |
車体重量 | 79.6 gr |
前台車動輪荷重 | 39.8 グラム |
後台車動輪荷重 | 39.8 グラム |
動輪直径 | D = φ7.4mm |
ギヤ比 | i = 19 |
● 分解写真を下に示す。 このモデルは、動力車調査の第8弾として分解調査しているので、その内容をこちらに転載している。 このため、詳細については分解調査の方を参照ください。
【2014年12月】 改良した動力特性測定装置を使用して性能特性を再測定する。 この改良された測定装置では、従来の項目に加えて、走行中のモータ端子電圧とモータ回転数の測定を可能にしている。 測定の対象にしたED75-1001号機は邪魔になる車体を取り外し、回転センサや測定用の導線などをセロテープで止めている。 また、厳密ではないが車体重量を合わせるために重りも追加した。 2014/12/24 追記
↑ 測定対象の動力車(ED75-1001号機)と測定車の装備
● ED75-1001号機の測定時の重量: 80.9グラム、 測定車の重量: 92.5グラム、 走行抵抗: 1.2 グラム
******** 牽引力特性 *************
速度特性:
平坦路にて走行させ車速と電圧、および電流と電圧を測定し、走行性能を計測する。
測定日: 2014年12月24日
測定車の測定ユニット:モデル3
スケッチ: New_Keninryoku_test5
走行は安定した走りであったが、データを見ると、少しバラツイテいる。 特性は少し弓なりになっているようである。 また、電流特性も非線形の様子である。
この速度特性について、2010.11.22作成時の測定データよりも、速度がかなり落ち込んでおり、低速性能も悪化している。測定前に分解掃除して、メンテナンスは充分なはずなのに・・・・・・・・・?である。
電圧降下量については、 0.9 〜1.2 ボルト前後で安定している様子である。
モータ回転数については、単品無負荷時のデータが無いので比較出来ていないが、端子電圧に対してモータ回転数がバラツイテいるのは摩擦抵抗がバラツイテいる影響だろうか。 このバラツキ具合は、車速のデータと類似しているので、モータの回転変動が速度に影響していると考えられる。 でも何故回転変動が生じているのかは推定出来ない。
このモータ回転数から計算したスリップ率は - 2 〜 + 2 %前後と納得がいく値を示している。
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牽引力特性:
次に牽引力特性を測定した。
測定日: 2014年12月24日
測定車の測定ユニット:モデル3
スケッチ: New_Keninryoku_test5
各グラフを簡単に説明しておこう。
まず、牽引力と車速グラフは従来の表示方法に加えて、モータ回転数から計算したスリップ率ゼロの場合の車速度を重ねてプロットしてみた。 M と表示したプロット点である。 牽引力と電流のグラフは従来通りである。
電圧降下のグラフは、レールに供給する電圧とモータ端子電圧の差を計算したもので、車輪とレール、車輪の軸受部、台車の集電子と車体との間、の接触抵抗による電圧降下量である。 当然、プラス側とマイナス側の合計値である。
この電圧降下量を電流との関係と牽引力の関係とでグラフ化している。
次に、モータの規定回転数をカウント完了する時間 tp と速度計測ゲートを通過する時間 tt との時間比率 tp/tt をグラフ化して、車速とモータ回転数の比率を見ている。 この比率が変化する事はとりもなおさず車輪が滑っている事を示している。 そしてこの値をもとにスリップ率を計算してグラフ化している。
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まず、牽引力と車速グラフより、牽引力側のスリップ領域では、スリップ限界のかなり前から車輪が滑り始めているのが分かる。 その様子はスリップ率のグラフでも明確に表示する事が出来るようになった。 注目していた制動領域での振る舞いは、制動力が増加しても、モータ回転数と車速は殆ど変化せず、最後には車輪がスリップするため、車速のみ増加している様子である。 これは、ウォームの歯面で発生する摩擦トルクは殆ど変化しないか、あるいは、僅かにしか増加しない事を示しているのではないだろうか。
また、供給電圧が4ボルトの時には、速度のバラツキが大きくなっている。 測定中でもモータの音が変化したり、速度が落ちたのははっきりと認識できていた。 でもそのままダウンすのかと見ていると、次の周回の時には回復していると言った状態が続いたので測定を続行した。 このため、グラフはかなりばらついたものとなっている。 スリップ率は安定していたので、モータ自体の回転数が変化したためと読み取れる。 その原因は電圧降下による影響とみている。
電圧降下は、その変化量が大きいものの、電流との関係では何かの傾向が出ているようであるがはっきりしない。 しかし、牽引力との関係でグラフ化すると、はっきりとした傘形のパターンをしめしているので、非常に興味のあるデータとなっている。
このグラフからも、どうして? と疑問が湧き出てくる!
一方、tp/tt のグラフは、ピタリと一致した安定的なグラフをしめしており、その結果、スリップ率のグラフも綺麗なパターンを示している。
これは、モータ回転数が安定して計測出来ている事を示していると判断しているが、ただ拡大表示すると測定誤差の影響で少しバラバラとしたグラフとなっている。
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まとめ:
このED75-1001号機は、少し古いモデルであり、台車の保持機構と駆動機構が変更された新しいモデルとは少し様子が変わっている点に注目しておこう。 特に傘形の電圧降下のパターンであるが、構造的な要因が絡んでいるように思われる。
また、低速性能は、最近のモデルよりも劣るが、モータ特性の影響かも知れないし、集電性能(電圧降下)の影響かもしれない。
実験データの再現性も疑う必要があるが、だんだん泥沼に入っていくような気がする。 とにかく色々な車両を手当たり次第測ってみる必要がありそうである。
(以上 2014/12/24 追記)
以下の記述は、2010.11.22 作成時の記述である。
速度特性:
動力車の速度特性を測定する。 速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。
牽引力特性:
動力車の牽引力特性を測定する。